ウーツー(CDレビューア)

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「このまま諏訪さまの方策を続けていては取り返しのつかないことになります。どうか江戸におられる殿(との)に、村方の実情を!」「映画 山桜」

 江戸後期 北の小国、海坂(うなざか)藩にも、梅雨(つゆ)の季節がやってきた。

くらいよー

 降り続く雨のおかげで、百姓の吾助は今日も田の手入れに行けないしまつだった。

そとはどんなかな
 吾助は家の中から、恨めしげに激しい雨のようすをじっと観た。

いっかひとまなの

 吾助が農具を研(と)いで、手入れをしていると...

ばあちゃんいたのね

 奥で横になって寝ている祖母が起き上がった。

めんどうみるかかあ

吾助の嫁 「おっかさん」

ばあちゃんおこす

嫁 「大丈夫かい?」

ばあちゃんのみな

 嫁が祖母が起きるのを助けると、

 娘のさよが水を持って祖母に差し出した。

いらないよ
つらいの

 しかし、祖母は首を振って拒み、何度も咳き込んだ。

もうだめ

 祖母が寝床に倒れこむと...

!!

 吾助が思わず立ち上がって、祖母の様子をじっと観た。

もうだめぇ~

 咳き込みながら寝床に伏(ふ)している祖母の背中をさする嫁とさよ

 嫁は祖母にかけぶとんをかけて、再び寝かせた。

・・・

 その様子を祖父はじっと観ていたが...

どうにもならんわな

 ただ、うつむくだけで...

しごとするほかない

 一文字笠(いちもんじがさ)の手入れを始めた。

のしかかってるわけじゃないよ

 ふたりがかりで、伏せる祖母の背中をさすっている...

ぐえ~

 苦しそうな祖母。

・・・

 心配そうに吾助は、その様子をじっと観ていたが...

でえじょうぶかぁ

 腰をおろすと...

どうにもできねえ

 再び、農具を研(と)ぎ始めた。







そのころ城内では、執政に郡代のひとりが必死にに訴えていた。

これだけはきいて

郡代 「三年前の冷害が尾を引き」

    「一昨年 昨年と 領内の田の収穫高は」

    「例年の四割にも満たない状況が続いておりましたが」


まじすか

郡代 「この長雨では おそらく今年も...」

    「作柄の回復は見込めないものと思われます」


まだねたはあるのよ

郡代 「その上 新田の開墾に駆り出され」

    「自分の田の草取りも満足にできない農民たちが」

    「数多くおります」



 少し間をおくと、続けて、郡代は言った。

これがとどめのねたよ

郡代 「さらに 諏訪(すわ)さまは...」

    「農民たちが手放したつぶれ田を」

    「ただ同然のカネで買い集め」

    「我が物にしておられます」


なにをいいだすのやら

くちがまがる

執政 「しょうこはあるのか?」

 執政は不快な顔をしてゆっくりと聞いた。

郡代 「領内で知らない者はおりません」

わずらわしいやつ

 渋い顔をする執政。

とどのつまりは

郡代 「このまま 諏訪さまの方策を続けていては」

    「取り返しのつかないことになります」

 こうゆうことよ

    「どうか 江戸におられる殿(との)に」

    「村方の実情を!」


いいすぎなの

執政 「もうよい!」

 執政は怒鳴るように郡代のことばをさえぎった。

それはきんくよ

執政 「まだ その時期ではなかろう」

そんじゃ
またね

 そう言い残すと、執政はその場から立ち去った。

むむ...


  < 続く >





   
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テーマ:考えさせられた映画 - ジャンル:映画

「おにぎりのおいしい食べさせ方」「映画 山桜」

おみずがいぱい

 江戸後期 北の小国、海坂(うなざか)藩でも、そこかしこの田んぼに水が張られ、かえるが鳴き出したころ

みにきたよ

 郷方廻り(ごうがたまわり)役・手塚弥一郎(てづか・やいちろう)は、役人の案内で田を検分に来ていた。

たんぼみてね

役人「えー、こちらの田は中田(ちゅうでん)でございまして」

   「およそ三石の取れ高が見込まれます」

う~ん、まんだむ

 一行が田を見渡していると、娘っこの声が...

