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農地法「改正」案がなくても株式会社は農業に参入できるのに、なぜ改正?企業にできるか?耕作放棄地を粘りづよく取り組み農地に変えた長野県佐久市のとりくみ

 おととい(4/22)、農林水産省はコメの生産調整(減反[げんたん])を見直した場合、生産量や米価がどう変わるかという減反を廃止、緩和するといった五つのシナリオ(生産調整[減反]見直しの5シナリオ)を前提とした試算を政府の農政改革特命チームに提出した。

 そこで、農水省はコメの平均的な生産費を1万円に抑えるには、コメ農家の85―95%が5㌶以上の大規模農家になる必要がある、と指摘したようだ。これは、日本経団連会長の御手洗冨士夫氏ら経済財政諮問会議が、農水省が設置した『農地政策に関する有識者会議』を服従させて、農地の大規模化のために『所有』から『利用』へ農地の利用を転換させて、一般企業の農地参入の自由化を図ろうとしている動きと符号しているとも捉えられる。

 しかし、現行の『所有』に基づいた「農地耕作者主義」のもとでも、株式会社は本気に農業生産をしようと思えば農業に参入できる、と日本共産党は指摘する。


家族経営に支障 日本共産党は法案に反対です

 株式会社はいまでも本気に農業生産をしようと思えば農業に参入できます。それは▽農家とともに「農業生産法人」をつくって農地所有・利用ができる(株式の譲渡制限あるもの)▽耕作放棄地が多い地域を農業特区として市町村と協定を結び農地リース(賃貸)方式で農業に参入できる、という二つのルートによります。

 当初、農業生産法人の事業は基本的に農業に限定され、法人を構成する要件もその法人に常時従事する者か農地を賃したり売った者に限定されていました。財界要求で要件が規制緩和され、農外企業が生産法人の構成員になり、今回の農地法「改正」案では、農外企業の議決権を50%未満まで引き上げることができ、企業が事実上支配するようになっています。

 特区方式も当初は特定市町村でしたが、二〇〇五年には全国展開が可能となっています。

 しかし、企業だから農業所得が保障されるわけではありません。農業委員会の全国組織・全国農業会議所の調査(二〇〇八年八月)では63%が赤字です。

 日本共産党は、昨年三月に発表した「農業再生プラン」で、「不採算」を理由に耕作を放棄したり、より利潤の見込める用途のために農地を転用することによって、地域農業が危機に直面する懸念が強まることや、周辺の家族経営との間で地域農業の共同管理などに支障がおきることなどを指摘、株式会社の農地所有や利用自由化に反対することを明確にしています。しんぶん赤旗(4/20)8面

 それは、①株式の譲渡制限を設けたうえで、農家とともに『農業生産法人』をつくって農地所有・利用ができるやり方と、②耕作放棄地が多い地域を『農業特区』として市町村と協定を結び農地リース(賃貸)方式で農業に参入できるやり方のふたとおりだという。

 ところが、『農業生産法人』に関して、財界要求で要件が規制緩和され、農外企業が生産法人の構成員になり、今回の農地法「改正」案では、農外企業の議決権を50%未満まで引き上げることができ、企業が事実上支配することができるようになってしまうという。 『農業特区』も当初は特定市町村だったが、2005年には既に全国展開が可能となっているという。

 つまり、今回の農地法「改正」案で、農外企業の議決権を50%未満まで引き上げて、農業と関係のない企業が『農業生産法人』を支配し、また、既に全国展開が可能となった耕作放棄地が多い『農業特区』にまで進出することができる。

 採算性が合わない耕作放棄地が多い『農業特区』に関しては、農地の許諾をする「農業委員会」が許可、不許可の基準が法的にはっきりしていないことで、農地を産業廃棄物や建設残土の埋立地にしてしまう業者に許可を与えてしまう恐れがある。
 

 4/14に行われた衆院農林水産委員会の参考人質疑で、農地制度に詳しい中央大学大学院の原田純孝教授が意見陳述をして、農地耕作者主義をとりはらい賃借(利用権)を自由化する同「改正」案について、株式会社などの農地所有自由化につながると警告した。

耕作者主義廃止は農地自由化への道 原田純孝中央大院教授の国会陳述

 農地法「改正」案の審議では、農地は自ら農作業に常時従事する者のみに農地の権利が取得できるとする「農地耕作者主義」の廃止が大きな焦点となっています。

 十四日おこなわれた衆院農林水産委員会の参考人質疑では、農地制度に詳しい中央大学大学院の原田純孝教授(東大名誉教授)が意見陳述をして、農地耕作者主義をとりはらい賃借(利用権)を自由化する同「改正」案について、株式会社などの農地所有自由化につながると警告しました。

 今回の「改正」案は、農地の所有権の自由化は認めていません。この点で原田教授は、一方で賃貸による農業経営者については農作業への常時義務要件を不要としながら、他方で所有権による農業経営に限っては常時義務要件を課すということを(法的に)根拠づけることは至難の業」と指摘し、「農地の所有権の取得も同じ扱いにすべきだ、との議論がほどなく登場する」との見通しをのべました。

 農水省が農地所有権自由化につながらない理由として、借りたものが農地を[適正]に利用していない場合に契約の解除や許可取り消しで原状回復ができる条項が法案にあるとしていますが、原田教授は[この理由付けは相当無理がある」とのべました。農地の貸し手に後継者がいないなどのため契約解除・取り戻しを要求しないことは常にあり、一方で農地所有者も農地を適正に利用していないこともあり、「適正利用」条項では説明にならないと指摘しました。

 原田教授は、法案が農地の取得自由化は規制していることについて「きたる近い将来には消えていく宿命をおわされている」とのべ「農地制度がどうなっていくか大きな不安感がある」とのべました。しんぶん赤旗(4/20)8面

