ウーツー(CDレビューア)

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ゆううつで無気力な感じを少し楽にしてくれる、タンゴとワルツと暗い音楽の絶妙なブレンド「ヒトラーの贋札」サントラ

 五月ごろから、ゆううつで無気力な感じがする日が多くなった。朝方から、モーツァルトのような快活な音楽を聴いて過ごしていたのだが、午後2時ごろを過ぎると、毎度のごとく、聴きたいCD探しに困る。そんなとき、よく取り出して聴くのが、「ヒトラーの贋札(にせさつ)」サントラだ。

 「プップワァ~♪」と鳴る切ないハーモニカの出だしと、「ポロロン♪」と地味に伴奏するギターで始まるタンゴの演奏が、ちょっと行き詰まりかけた不安な心をくすぐる。「ダッダッダッダッ♪」とテンポよく掻き鳴らすギターのリズムに乗って、自由奔放に思いのたけをぶちまけるようにハーモニカが歌いまくる。そのなんとも快活なようでいて切なく奔放な調べを聴くと、行き詰まり止っていた気分の自縛が解けて、解放された気分になる。

 「ステファン・ルツォヴィツキー」(Stefan Ruzowitzky)監督は、『「ヒューゴ・ディエズ」(Hugo Diaz)のタンゴは、エモーショナリーにストーリーと主人公にすばらしくマッチした。主人公は悲しく、パッションやプライド、エネルギーに満ち、非常な愛と苦悩、非常な欲望があり、とてもエモーショナルだが、感傷的ではなかった。』と、ライナーノーツに書いている。タンゴはそういう感情や感覚をイメージさせたり、思い起こさせるのかもしれない。

 ・・・

 「ヒューゴ・ディエズ」のタンゴとともに、気分を明るくさせてくれるのが、3曲の「ヨハン・シュトラウス」や1曲の「ツェーラー」(Carl Zeller)のオペレッタのワルツの曲にのせて歌われる陽気な歌曲の数々。戦争中のラジオ音源からとったような音の悪さが、逆に懐かしさや暖かみを感じさせる。

 『第二次世界大戦の終わりの時期に、オペレッタはドイツ帝国のサウンドトラックだった。甘いヴァオイリンの音色、歌うようなメロディ、愛やロマンスについての微笑ましい歌詞は国民から戦争の辛さを忘れさせる音楽的逃避だった』(ステファン・ルツォヴィツキー-ライナーノーツより)。

 ・・・

 このサントラが、独特に思えるのは、情熱的なタンゴと暖かみのあるオペレッタの曲の間に、暗い曲や、ゆがんだような曲や、無機的な効果音が挟まれるところだ。

 これらのスコアを作曲したのは「マリウス・ルーラント」。これらのスコアは行き詰まったときの気分をうまく音にしたように感じられる。これらの曲が終わった後で、華やかにタンゴやワルツやが始まるときに感じられる高揚感が、それまで重かった気分をふわっと軽くしてくれる。この陰と陽のコントラストが繰り返すことで、独特の不安定さと情緒が表現される。これが聴きこむにつれて病みつきになる要因ではないかと感じている。

 もっとも、「マリウス・ルーラント」がこれらのスコアを作曲した意図は違うようだ。

 『観客に(音楽を)感じさせず、常にストーリーに仕える。・・・彼のサウンドデザインは、しばしば、観客が"それがそれである"と、告げることができないようにうまくブレンドされている。』(ステファン・ルツォヴィツキー-ライナーノーツより)。

 「ルーラント」は、いわゆる、アンダースコアを描いて劇伴に徹したということだろう。「ルツォヴィツキー」監督はライナーノーツの最後に、そんな「ルーラント」にこう賛辞を送っている。

 『このCDが、最後に、彼の芸術に集中するチャンスをぼくらに与えてくれてとてもハッピーだ。』

The Counterfeiters [Music from the Motion Picture]The Counterfeiters [Music from the Motion Picture]
(2008/03/04)
Celedonio Flores、

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    Marius Ruhland - The Counterfeiters (Music from the Motion Picture)









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テーマ:お気に入りの曲♪ - ジャンル:音楽

年末になってから、急にモダンジャズや女性ヴォーカルが聴きたくなった

 このところになって、急にジャズを聴くようになった。昔よく集めていたジャズの名門プレステッジ・レーベルのLPのうち、買いそびれた「グッドゥン・グルービー(Good'n' Groovy)/ジョー・ニューマン(Joe Newman)」(SV2019)オリジナルのLPを吉祥寺の中古屋で見つけて試聴したのがきっかけだ。

 聴いているうちにトランペットとテナー・サックスが交互に気持ちよいメロディーを歌い上げるスインギーなフォービートにはまってしまった。

 それで、部屋でいろいろと所有しているプレステッジのLPやCDを聴いている日々が続いた。結局、「ジョー・ニューマン」名義のオリジナルLP2枚を含む3枚を10%のまとめ買い割引で購入、年末に予定外の出費となってしまった。