娘っこ 「じいちゃ~ん じいちゃ~ん」

 一行がその方を見ると...

じいとまご

じい 「おお よくできたの」   

 小さい娘っこがじいさんに細工物のようなものを見せていた。

まごとあそぶ

じい 「ふ~ やってみろ」

なんだかきになる

 弥一郎は、ふたりの様子をじぃ~と観ると...

ちょっくらみてこ

 役人たちにおじぎをして、田んぼの奥に入っていった。






はれてるけどくらい

 昼になった。

おみずもてきたよ

 弥一郎が昼ににぎりめしを食べていると、百姓の娘のさよが弥一郎のところにやってきた。

おみずだよ

 弥一郎が気付くと、さよは水の入った筒(つつ)を持って、弥一郎の方をずっと観ている。

あっそうだ!
 
 ふと、弥一郎は、自分が食べているおにぎりの入っている包みを見た。

じぃ~

 さよは弥一郎の方を観ながら立っている。

これたべる?

 弥一郎は腰を上げると、さよの方に近づき、にぎりめしの入った包みを差し出した。 

だめなの

 さよは首を何度も横に振り遠慮した。

そんなこといわないで

 弥一郎は笑顔でさよの方を観て、「おあがり」といった様子で、もう一度包みを差し出した。

それそれ

 思わずほほがゆるんで迷うさよ。

そうれ

 弥一郎はうなずくと、もう一度、さよに勧(すす)めた。

そんじゃもらう

 ついに、弥一郎の勧めに応じて、さよは包みの中のおにぎりつかんだ。

ほっと

 さよがおにぎりを受け取ると、弥一郎は微笑(ほほえ)んだ。

こらっ

百姓 「さよ!」 
 離れて座っていた父の吾助(ごすけ)がさよに注意した。

えらいすんません

 弥一郎が吾助たちの方を観ると、深々とおじぎをする吾助と母

もぐもぐ
 
 弥一郎は、かまわず、おにぎりを口に運んで食べるようすをさよに見せた。

もぐもぐ

 すると、さよも右手に持っているおにぎりを口に運んだ。

ほっと

 さよがうまそうに食べている様子を観て、弥一郎はかすかに微笑んだ。

おいしい

 おにぎりをもぐもぐ食べながら、うれしそうなさよ。

吾助 「さよ こっちこい!」 吾助は思わず、さよを呼んだ。

うれしい
 さよは弥一郎の方を観てにっこり笑うと、吾助のところに戻っていった。

よかたよかた

 さよの嬉しそうな笑顔を観て、弥一郎はほほがゆるみ、さよを見送った。

かまわないでちょ

 飛び出してさよをむかえた吾助が弥一郎の方を観ると...

きもちだけでいいです

 深々とおじぎをした。

よけいなことしたかも

 弥一郎も真剣なおももちで軽くおじぎを返した。 

よかったなさよ

 さよは田んぼに座っている家族のもとに返っていった。

これでいいのかな

 弥一郎は吾助一家のほうを、ただじっと観ていた。


  < 続く >




  
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テーマ:考えさせられた映画 - ジャンル:映画

「富める者は、ますます栄え、貧しき者はさらに追いつめられていく。少なくとも、あの男のやっていることはそういうことだ!」「映画 山桜」

 江戸後期 北の小国、海坂(うなざか)藩では、財政の建て直しを計るため、城内で執政の評議が行われ、下級侍(さむらい)に下知(げち)がくだされようとしていた。

むくちでち

おいらがしゅやく

諏訪平右衛門 「新しく拓(ひら)いた田は、三年間の年貢を免除とし」
(すわ・へいえもん)
  「新田の開拓を促進する。」

  「その間  旧来の田については、作柄の良し悪しにかかわらず」

にらみをきかす

   「年貢の率を引き上げることとする」


かんべんしてよ

郡代 「恐れながら...」
(ぐんだい)