 原田教授の陳述によると、今回の農地法「改正」案では、農地を借りて農業を行う農業経営者には常時農作業へ義務を課さない、としながら、一方で農地を所有する農業経営に限っては常時農作業の義務を課すという理屈には無理があり、法的に根拠づけることは難しく、農地の所有権を取得する場合も同じ扱い(常時農作業へ義務を課さない)にすべきという議論になるという。

 また、借りたものが農地を適正に利用していない場合に契約の解除や許可取り消しで原状回復ができる条項が法案にあるが、農地の貸し手に後継者がいないなどのため契約解除・取り戻しを要求しないことが常にある理由や、農地所有者も農地を適正に利用していないこともある理由で、この法案では適正に利用されていない農地を現状回復することが難しいという。

 つまり、農地を借りる者や、農地を所有する者に対して営農に同じ義務を課さない法案では無理があり、農地が適正に利用されていない状況で、農地の所有者みずからが耕作しない状況や、貸し手に契約解除・取り戻しを要求しない状況では法案に沿って農地を回復することが難しい。農地法「改正」案の根本には、合理性にとぼしく、現状に合っていないところがあるというわけだ。


 ・・・

 農水省がいうように、コメ農家の85―95%が5㌶以上の大規模農家になり、コメの平均的な生産費を1万円台に抑えれば、耕作放棄地の増加に歯止めがかかり農地面積は増えるのか?

 長野県佐久市ではベテラン農家の力と知恵で耕作放棄地を復興し、現在、作物を通じて子どもたちの「食育」や地域の祭り・交流に役立てているという。


遊休地復活 ■長野県佐久市 農家と地域が協力

 長野県の東部に位置する佐久市では、ベテラン農家の力と知恵で耕作放棄地を復興しました。作物は子どもたちの「食育」や地域の祭り・交流に役立てています。今国会で審議されている農地法改悪案では″耕作放棄地解消のために株式会社などの農地利用が必要″としていますが、農家の人たちは「利益追求の企業ができるはずがない」と意気軒高です。(中沢睦夫)

あまりかんがえずいわれるようにやったきが...
「30㌢間隔だよ」。子どもたちにジャガイモの種まきを教える荻原さん(中央)=佐久市瀬戸原

子どもの「食育」にも一役

 同市に流れる千曲川市流域の平野部から少し高台となっている瀬戸原地区。およそ三十㌶の佃があります。ナタネの花はちらほら咲き、小麦の草丈が二十㌢ほどに伸びています。

 近くの城山小学校の三年生がジャガイモの植え付けの体験学習にきました。ジャガイモを佃に埋める間隔を測るため三十㌢の棒や定規をもってきました。半分に切って炭をつけ少し芽が出たジャガイモを埋め、母親とともに「大きくなれよ」といい肥料をまきました。

 「ジャガイモはこの芽から大きくなるよ。でも芽を食べると毒なんだって」。″事前学習″をしてきた子どもは得意そうに話しました。

 ジャガイモは七月下旬には収穫し、近くの稲荷神社の広場を使い、ふかして食べます。学校では地域のレストランのシェフが参加しコロッケ作りを教えてくれます。ナタネ油は学校給食のてんぷらに使います。様子を見にきた同校の塩沢崇校長先生は「こんなにありがたいことはない。地域のネットワークをみなさんがもっているし、子どもを大事にしてくれる」といいます。

あでらんすのひとがいる?

復興した菜の花畑と浅間山を背景に談笑する「菜の花部会」の人たち。左から3人目は小林さん=佐久市瀬戸原

定年退職し転身

 ジャガイモ植えの準備と指導は、荻原徳雄さん(七五)たち「楽農倶楽部」菜の花部会の人たちがおこなっています。定年退職後に専業農家になった人たちです。中心は農民連の会員ですが、地域のつながりで参加者が広がっています。

 荻原さんは、「ここら辺は二㍍超える草が生え放題だったんだ」といいます。もともと桑畑でしたが、輸入生糸に押されて廃業、整地をしたものの麦や野菜の畑作も低価格のため作り手がなくなりました。萩原さんは荒廃する畑を見て復興するため四年前にナタネ油を本格的に搾ることを考えました。当時の長野県政が地産地消のため補助をしていたことも後押しをしました。地権者と話し十㌶あまりを確保しました。

 課題となったのは、ナタネなどの種子の確保、連作障害を防ぐ作物体系、手刈りでやり重労働だった夏場のナタネ収穫作業の機械化です。

 小林節夫さん(八三)は、この課題を解決した一人です。農民連の元代表常任委員だった小林さんは、ナタネの種子を青森県農民連から取り寄せ、ナタネ油を搾る業者も探しました。連作障害を防ぐための小麦は北海道農民連のパン用品種を手に入れました。ソバは地場産です。

 ナタネの収穫は、専用のオペレーター(作業員)に依頼して解決しました。隣町の小諸市が導入した機械が佐久市も区域にはいる農協の管理になっていたことから農協と折衝し導入が実現しました。

 小林さんは、全国どこでもナタネ油を取り入れた耕作放棄地解消策は可能だとみています。ナタネ油は農地の地権者に地代として配られ、学校給食だけでなく、地域の催し物にもてんぷら用に使われています。「地産地消、食文化の振興になる。いまは機械の性能もよく、定年退職世代が輪作体系でやれる。株大会社が遊休農地を狙っているが、そうすれば参入を許さないだろう」といいます。

後継者はできる

 ジャガイモの種まき体験の指導を終えた農家の人たちは、イノシシとシカの焼き肉で「打ち合わせ会」。今年はお孫さんが体験したという桜井今朝男さん(七〇)らは、「おじいちゃんきてよといわれた。来年は芋掘りが楽しみだと子どもにいわれると張り合いがある、やめられない」といいます。