 昨日も出かけて、今度は女性ヴォーカルのオリジナルのLPをお店で聴いているうちに、またまたはまってしまい、部屋にあるLPを何枚か聴いてうちに、すっかりまったりとしてしまった。

 モダンジャズや女性ヴォーカルはどこかしらゆったりとしている。必要以上に管楽器を鳴らしたり、声を張りあげたりするようなところがない。それなりにのりがよく、落ち着いて聴ける。クラシックやポップスのCDを選んで聴かず、この種のレコードを聴く理由はこの点にありそうな感じだ。

 年末になると、なんだか急に寂しくなったり、お金が心細くなって、心に余裕がなくなってくるけど、ちょくちょく中古屋に出かけて、いろいろなレコードを観たり、聴いたりしてひとときを過ごすと思いがけず、心に余裕が生まれるかも。

Good N' GroovyGood N' Groovy
(1994/03/10)
Joe Newman

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壮麗な映画「アース」の曲が聴ける「プラネット・アース」サントラ

 今年のお正月公開の映画「earth」(英・独合作)をDVDで観て、映像もさることながら、音楽の力強さに感動してしまい、サントラを探したのだが、発売されてないようだった。
 DVDには、ナレーションをつけない選択もできるので、それを聴きながら楽しんでいたのだが、NHKとBBCの共同制作の番組「プラネット・アース」のサントラ「Planet Earth」をネットで試聴してみたら、「earth」で使われていた音楽がいくつかあることがわかり、購入してみることにした。

 作曲は同じ「ジョージ・フェントン」。演奏は「earth」がベルリンフィルで、「Planet Earth」サントラが、BBCコンサート・オーケストラになっている。発売されたのが2006年11月となっていたが、ぼくの手元にある米盤は2008年発売になっている。
 
 2枚組みで、「earth」でに使われた曲は1枚目のCDに多く収録されているように思える。

 メインテーマになってる壮麗な「1.Prelude」、安らぐ「2.The Journey of the Sun」「14.The Snow Leopardo」、緊迫した狩の音楽「3.Hunting Dogs」、メインテーマの変奏版「9.Angel Falls」「11.iguacu」、せつなさがしみじみと伝わってくる「17.Desert Winds/The Locusts」「19.Namibia-The Lions and the oryx」など、映画を観ればおなじみの音楽がよみがえる。BBCコンサート・オーケストラの演奏も良質の録音とともに悪くない。 ただ、2枚目の音楽は、のっぺりとした感じで、あまり印象に残らない感じ。

 えんえんと続く大地の営みに起こる動物たちのドラマをうまくこのサントラは表現している。BGMとして聴いてもいい。

Planet Earth [Music from the BBC TV Series]Planet Earth [Music from the BBC TV Series]
(2006/10/30)
George Fenton、

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ふわっとした空気感で目覚めのBGMに聴いている「トゥー・ホライゾンズ/モイヤ」

 7月4日にブログがなくなって以来、元気がなくなり、CDを聴く気になれなかったのだが、今週からだいぶ涼しくなってきて少し音楽を聴きたくなった。
 夏の暑さの疲れが出てきてせいか、気楽に聴けるCDはないかとあれこれ探していたら、「モイヤ」こと「モイヤ・ブレナン」の「トゥー・ホライゾンズ」を見つけ、聴いているうちに、すっかり気に入ってしまい、目覚めのBGMに聴いている。

 「モイヤ」は有名な「エンヤ」こと「エンヤ・ブレナン」の姉で、彼女の兄弟や従兄弟とともに、「クラナド」とゆうニューエイジ系のポップ・グループをしばらくの間、組んで何枚かアルバムを出していたことがある。「エンヤ」も一枚だけ「クラナド」のアルバムに参加したことがあるが、その後、ポップ系を目指す「クラナド」とクラシカル的アプローチを目指す「エンヤ」は方向性の違いで「クラナド」を離れた。
 
 「モイヤ」のアルバムは「クラナド」のゆったりとしたニューエイジミュージックのサウンドを更に、聴きやすくした感じの音作りで、前作の「ウィスパー・トゥー・ザ・ワイルド・ウォーター」の雰囲気を踏襲している。「トゥー・ホライゾンズ」はエピックからユニヴァーサルヘ移籍しての初アルバムとなっている。
 
 ・・・
 
 このアルバムはケルト人の聖地である「タラ」とゆうところにある「ハープ」をめぐってのストーリー仕立てで各曲が構成されている。アルバムの雰囲気はエンヤ風のふわっとした空気感がただようシンセサイザーの音に、ハープのつまびく音を交え、更にフィドル、ホイッスル、イーリアン・パイプといったケルティック・ミュージックに使われる楽器の旋律を用いながら、ややゆったりとしたミディアム・テンポのリズムにのせ、「モイヤ」が、やはりふわっとした空気感で唄うのが心地よい。
 彼女の歌声も「エンヤ」のような多重録音を用いて実現している。
 彼女名義の以前のアルバムと比べると、ケルティックミュージック特有の旋律がたびたび出てくるのもうれしい。

トゥー・ホライゾンズトゥー・ホライゾンズ
(2003/10/29)
モイヤ

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