   「三年前の凶作の痛手から、いまだ村々は立ち直っておりません」

むくちなの

   「これ以上、百姓たちを絞り上げては」

   「田を手放すものがさらに多く出るものと...」


ゆうことをきけ

諏訪 「黙れ 今は大事のとき」

    「国あってのたみ百姓であろう!」


いやだよ

郡代 「しかし!」

えらいのはぼくだよ

諏訪 「黙れ!」

諏訪 「黙れ!!」

そうだた

郡代 「はっ」

むくちなの

江戸詰めを終えて郷方廻(ごうがたまわ)りになったばかりの手塚弥一郎(てづか・やいちろう)は黙って聞いていた。






じむのしごと

おつとめ

ちょいとよったよ

城内で勤(つと)めをしている浦井新之助(うらい・しんのすけ)のもとに、したしい兵馬(ひょうま)がやってきた。

きいておどろくな

兵馬 「知っているか」

新之助 「うん?」

きいてみれ

兵馬 「諏訪さまは、今度、別宅を新築したらしいぞ」

    「大百姓たちから贈られるわいろでな」


まじすか

新之助 「わいろ?」
 驚く新之助

兵馬 「ああ めかけ付きの豪勢な暮らしをしているそうだ」

いんちきなのよ

    「何がお国の財政の建て直しだ!」

    「それを名目に、新田を手に入れた大百姓たちと組んで」


なんと

兵馬 「私服を肥やす」
    
    「狙いは最初から、そこにあったのだ」


じっときく

兵馬 「富める者は、ますます栄え」

    「貧しき者は、さらに追いつめられていく」


おとなりもはなしちゅう

兵馬 「少なくとも...」

    「あの男のやっていることは、そういうことだ!」


う~む

兵馬 「だが、このご城下には」

    「誰ひとりとして、それを口にする者はおらん」


・・・

  けわしい顔で黙って兵馬の言うことを聞く新之助だった。


   < 続く >






  
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テーマ:考えさせられた映画 - ジャンル:映画

「なぜどなたも諏訪さまに異をとなえようとしないのです。やはり 譜代のお家柄にあたる方だからですか?」「映画 山桜」

くもりぞら

たのていれ

 江戸後期 北の小国、海坂(うなざか)藩も春になり、農家では田の手入れが始まったころ、ある日、城内の執政たちが今後の農政の評議(ひょうぎ)を行っていた。

おくにのちず

執政A 「ここに記(しる)されたすべての荒地を開拓すれば」
(しっせい)
諏訪平右衛門 「はっ?」
(すわ・へいえもん)

どうなのじゃ

執政A 「どのくらいの広さになる?」

こうなります

諏訪 「ざっと二百町歩ほどになります」

   「おそらく十年とたたないうちに」

   「およそ五千石の収入が見込まれます」


まじすか

執政A 「ごせんごく...」
驚く執政A

執政B 「だが、今の財政状況では」

    「新たな田をひらくだけの余力はない」

    「絵に描いたもちにすぎんな」


わかんねえじじいどもが

諏訪 「ですから、いま...」

   「それを実際のもちにするための策を述べておるのです」

   「よろしいか」

   「すべて多くの財を持つ裕福な大百姓に請け負わせれば」

   「十分に可能です」


おめえもじじいじゃないか

執政A 「しかし、それでは大百姓だちが」

    「あまりにも広大な土地を手に入れることになる」

    「もろ刃のやいばではないのか?」


くちのへらないじじいめが

諏訪 「それではお聞かせ願いたい」

   「執政のお立場におられるみなさま方は...」

   「いったいどのようにして、この窮乏のきわみにある」

   「財政を立て直すおつもりか?」

それいじょう、いえるものならいってみな

諏訪  「このようなおろかな詮議(せんぎ)の間にも」

   「その逼迫(ひっぱく)の度は進んでおるのです」

   「今、ただちに国をあげて、新田の開発に取り組まねば」

つべこべぬかすんじゃないの

   「百年の計をあやまることになりますぞ!」


 