 責任者を務める荻原さんは「必ず農業後継者は生まれる。こんな楽しいことはないが、株式会社はできるはずない」と強調しました。しんぶん赤旗(4/20)8面
 
 城山小学校の三年生がジャガイモの植え付けの体験学習のようすを読むと、畑は単に食料を生産するところではなくて、作物がどのようにできているかを実際に学べるところでもあることがわかる。また、採れた作物を使っておかずを作ったり、学校給食に使ったりすれば地産地消に役立つ。これらの考え方は、作物を単なる生産コストと捉(とら)える企業の発想からは生まれない。

 荒廃する畑を見て復興するため、ナタネ油を本格的に搾ることを考えた荻原さん。地権者と話し十㌶あまりを確保し、長野県政の地産地消のため補助を活用した。

 小林さんは、ナタネなどの種子の確保、連作障害を防ぐ作物体系、手刈りでやり重労働だった夏場のナタネ収穫作業の機械化など相次ぐ課題に対し、ナタネの種子を青森県農民連から取り寄せ、ナタネ油を搾る業者も探し、連作障害を防ぐための小麦は北海道農民連のパン用品種を手に入れ、地場産のソバを活用した。

 そして、隣町の小諸市が導入した機械が佐久市も区域にはいる農協の管理になっていたことから農協と折衝し、ナタネの収穫は専用のオペレーター(作業員)に依頼して解決した。

 つまり、荒廃する畑が復興できたのは、萩原さんの知恵だけでなく、長野県政の補助があったこと、小林さんが考えた植える作物や連作に工夫をこらしたこと、他の農民連からのナタネや小麦の種子の調達し、ナタネ油を搾る業者を探したり、隣町の農協から借りた機械で専用のオペレーターにナタネの収穫を依頼したことだ。

 要するに、複数の農家が知恵を出し、土地に合った作物を考え、地権者や複数の農協や、行政の補助の助けを借りて、ようやく荒廃する畑が復興できたということになる。果たして、こうした複雑なやり方を考え出し、耕作放棄地を農地にしようとする企業がどれくらいあるのだろうか...
 そこで農業を永続的に営もうとする覚悟のある者でなければ、荒地を農地に変えることは難しいように思えるのだが...


< おわり >

----------------------
後記:

 一週間くらい続いた農地法「改革」案に関する連載も今回で終わりです。解放された~♪

 しかし、日本共産党国会議員団が「農地法等『改正』案についての見解」を、4/22と4/23の2回に分けてしんぶん赤旗紙上で発表しています。今回の連載で取り上げたこと以外にも問題を指摘しています。
 これについては、余裕があるときを観て、ぼくのブログ上で感想を書けていけたらと、思てます。

 さて、明日?(あさってかも)からは、4月初めから書いてみたかった連載を開始します。また、空振りしないといいのですが...



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農地法「改正」案:農地利用許可、不許可の基準が法律で明確に規定されず、農地が産業廃棄物や建設残土の埋立地になる恐れも

こうりはにまんよんせんえんくらい
日本経済新聞(4/22)5面より

農水省減反見直し試算公表 コメ価格、6割下落も

 農林水産省は二十二日、コメの生産調整(減反)を見直した湯合、生産量や米価がどう変わるかという試算を政府の農政改革特命チームに提出した。減反を廃止、緩和するといった五つのシナリオが前提。いまは百六十万㌶に抑えている主食用米の作付面積が最大で六十万㌶増え、六十㌔当たり約一万五千円の市場価格も五千八百九十四円まで下がるとした。
 今回は第一次試算で、改良した第二次試算の公表を目指す。六月に同チームの議論を再開し、八月上中旬に中間案をまとめる方針だ。

 この試算や国民のアンケート調査などをもとに、麻生太郎首相が指示
したコメ政策の「選択肢」づくりを進める。農水省内では農家が減反に参加するかどうかを判断する「選択制」などが浮上している。

 試算は減反強化、現状維持、減反廃止に加え、中間案として減反を緩和するシナリオを二つ設けた。減反を緩めた場合、作付面積が最大で三十万㌶増え、農家の手取り価格は一万二百六十円となる。同省の試算では、コストを削減してコメの平均的な生産費を一万円に抑えるには、コメ農家の八五―九五%が五㌶以上の大規模農家になる必要があるという。日本経済新聞(4/23)5面

 昨日(4/22)、農林水産省はコメの生産調整(減反[げんたん])を見直した湯合、生産量や米価がどう変わるかという減反を廃止、緩和するといった五つのシナリオ(生産調整[減反]見直しの5シナリオ)が前提とした試算を政府の農政改革特命チームに提出した。※

 現在、1俵あたり市場価格が約1万5千円のコメに関して、減反を廃止した場合に、コメの作付け面積が60万㌶増えた240万㌶となることで、短期的な米価が5,894円/俵に下がることが指摘された。ちなみに同シナリオによると、長期推計の10年目の米価は9,721円/俵と短期的な米価よりかなり高い。

 さらに、農水省はコメの平均的な生産費を1万円に抑えるには、コメ農家の85―95%が5㌶以上の大規模農家になる必要がある、と指摘したようだ。

 どうも、農水省の今回の発表の狙いは短期的なコメの生産価格を下げるために農家のほとんどを5㌶以上の大規模農家にする必要性を政府の「特命チーム(農政改革特命チーム:農政改革関係閣僚会合内の組織)」に示す狙いがあったとみられる。

 繰り返しになるが、これは、一昨日の記事(http://uhtwogh2.blog65.fc2.com/blog-entry-148.html)で指摘した日本経団連会長の御手洗冨士夫氏ら経済財政諮問会議が、農水省が設置した『農地政策に関する有識者会議』を服従させて、農地の大規模化のために『所有』から『利用』へ農地の利用を転換させて、一般企業の農地参入の自由化を図ろうとしている動きと符号しているとも捉えられる。

 農水省は、今回の第一次試算を、さらに改良した第二次試算の公表を目指し、6月に同チームの議論を再開し、8月上中旬に中間案をまとめる方針だ。その後で、この試算や国民のアンケート調査などをもとに、麻生太郎首相が指示したコメ政策の「選択肢」づくりを進める。

 「選択肢」には、農水省内では農家が減反に参加するかどうかを判断する「選択制」などが浮上している。

 しかし、優良農地での耕作に参入する企業が経営の主体となる大規模農家と耕作困難な田畑で耕作する小規模農家が直接競合すれば、経営が立ち行かなくなり、耕作放棄地が更に増えることが予想される。

※昨日の記事のなかで、『特命チーム(農政改革特命チーム:農政改革関係閣僚会合内の組織)が、21日に農水省によって明らかになった農水省の試算に基づく五つのシナリオ「コメの生産調整(減反)制度を見直すと米価や生産量がどう変化するか」、に関しての見解を22日に示す。』と書きましたが、正しくは『農水省の行った試算を、農政改革関係閣僚会合内の組織の特命チームに示す』です。


 ・・・

 しんぶん赤旗は、日本経団連会長の御手洗冨士夫氏ら経済財政諮問会議が、農水省が設置した『農地政策に関する有識者会議』を服従させて、農地の大規模化のために『所有』から『利用』へ農地の利用を転換させて、一般企業の農地参入の自由化を図ろうとしている農地法「改正」案の動きに関して、農地が農地としてでなく、産業廃棄物の捨て場など、本来の目的とは違った目的に使われる可能性があると指摘する。

 問題ぞろぞろ農地法「改正」案 地下水源の汚染や地域荒廃の恐れも

 現行の農地法は、自ら農業をする人に農地の権利(所有権、利用権)を与えるという「農地耕作者主義」にもとづいています。
 改悪案は、この農地耕作者主義を取り払います。一定の農機具を用意して農作業従事者を雇う形で、「農地を適正に利用していない場合は賃借を解除する」との一筆をいれた契約書を農業委員会に提出すれば農地を借りることができることになります。

 例えば、東京に住んでいる個人でも株式会社でも北海道で農地を借りること(利用権)は原則自由にするというものです。農地の賃借料の目安となる標準小作料(地代)が廃止され、借地期間も五十年に延びます。
 たとえば産廃業者とつながりがある企業が形式を整えて高い地代を払い農業参入しても許可せざるを得ないことになります。
 その際に許可をするのは農業委員会であり、「不適切」として許可を取り消す処置をとるのも農業委員会です。

 法案では許可できない場合として「農業をするとは認められない場合」のほか、「農地の集団化、農作業の効率化その他周辺の地域における農地または採草放牧地の農業上の効率的かつ総合的な利用の確保に支障が生ずる恐れがある場合」をあげています。
 しかしこうした「不適切」な事例を法案で明示してはいません。農水省は「通知などで対応する」といいますが、不透明なままです。

 産廃が地下水源を汚すなど地域に害悪をもたらすようになってからでは遅すぎます。農業委員会は、市町村合併や農業予算の削減により体制が弱くなっています。明確な規制法ももたず、非難の矢面にたたされることになります。しんぶん赤旗(4/20)8面

 記事によると現行の農地法は、自ら農業をする人に農地の権利を与えるという「農地耕作者主義」にもとづいているが、農地法「改正」案では一定の農機具を用意して農作業従事者を雇うかたちにすれば、「農地を適正に利用していない場合は賃借を解除する」との一筆をいれた契約書を農業委員会に提出すれば農地を借りることができるという。

 それにより、全く別の土地に住んでいる個人でも株式会社でも農地を借りることが原則自由になるが、産廃業者と関連がある企業が、一定の農機具を用意して農作業従事者を雇うかたちにして、「農地を適正に利用していない場合は賃借を解除する」との一筆をいれた契約書を農業委員会に提出すれば農地を借りることができてしまう。

 これら企業などに対する許諾は「農業委員会」だが、「農業をするとは認められない場合」や、「農地の集団化、農作業の効率化その他周辺の地域における農地または採草放牧地の農業上の効率的かつ総合的な利用の確保に支障が生ずる恐れがある場合」など「不適切」な事例を法案で明示せず、農水省は「通知などで対応する」というが不透明なままだという。

 つまり、農地法「改正」案で、個人でも株式会社でも農地を借りることを原則自由にしてしまうと、利用許可された農地が農業以外の目的で使用されたり、産廃が地下水源を汚したりした場合であっても、その農地の利用停止や汚染したりした場合の罰則もじゅうぶんに行われない可能性がある。


 ・・・

 さらにしんぶん赤旗は、農地法「改正」案を見込んで、各地の農業委員会に産廃業者が農地の利用を見込んで問い合わせをしてきていると指摘する。

法の成立見込んで産廃業者が狙ってる

 農地法改悪を見込み、産廃業者や土木業者が農地を狙う動きが出ています。

 首都圏の産廃業者が多い干葉県では、農業委員会の県組織・千葉県農業会議に、″農地参入が自由になる″との報道を見た建設業者や産廃業者からの問い合わせが多くきているといいます。

 担当者は「簡単に農地に参入できると思って、突然訪れる業者が多い。現行の農地法では農業生産法人と特定法人貸付事業しか参入できないことを説明するが納得せず一、二時間もかかる。事務局の人数は二人だけなので限界がある」といいます。