よふけ

ちちにたずねる

 夜になり、吟味役(ぎんみやく)・浦井七左衛門(うらい・しちざえもん)の屋敷で、息子の新之助がこの評議のことで父に尋ねていた。

むすこにはなしてきかせる

七左衛門
   「確かに新しい田をひらき、収入を増やすことは急務ではある」

   「だが、そのためにまた多くの農民を」

   「開墾(かいこん)にかりだそうという諏訪さまの方策には」

   「まゆをひそめる者も多い」


ちちにはなす

新之助 「同感です」

   「三年前の凶作以来、」

   「村方では食うものにも困っている者が」

   「おおぜいいると聞きます」 

   「その上、さらに農民たちの負担を増やそうというのは」

   「あまりにも無謀です」


ここぞとちちのいげんをみせる

七左衛門 「じゅうねん にじゅうねんの先をみれば」

   「確かに今のやり方でお国はうるおうかもしれん」

   「だがそのために...」

   「農民たちの明日の生活を」

   「犠牲にするようなことが、あってはならん」


なっとくしないむすこ

新之助 「ちちうえ...」

   「なぜ、どなたも諏訪さまに異(い)をとなえようとしないのです」


     

けっきょくせしゅうだしょ

   「やはり 譜代のお家柄にあたる方だからですか?」





こまったときのきめぜりふ

七左衛門「おまえには、まだわからん」


  < 続く >




   
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諏訪平衛門は腐りきった膿だ!譜代のお家柄を傘に着て、領内の農政を我が物にしようとしている「映画 山桜」

とうほくのやまやま

つちがかおをだした

はなもさきだす

江戸後期 北の小国、海坂(うなざか)藩にも雪どけの季節が訪れていた。



は~つかれた

ある日、剣術の稽古(けいこ)が終わった後、道場からふたりの若侍が出てきた。

新之助 「ふっ、大丈夫か?」

兵馬 「ああ、大丈夫だ」

新之助 「ふっ」

なにしてるのかな

  「諏訪(すわ)さまのお帰りぃ~」
奥のお屋敷から声が聴こえた。

右に左に何人もの侍が屋敷前にたむろしている。

おさむらいまてたのね

玄関に諏訪平衛門(すわ・へいえもん)が出てくると...

侍A「ご苦労さまでございました」

侍B「お疲れでございましょう」

にんきものはたいへんだ

 ふたりの侍がていねいに声を掛けると、5人の侍が諏訪の後ろを取り巻くようについていく。

兵馬 「日に日に増えていくな」

新之助 「うん?」

兵馬 「諏訪さまに取り入って おこぼれにあずかろうといういやしいやつらだ」

やばいっつーの

新之助 「声が高いぞ 兵馬っ」

兵馬 「おいっ あれ」


どこまでもついていきますよ
取り巻きのひとりに新之助の義理の兄である磯村庄座衛門(いそむら・しょうざえもん)がいた。

兵馬 「おまえの身内を悪く言うようだが、俺にはわからん」

どうなんだよ

兵馬 「なぜ、あんな男にむらがろうとする」

うるさい

黙って横を向く新之助

うつむく

兵馬 「諏訪平衛門は、ご家中のおおデキモノだ」

    「いや、腐りきった膿(うみ)だ」

たまらずいう

    「譜代(ふだい)のお家柄を傘に着て、」

    「領内の農政を我が物にしようとしている」


つめよる

けわしい顔をした兵馬が、新之助に一歩近づくき言った。

兵馬 「おまえも噂を耳にしないわけではあるまい」

いいにくいけど

新之助 「ああ」

ちゃっちゃとかえる

新之助は不快なおももちで答え、ふたりは道場を後にした。

  < 続く >


   
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いき~る~とはぁ~・なん~なだろぉか 「みちしるべ/コマツナ」イキガミより