 また、農地法「改正」案では、許可、不許可の基準がはっきりしていないことについて「法律で明確にしてもらわないと事務方は対応が大変だ」と心配します。

 茨城農民連にも最近「農地を貸してもらえる農家を紹介してほしい」との電話が土木業者からあったといいます。
 応対した村田深事務局長は、「埼玉県の農民連に電話して茨城県の電話番号を聞いたというが、話を聞くと、とても農業をする感じではなかった。断ったけれど、農地法の改悪を先取りする動きだ」といいます。

 産廃業者の農地への不法投棄を告発してきた日本共産党の初見初江茨城県古河市議は、「農地改良だといって、こっそり農地に産廃や建設残土を埋めてしまう。摘発には大変な労力が必要」といいます。トラクターと軽トラックを備えた業者が農業参入に準備をしている例もあり、警戒しているといいます。しんぶん赤旗(4/20)8面

 農地法「改正」案について、建設業者や産廃業者は「農地参入が自由になる」とゆう認識しかなく、農業委員会の県組織・千葉県農業会議に問い合わせをしているが、改正案ではじゅうぶんな規制を示していないせいで、現行の農地法では農業生産法人と特定法人貸付事業しか参入できないことを説明するしかなく、応対にも事務局の人数が足りない。

 根本には農地法「改正」案では、許可、不許可の基準がはっきりしていないことがあり、法律で明確にしてないことで事務方が対応できないということがある。

 産廃業者の農地への不法投棄を告発してきた日本共産党市議は、産廃業者が、農地改良だといいながら、こっそり農地に産廃や建設残土を埋めてしまい、摘発に大変な労力が必要という。ひとたび不法投棄を許してしまえば、後の始末がたいへんなことになるようだ。

 農地法「改正」案が、農水省のいう「将来の食料供給を万全にする持続可能性のある強い農業づくり」であるならば、本来農地であった場所を産廃や建設残土の埋立地に変えて、農地面積の縮小や付近の土壌汚染の危険を残すようなことは本末転倒だ。

 農地の大規模化のために『所有』から『利用』へ農地の利用を転換させる前に、農地貸借の許可、不許可の基準をはっきりして、法律で明記する案を検討すべきだ。


 < 続く >

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後記:

 しんぶん赤旗及びその日曜版の記事をもとに、農地法「改正」を考える連載記事は当初の2回から大きくふくらんで既に4回、次回で最終回の予定だたが、「日本共産党国会議員団」が「農地法等『改正』案についての見解」を、昨日と今日?のしんぶん赤旗で発表したことで、さらに連載が長くなるかもしれないと思うと気が重い。

 連載を書くときは、部屋の中に缶詰状態になることが多いので、2日くらいは買い物にすら行けず、不健康になる。そろそろ連載を止めたいが、次に書きたい記事も連載なのだ。やれやれ...

 昨日に続き、今日もアクセスが鈍い。しょうじき、ぼくもカネはないけど、いっそのこと、ゴールデンウイークといきたいところなのだが...










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麻生首相指示コメ減反見直しで農政改革特命チームが22日、夏のまとめ向けて5つのシナリオ提示、耕作困難な地域農家では耕作者主義放棄の農地法改正より価格保障・所得補償のほうが耕作放棄地をなくす効果があるとの声

こうりはにまんよんせんえんくらい

 17日の農政改革関係閣僚会合で、農政改革の「改革の検討方向」として了承した政策課題に基づき、具体的な「検討方向」を示したたたき台を、夏をめどに改革の「基本方向」としてまとめる特命チーム(農政改革特命チーム:農政改革関係閣僚会合内の組織)が、21日に農水省によって明らかになった農水省の試算に基づく五つのシナリオ「コメの生産調整(減反)制度を見直すと米価や生産量がどう変化するか」、に関しての見解を22日に示す。

 政府はこの試算をたたき台に国民の意識調査などを行い、夏をめどに改革案をまとめる方針。17日の会合で麻生首相が生産調整に参加するかを農家が判断する「選択制」にするか、現行の生産調整の維持にするかの「選択肢」を提示するよう指示したことに答えたもの。

 このシナリオは現状の主食用米作付け面積160万㌶の1俵(ぴょう)あたり15,075円に基づき、作付け面積を①10万㌶減少②現状維持③10万㌶増加④30万㌶増加⑤生産調整廃止の5つに分け、米価が短期、長期でどう変わるかを試算したもの。

 今回の試算は生産調整を緩和するシナリオを二つ(③④)示したのが特徴。農水省内では農家が生産調整に参加するかを判断する「選択制」など現在よりも緩める案が浮上している。

 今回の試算では具体的な制度設計には踏み込んでいないが、今後、緩和シナリオが議論の中心になる可能性が高い。日本経済新聞(4/22)5面をもとに作成

 農政改革関係閣僚会合で麻生首相率いる政府のねらいは、コメの生産調整(減反)の規模を3つの場合に分けて縮小する見直しのようだ。

 これは、昨日の記事(http://uhtwogh2.blog65.fc2.com/blog-entry-148.html)で指摘した日本経団連会長の御手洗冨士夫氏ら経済財政諮問会議が、農水省が設置した『農地政策に関する有識者会議』を服従させて、農地の大規模化のために『所有』から『利用』へ農地の利用を転換させて、一般企業の農地参入の自由化を図ろうとしている動きと符号しているとも捉えられる。

 しかし、「農地は食料生産だけでなく、環境や国土の保全、住民の就業の場、伝統や文化をはぐくむ地域の共有財産でもある」ならば、米日の財界・大企業の意向にそって、大企業支配の対象になり、ビジネス機会の拡大のみのために使われ、不動産投資信託といった新たな投機の対象になれば、農水省のいう「将来の食料供給を万全にする持続可能性のある強い農業づくり」とは全く逆の結果が起こってしまうのではないか。
筆者の記事(http://uhtwogh2.blog65.fc2.com/blog-entry-147.html)より

 ・・・

 野菜と違いコメの価格は年々、下落の一途をたどってきた。減反を廃止すれば、稲作農家の収入は更に減る。しんぶん赤旗日曜版(4/19号)33面では、耕作困難な兵庫県丹波市で「集落営農」に取り組んでいる東芦田営農組合の芦田浅己さん(62)のとりくみをこう紹介する。

もものき

 荒れた農地を仲間といっしょに桃畑にした芦田さん

 兵庫県丹波市。低山に囲まれた中山間地域。主産業は稲作、花、野菜など農業です。 同市では「集落営農」に取り組んでいます。
 「集落営農」は、集落単位で機械を共同使用したり、作業を請け負うやり方で、高齢化などで耕作困難な地域に広がっています。
 芦田浅己さん(62)が組合長を務める東芦田営農組合は06年に発足しました。集落は約200戸。65歳以上の人が3割に達します。

 約22㌶の田を管理し、転作田で小麦、小豆、野菜も栽培。農民連ふるさとネットワークの産直にも参加しています。
 管理面積は年々増え、集落では耕作放棄地を出していません。この経験を学ぼうと他県から視察も続きます。

 しかし営農組合の経営は大変です。
 戸田さんは、「いま生産費を考えたらコメは買うほうが安い。小麦の販売価格も1㌔26円。『産地づくり交付金』がなくなったら大赤字になる」と先行きを心配します。
 「若い人に雇用も提供したいが、よくて年収200万円ぐらいにしかならない」とも。
 「農地法改正で耕作放棄地が減るとはとても思えない」-戸田さんの実感です。

 そしてこういいます。
 「米価が下がって作れば作るほど赤字。農地法改正より価格保障・所得補償をすれば、コメも小麦もうんと作れて、がんばりがいがある。遊休農地もなくなるし、食料自給率も上がる。それこそやってほしい」しんぶん赤旗日曜版(4/19号)33面

そだててほしーの
 しんぶん赤旗日曜版(4/19号)より

 耕作困難な地域にある東芦田営農組合は、200戸の「集落営農」によって、65歳以上の人が3割に達するにもかかわらず、約22㌶の田を管理し、転作田で小麦、小豆、野菜も栽培。農民連ふるさとネットワークの産直にも参加して、管理面積を年々増やし、集落では耕作放棄地を出していないという。

 しかし、「いま生産費を考えたらコメは買うほうが安い。小麦の販売価格も1㌔26円。『産地づくり交付金』がなくなったら大赤字になる」と言い、「若い人に雇用も提供したいが、よくて年収200万円ぐらいにしかならない」と言う。

 そして、「米価が下がって作れば作るほど赤字。農地法改正より価格保障・所得補償をすれば、コメも小麦もうんと作れて、がんばりがいがある。遊休農地もなくなるし、食料自給率も上がる。それこそやってほしい」と、農地法改正より価格保障・所得補償をやることのほうが耕作放棄地を減らせるという。

 耕作困難な地域では、もうけ優先の一般企業の農地参入は考えずらい。年々増えていく耕作放棄地を減らすためには、長年、地元で農業に取り組んできた農家の取り組みを尊重し、耕作物の価格保障や農業の所得補償によって経済的安定をもたらし、若者に農業を引き継がせていく取り組みの方が大切に思えてくる。


 < 続く >

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後記:

 ここんとこ、小難しい記事が続いているせいか、アクセスのうち、特にページビューの減少が顕著になてきた。「このままいくと、小難しい記事と一緒にブログが沈没してしまうぅ...」などと、もやもや考えながら記事を時間をかけて作っている。

 ちまたではゴールデンウイークに入ったとこもあるようだし、「政策の記事なんて、わずらわしくて読んでくれないよ」、と思うこのごろ。

 書いても書いても、うしろ姿がしぐれていくよ。








テーマ:これでいいのか「平成の農地改革」 - ジャンル:政治・経済

「平成の農地改革」改革案今夏に先送り、19年より経済財政諮問会議が『所有』から『利用』へ転換させ一般企業の農地参入を促す経緯も、区市町村が農家の固定資産税に関して誤った「課税評価書」を送り農民を圧迫

 政府は十七日の農政改革関係閣僚会合で「改革の検討方向」を了承したが、政策課題の列挙にとどまり、具体的な方向感を示せないまま今夏に中間的な改革案をまとめることになった。日本経済新聞(4/18)5面

 農政改革関係閣僚会合では「改革の検討方向」を合意したにとどまり、政府も、政策課題の列挙にとどまり、具体的な方向感を示せないまま、中間的な改革案を今夏に先延ばしにした。

 「検討方向」は農政改革のたたき台。閣僚会合のもとの特命チームが、この方向に沿って夏をめどに改革の「基本方向」をまとめる。同記事より

 夏をめどに農政改革のたたき台をまとめるのは、農政改革関係閣僚会合のもとの特命チームとなった。

 「麻生太郎首相が生産調整(減反)見直しが焦点のコメ政策で、政策の「選択肢」を提示するよう指示」したが、「自民党は衆院選を控えて抜本改革に慎重で、調整は難航しそうだ」同記事より

 「農林水産省内では生産調整に参加するかを農家が判断する「選択制」への移行案も浮上。麻生首相が指示した選択肢は、こうした選択制の考え方や現行の生産調整の維持などが軸になるもよう」同記事より

 麻生首相は、生産調整に参加するかを農家が判断する「選択制」にするか、現行の生産調整の維持にするかの「選択肢」を提示するよう指示したが、衆院選を控えて自民党は抜本改革に慎重で、調整は難航しそうという。