「みちしるべ」 作詞:コマツナ

くらいの

ギター:チャン・チャー・チャーラララン・ラー・・・
(g)   チャチャン・チャー 

あかるいの

     もーおーすこしぃ~でぇ~

     わたしの~・たんじょぉ~びがっ

     やってぇ~・くる~けどぉ

     ただっ、ローソクはふえるっ


 うたうの

     みぎ~へ、ひだ~りへ

     のしかかるもののっ


はぁ
 
     バランス~の~なか~で~ぇ

あっ

     こころはゆれる

 すたじおの

     あらそいは~きらいだ~が~

     こころのなか~では~いつも


おやじ

     だれかに~ぃ~

     ピストルをむけたりしてる

ゆきがまう

     ひとを~つきおとして~も~ぉ~  

     あがりたいひょうしょうだ~い





なんにもなくなたよ

     なにかが~ほしく~て~

     なにかをめざして

でかくなた

     だ~れ~もが~、げんだ~い~に~

     みちしるべをぉ~

     さが~ぁ~して~る~ぅ~





てれびにうつてた

     いき~る~とはぁ~
          なん~な・だろぉか

みてるひと

     たたかうこと~か
          たたかいをさける~ことか

てれびだとかおがでかい
 
    ただ~しさとはぁ~
          なん~な・だろぉか

みてるはは

     まちがわぬ~こと~か~
          みうしなわぬことでぇ・しょぉかぁ~


なてるぎたー

ギター:チャン・チャー・チャチャン~チャン~チャ~・・・






 
いっしょにうたうよ

デュエ:なみだでぇ~ か~れてぇ~
ット    なみだでぇ~ か~れてぇ~

     えがおで~ しわ~が・ふ~えて
      えがおで~ しわ~が・ふ~えて

     いとしきぃ~ひととなにかをせおい・こしをまるくする
      いとしきぃ~ひととなにかをせおい・こしをまるくする

てれびにあわせて
     くるしい~くら~いに~ しあわせでいたいぃ
      くるしい~くら~いに~ しあわせでいたいぃ        

 もりあがっちゃうよ
  
     くるしい~くら~いに~ しあわせにしたいぃ
      くるしい~くら~いに~ しあわせにしたいぃ 





       
てれびにあわせて

     そ~れ~でも~ そ~れ~すら~
     そ~れ~でも~ そ~れ~すら~

あれ

      わ・すれる~とき~がある~
      わ・すれる~とき~がある~





むかしのあいぼうが

     やさしさとは~ぁ~ なん~な・だろぉか
      やさしさとは~ぁ~ なん~な・だろぉか

やっぱいいね

     ゆるせることかぁ~ ゆるさぬ~こと~でしょうか
      ゆるせることかぁ~ ゆるさぬ~こと~でしょうか

うまがあう

     あいする~とは~ なん~な・だろぉか 
      あいする~とは~ なん~な・だろぉか

さいこう

     おもいやる~だけぇか~
      おもいやる~だけぇか~

だよな

     うたがうこころも~
      うたがうこころも~

きもちよく

      かくす~こと~で~しょう~か~
       かくす~こと~で~しょう~か~

いこう

g:   チャン・チャー・チャチャチャチャー・・・





もとにもどたよ

ソロ:  あめにも~ まけて~

もっとあかるくなた

     かぜにも~まけ~るけれども

もりあがてきた

     いつか~わたしも~

ぎたーもたいへんだ

     みち~しるす~






てれびにむちゅう
 
    いき~る~とはぁ~
          なん~な・だろぉか

やたいでも
 
    たたかうこと~か
          まもり~つづけることか

がいとうでも

     これから~さき~
          あゆ~む~ いぃっぽが

あっとうされる

おやじも

     しにゆく~いっぽでな~く
          いきゆく~ いっぽであれ~

どうにも

     これから~さき~
          うたう~こと~ばが~

こうにも
 
     はずかしながらも~
 
まいりましたな
 
     ひとのこころを うつ~ようにと~

やれやれ
 
     それがわたしの~

さいこうちょう

     みちしるべ~

さいこうちょう

     みちしる~べ~

さいこうちょう?