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つよいのうぎょうへのだいいっぽだと

経済財政諮問会議の専門調査会や民間議員が出した報告書やペーパー

 しんぶん赤旗日曜版(4/19号)によると『平成の農地改革』の根幹となる「農地法『改正』の議論は外部からの圧力で方向転換」したという。

 農水省が設置した農地政策に関する有識者会議の第3回の会合(07年5月15日)と前後して、経済財政諮問会議の専門調査会が突如報告書を発表(5月8日)しました。

 そこには、「農業の構造改革」のメニューが並び、農地について「所有と利用を分離し、利用についての経営形態は原則自由」にするとありました。一般企業の農地参入を自由化するものです。

 翌9日、日本経団連会長の御手洗冨士夫氏ら諮問会議の民間議員4人が、「農地の大規模化への鍵は、『所有』から『利用』への大転換にある」と書いたペーパーを配布する念の入れようでした。

 このあとしばらく、有識者会議は活動を休止し、8月の再開時、その内容を受けいれた新しい案が報告・提出されます。

 そして11月。若林農水相(当時)が経済財政諮問会議に出席し、農地「改革」の方向について「所有権と利用権の規制を切り難し、利用権についての規制を見直す」と発言しました。

 これを聞いた経済財政諮問会議の委員は「我々が5月に提案した内容をおおむねふまえていると評価する」と歓迎。

 有識者会議の委員の一人、原田純考・中央大学法科大学院教授は、「8月の時点でベクトルの大きな転換があった」と語ります。

 このように「改正」案のポイントは、小泉「構造改革」路線を先導した財界・大企業中心の経済財政諮問会議が持ち込んだものです。同記事

 一昨年の平成19年5月15日に開かれた農水省が設置した農地政策に関する有識者会議の第3回会合の一週間前の5月8日に、経済財政諮問会議の専門調査会が、「農業の構造改革」のメニューが並んだ報告書を突如発表し、そこには、農地について「所有と利用を分離し、利用についての経営形態は原則自由」にするとして、一般企業の農地参入を自由化を促進する内容が書かれてあったという。

 さらに、翌9日、日本経団連会長の御手洗冨士夫氏ら経済財政諮問会議の民間議員4人が、「農地の大規模化への鍵は、『所有』から『利用』への大転換にある」と一般企業の農地参入の自由化にだめを押すペーパーを配布したという。
 
 すると、8月に農水省が設置した農地政策に関する有識者会議が開かれた際に、経済財政諮問会議の意見に沿った「所有と利用を分離し、利用についての経営形態は原則自由」にする新しい案をが報告・提出された。

 そして11月。若林農水相(当時)が経済財政諮問会議に出席し、農地「改革」の方向について「所有権と利用権の規制を切り難し、利用権についての規制を見直す」と発言し、「農地の大規模化への鍵は、『所有』から『利用』への大転換にある」と一般企業の農地参入の自由化にもろ手を挙げて恭順の意を示したという。

 そして、経済財政諮問会議の委員は「我々が5月に提案した内容をおおむねふまえていると評価する」と歓迎した。

 この経緯を踏まえれば、経済財政諮問会議が、農水省が設置した『農地政策に関する有識者会議』を服従させて、農地の大規模化のために『所有』から『利用』へ農地の利用を転換させて、一般企業の農地参入の自由化を図ろうとしていることが伺(うかが)える。


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へんてこなもようがうつってしまた
重税の是正、農地を守る活動を交流した農民連の研究会=17日、東京

 政府が17日に、農政改革関係閣僚会合で「改革の検討方向」を了承するなか、農民連(農民運動全国連合会)は同日、農業に使う土地や施設に宅地並みの固定資産税が課税されている問題で、重税を是正させようと研究会を都内で開いた。しんぶん赤旗(4/18)5面より

 同記事によると、今年は3年に一度の固定資産税の評価替えが行われ、区市町村から課税評価書が送られているが、参加者から「課税評価書が現状と違っており改善させた」「宅地の中にあると評価された畜舎用地を農地に評価させた」などの経験が報告された、という。

 報告した斎藤敏之固定資産税対策部長は、財界の求めに沿って農家から農地を取り上げるために重税を課す方向が出ていると指摘、「黙っていれば『とりやすいところから税金をとれ』となる」とのべ、農地・施設に適正評価を求める運動を呼びかけた、という。

 斎藤敏之固定資産税対策部長の呼びかけによれば、財界の求めに沿って農家から農地を取り上げるために重税を課す方向が出ていて、農家に送られた区市町村からの課税評価書の中身には、課税評価書が現状と違っていたり、畜舎用地が宅地にあると評価されたりしているようだ。

 さらに、農地一筆ごとに厳密に調査することや行政の不服審査委員会の活用、市街化区域内農地は農地並み課税となる生産緑地の指定がどの自治体でも可能なことなどを意見交換した、という。

 農政改革関係閣僚会合では「改革の検討方向」を合意したにとどまったのに、区市町村が農家の固定資産税に関して誤った「課税評価書」を送り、不正に多く税を徴収しようとするのは、国税庁を通じでのいやがらせなのだろうか...