     あ~あ~あ~あ~あ~


じゃないかも
ぎたーはこきつかわれてます

g:   チャン・チャー・チャチャチャチャー・・・

     チャンチャンチャンチャン

もえつきた




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テーマ:心に響く歌 - ジャンル:音楽

農地法「改正」案がなくても株式会社は農業に参入できるのに、なぜ改正?企業にできるか?耕作放棄地を粘りづよく取り組み農地に変えた長野県佐久市のとりくみ

 おととい(4/22)、農林水産省はコメの生産調整(減反[げんたん])を見直した場合、生産量や米価がどう変わるかという減反を廃止、緩和するといった五つのシナリオ(生産調整[減反]見直しの5シナリオ)を前提とした試算を政府の農政改革特命チームに提出した。

 そこで、農水省はコメの平均的な生産費を1万円に抑えるには、コメ農家の85―95%が5㌶以上の大規模農家になる必要がある、と指摘したようだ。これは、日本経団連会長の御手洗冨士夫氏ら経済財政諮問会議が、農水省が設置した『農地政策に関する有識者会議』を服従させて、農地の大規模化のために『所有』から『利用』へ農地の利用を転換させて、一般企業の農地参入の自由化を図ろうとしている動きと符号しているとも捉えられる。

 しかし、現行の『所有』に基づいた「農地耕作者主義」のもとでも、株式会社は本気に農業生産をしようと思えば農業に参入できる、と日本共産党は指摘する。


家族経営に支障 日本共産党は法案に反対です

 株式会社はいまでも本気に農業生産をしようと思えば農業に参入できます。それは▽農家とともに「農業生産法人」をつくって農地所有・利用ができる(株式の譲渡制限あるもの)▽耕作放棄地が多い地域を農業特区として市町村と協定を結び農地リース(賃貸)方式で農業に参入できる、という二つのルートによります。

 当初、農業生産法人の事業は基本的に農業に限定され、法人を構成する要件もその法人に常時従事する者か農地を賃したり売った者に限定されていました。財界要求で要件が規制緩和され、農外企業が生産法人の構成員になり、今回の農地法「改正」案では、農外企業の議決権を50%未満まで引き上げることができ、企業が事実上支配するようになっています。

 特区方式も当初は特定市町村でしたが、二〇〇五年には全国展開が可能となっています。

 しかし、企業だから農業所得が保障されるわけではありません。農業委員会の全国組織・全国農業会議所の調査(二〇〇八年八月)では63%が赤字です。

 日本共産党は、昨年三月に発表した「農業再生プラン」で、「不採算」を理由に耕作を放棄したり、より利潤の見込める用途のために農地を転用することによって、地域農業が危機に直面する懸念が強まることや、周辺の家族経営との間で地域農業の共同管理などに支障がおきることなどを指摘、株式会社の農地所有や利用自由化に反対することを明確にしています。しんぶん赤旗(4/20)8面

 それは、①株式の譲渡制限を設けたうえで、農家とともに『農業生産法人』をつくって農地所有・利用ができるやり方と、②耕作放棄地が多い地域を『農業特区』として市町村と協定を結び農地リース(賃貸)方式で農業に参入できるやり方のふたとおりだという。

 ところが、『農業生産法人』に関して、財界要求で要件が規制緩和され、農外企業が生産法人の構成員になり、今回の農地法「改正」案では、農外企業の議決権を50%未満まで引き上げることができ、企業が事実上支配することができるようになってしまうという。 『農業特区』も当初は特定市町村だったが、2005年には既に全国展開が可能となっているという。

 つまり、今回の農地法「改正」案で、農外企業の議決権を50%未満まで引き上げて、農業と関係のない企業が『農業生産法人』を支配し、また、既に全国展開が可能となった耕作放棄地が多い『農業特区』にまで進出することができる。

 採算性が合わない耕作放棄地が多い『農業特区』に関しては、農地の許諾をする「農業委員会」が許可、不許可の基準が法的にはっきりしていないことで、農地を産業廃棄物や建設残土の埋立地にしてしまう業者に許可を与えてしまう恐れがある。
 

 4/14に行われた衆院農林水産委員会の参考人質疑で、農地制度に詳しい中央大学大学院の原田純孝教授が意見陳述をして、農地耕作者主義をとりはらい賃借(利用権)を自由化する同「改正」案について、株式会社などの農地所有自由化につながると警告した。

耕作者主義廃止は農地自由化への道 原田純孝中央大院教授の国会陳述

 農地法「改正」案の審議では、農地は自ら農作業に常時従事する者のみに農地の権利が取得できるとする「農地耕作者主義」の廃止が大きな焦点となっています。

 十四日おこなわれた衆院農林水産委員会の参考人質疑では、農地制度に詳しい中央大学大学院の原田純孝教授(東大名誉教授)が意見陳述をして、農地耕作者主義をとりはらい賃借(利用権)を自由化する同「改正」案について、株式会社などの農地所有自由化につながると警告しました。

 今回の「改正」案は、農地の所有権の自由化は認めていません。この点で原田教授は、一方で賃貸による農業経営者については農作業への常時義務要件を不要としながら、他方で所有権による農業経営に限っては常時義務要件を課すということを(法的に)根拠づけることは至難の業」と指摘し、「農地の所有権の取得も同じ扱いにすべきだ、との議論がほどなく登場する」との見通しをのべました。

 農水省が農地所有権自由化につながらない理由として、借りたものが農地を[適正]に利用していない場合に契約の解除や許可取り消しで原状回復ができる条項が法案にあるとしていますが、原田教授は[この理由付けは相当無理がある」とのべました。農地の貸し手に後継者がいないなどのため契約解除・取り戻しを要求しないことは常にあり、一方で農地所有者も農地を適正に利用していないこともあり、「適正利用」条項では説明にならないと指摘しました。

 原田教授は、法案が農地の取得自由化は規制していることについて「きたる近い将来には消えていく宿命をおわされている」とのべ「農地制度がどうなっていくか大きな不安感がある」とのべました。しんぶん赤旗(4/20)8面

 原田教授の陳述によると、今回の農地法「改正」案では、農地を借りて農業を行う農業経営者には常時農作業へ義務を課さない、としながら、一方で農地を所有する農業経営に限っては常時農作業の義務を課すという理屈には無理があり、法的に根拠づけることは難しく、農地の所有権を取得する場合も同じ扱い(常時農作業へ義務を課さない)にすべきという議論になるという。

 また、借りたものが農地を適正に利用していない場合に契約の解除や許可取り消しで原状回復ができる条項が法案にあるが、農地の貸し手に後継者がいないなどのため契約解除・取り戻しを要求しないことが常にある理由や、農地所有者も農地を適正に利用していないこともある理由で、この法案では適正に利用されていない農地を現状回復することが難しいという。

 つまり、農地を借りる者や、農地を所有する者に対して営農に同じ義務を課さない法案では無理があり、農地が適正に利用されていない状況で、農地の所有者みずからが耕作しない状況や、貸し手に契約解除・取り戻しを要求しない状況では法案に沿って農地を回復することが難しい。農地法「改正」案の根本には、合理性にとぼしく、現状に合っていないところがあるというわけだ。


 ・・・

 農水省がいうように、コメ農家の85―95%が5㌶以上の大規模農家になり、コメの平均的な生産費を1万円台に抑えれば、耕作放棄地の増加に歯止めがかかり農地面積は増えるのか?

 長野県佐久市ではベテラン農家の力と知恵で耕作放棄地を復興し、現在、作物を通じて子どもたちの「食育」や地域の祭り・交流に役立てているという。


遊休地復活 ■長野県佐久市 農家と地域が協力

 長野県の東部に位置する佐久市では、ベテラン農家の力と知恵で耕作放棄地を復興しました。作物は子どもたちの「食育」や地域の祭り・交流に役立てています。今国会で審議されている農地法改悪案では″耕作放棄地解消のために株式会社などの農地利用が必要″としていますが、農家の人たちは「利益追求の企業ができるはずがない」と意気軒高です。(中沢睦夫)

あまりかんがえずいわれるようにやったきが...
「30㌢間隔だよ」。子どもたちにジャガイモの種まきを教える荻原さん(中央)=佐久市瀬戸原

子どもの「食育」にも一役

 同市に流れる千曲川市流域の平野部から少し高台となっている瀬戸原地区。およそ三十㌶の佃があります。ナタネの花はちらほら咲き、小麦の草丈が二十㌢ほどに伸びています。

 近くの城山小学校の三年生がジャガイモの植え付けの体験学習にきました。ジャガイモを佃に埋める間隔を測るため三十㌢の棒や定規をもってきました。半分に切って炭をつけ少し芽が出たジャガイモを埋め、母親とともに「大きくなれよ」といい肥料をまきました。