 笹渡義夫事務局長は、地域に住み耕作する人に農地の権利を与える「農地耕作者主義」を廃止する農地法改悪案にふれ、株式会社による農地所有自由化と農村の荒廃につながる危険性を指摘。農地を守る農業委員会などと対話を広げて、今国会の廃案をめどそうと呼びかけました。同記事より

 < 続く >









テーマ:これでいいのか「平成の農地改革」 - ジャンル:政治・経済

農地が大企業支配化でビジネスや不動産投資信託で投機の対象に?「農水省:追加経済対策2,979億円『農地集積加速化事業』で」

 4月10日(金)に与党が決定した追加経済対策(財政支出15兆4千億円、事業規模も56兆8千億円)の中に、農林水産関係に財政支出の総額1兆302億円が盛り込まれた。

 農林水産省が4月に発行した
「『経済危機対策』関連予算の概要」によると、その中に、「将来の食料供給を万全にする持続可能性のある強い農業づくり」(財政支出、5,694億円)とゆう大項目があり、その中の「『平成の農地改革』の着実な実施と将来に渡り持続的に農業を維持できる総合的な農家経営支援体制の構築」とゆう中項目のなかに「担い手への農地集積事業-『農地集積加速化事業』(新規、財政支出、2,979億円)が含まれている。

 農水関係の財政支出総額のうち、3割近く(28.9%)を占める『農地集積加速化事業』とはなにか。

ことばはちからづよいけど
「『経済危機対策』関連予算の概要」(21/4)農林水産省より

 同資料によると、「小規模農家・高齢農家などの農地の出してが安心して担い手に農地を委(ゆだ)ねることができるよう、今後3年間に農地の面的集積につながる貸し出しを行った農地所有者へ交付金を交付(15,000/10a/年・最長5年間)等」とある。(1a=100㎡)

 つまり、規模の小さな農家が、3年以内に大規模農家に農地を貸し出せば、5年間の間、貸した先からの地代以外に国(国民の税金)から10アール当たり15,000円が支給されるとゆうのだ。

 土地を貸した農家は当然農業を辞めて、土地を貸して暮らすか、他で働き口を見つけることになる。

 ・・・

 しんぶん赤旗日曜版(4/19号)32面によると、この『平成の農地改革』は、国会で審議されている『農地法「改正」案』の一貫だ。

 「耕作者の権利を守るという考え方を、効率的に利用するなら誰でも農地の権利(賃貸、所有)を持つことができるという考え方に改める」という。

 同記事によれば、「いまの農地法はみずから農作業に従事するものにのみ農地に関する権利を認めるという「耕作者主義」の原則に立って」おり、「農地は食料生産だけでなく、環境や国土の保全、住民の就業の場、伝統や文化をはぐくむ地域の共有財産でもあり」とし、「農地が住宅地や商業地のように当事者間で勝手に貸し借りされれば、農村社会に大きな混乱、障害がもたらされかねない」と指摘する。

 ・・・

そだててほしーの
 しんぶん赤旗日曜版(4/19号)より

 さらに同記事は、「企業など『意欲』ある担い手に農地利用を広げれば、耕作放棄地が解消できるというのが政府の言い分」だとしながら、年々増加する耕作放棄地のグラフを示し、農業参入法人の63%が赤字で、「収支はほぼ均衡」は10%、黒字は11%に満たないとする。

もうからないの
 しんぶん赤旗日曜版(4/19号)より

 さらに、「もうけ優先の大企業が農業に進出するのは耕作放棄地ではなく、平場の優良農地」「そこで営農する農家と競合」し、もともといた農家を圧迫すると指摘する。

 そして、耕作放棄地が広がったのは農地法のせいでなく、
「際限のない輸入自由化や米価暴落の野放し、減反の押し付けなどで農家の意欲を奪い、経営を成り立たなくしてきた自民党農政にこそ原因がある」と厳しい。
 ・・・

 だいだい続いた自民党の政府が、小規模の耕作者の作った米価の安定化を計らず、減反を促し耕作放棄地を拡大させたあげく、耕作者が農地を大規模経営者に貸して農地を集約させようとゆう政府のおもわくについて、同記事はこう指摘する。

 「90年代以降、財界は株式会社の農地・農業参入の自由化を唱え、「耕作者主義」の原則を放棄するよう政府に繰り返し迫ってきました。

 最近は、政府の経済諮問会議の場などで、農産物の輸入自由化と一体に、農地制度の改革、参入規制の緩和を主張してきました。

 すでに、株式会社でも、一定の要件を満たせば農業に参入できます」

 財界が農地・農業参入の自由化、「耕作者主義」の原則を放棄するよう政府に繰り返し迫り、政府は経済諮問会議の場などで農産物の輸入自由化と一体に、農地制度の改革、参入規制の緩和を主張し、すでに、株式会社でも一定の要件を満たせば農業に参入できるようになった。

 簡単にいえば、政府は田畑を耕す耕作者の要望より、財界の要望を優先し、「耕作者主義」の原則を放棄するような政策を行ってきたとゆうことだ。

 さらに、同記事は指摘する。


 「財界がいっそうの『規制緩和」を迫るのは農業振興が目的ではなく、農業・農地を対象にしたビジネス機会の拡大や農地(土地)に対する大企業支配にねらいがあるからです。」

 「麻生首相肝(きも)いりの『経済危機克服のための有識者会合」(3月16日、首相官邸)で、米大手金融会社モルガンスタンレーの幹部は、農業委員会の廃止や農地への不動産投資信託の導入をあけすけに要求しています。

 『改正』案は、米日の財界・大企業の意向にそったものです。」

 「農地は食料生産だけでなく、環境や国土の保全、住民の就業の場、伝統や文化をはぐくむ地域の共有財産でもある」ならば、米日の財界・大企業の意向にそって、大企業支配の対象になり、ビジネス機会の拡大のみのために使われ、不動産投資信託といった新たな投機の対象になれば、農水省のいう「将来の食料供給を万全にする持続可能性のある強い農業づくり」とは全く逆の結果が起こってしまうのではないか。

 今、このために、追加経済対策の中に『農地集積加速化事業』として、2,979億円の税金が投入されようとしているのである(今月の27日に2009年度補正予算案と関連法案として提出予定)。

参照:
①「『経済危機対策』関連予算の概要」
 http://www.maff.go.jp/j/kanbo/yosan/keizai_taisaku/pdf/keizai.pdf
②しんぶん赤旗日曜版(2009/4/19号)30面

< 続く >









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