 「ジャガイモはこの芽から大きくなるよ。でも芽を食べると毒なんだって」。″事前学習″をしてきた子どもは得意そうに話しました。

 ジャガイモは七月下旬には収穫し、近くの稲荷神社の広場を使い、ふかして食べます。学校では地域のレストランのシェフが参加しコロッケ作りを教えてくれます。ナタネ油は学校給食のてんぷらに使います。様子を見にきた同校の塩沢崇校長先生は「こんなにありがたいことはない。地域のネットワークをみなさんがもっているし、子どもを大事にしてくれる」といいます。

あでらんすのひとがいる?

復興した菜の花畑と浅間山を背景に談笑する「菜の花部会」の人たち。左から3人目は小林さん=佐久市瀬戸原

定年退職し転身

 ジャガイモ植えの準備と指導は、荻原徳雄さん(七五)たち「楽農倶楽部」菜の花部会の人たちがおこなっています。定年退職後に専業農家になった人たちです。中心は農民連の会員ですが、地域のつながりで参加者が広がっています。

 荻原さんは、「ここら辺は二㍍超える草が生え放題だったんだ」といいます。もともと桑畑でしたが、輸入生糸に押されて廃業、整地をしたものの麦や野菜の畑作も低価格のため作り手がなくなりました。萩原さんは荒廃する畑を見て復興するため四年前にナタネ油を本格的に搾ることを考えました。当時の長野県政が地産地消のため補助をしていたことも後押しをしました。地権者と話し十㌶あまりを確保しました。

 課題となったのは、ナタネなどの種子の確保、連作障害を防ぐ作物体系、手刈りでやり重労働だった夏場のナタネ収穫作業の機械化です。

 小林節夫さん(八三)は、この課題を解決した一人です。農民連の元代表常任委員だった小林さんは、ナタネの種子を青森県農民連から取り寄せ、ナタネ油を搾る業者も探しました。連作障害を防ぐための小麦は北海道農民連のパン用品種を手に入れました。ソバは地場産です。

 ナタネの収穫は、専用のオペレーター(作業員)に依頼して解決しました。隣町の小諸市が導入した機械が佐久市も区域にはいる農協の管理になっていたことから農協と折衝し導入が実現しました。

 小林さんは、全国どこでもナタネ油を取り入れた耕作放棄地解消策は可能だとみています。ナタネ油は農地の地権者に地代として配られ、学校給食だけでなく、地域の催し物にもてんぷら用に使われています。「地産地消、食文化の振興になる。いまは機械の性能もよく、定年退職世代が輪作体系でやれる。株大会社が遊休農地を狙っているが、そうすれば参入を許さないだろう」といいます。

後継者はできる

 ジャガイモの種まき体験の指導を終えた農家の人たちは、イノシシとシカの焼き肉で「打ち合わせ会」。今年はお孫さんが体験したという桜井今朝男さん(七〇)らは、「おじいちゃんきてよといわれた。来年は芋掘りが楽しみだと子どもにいわれると張り合いがある、やめられない」といいます。

 責任者を務める荻原さんは「必ず農業後継者は生まれる。こんな楽しいことはないが、株式会社はできるはずない」と強調しました。しんぶん赤旗(4/20)8面
 
 城山小学校の三年生がジャガイモの植え付けの体験学習のようすを読むと、畑は単に食料を生産するところではなくて、作物がどのようにできているかを実際に学べるところでもあることがわかる。また、採れた作物を使っておかずを作ったり、学校給食に使ったりすれば地産地消に役立つ。これらの考え方は、作物を単なる生産コストと捉(とら)える企業の発想からは生まれない。

 荒廃する畑を見て復興するため、ナタネ油を本格的に搾ることを考えた荻原さん。地権者と話し十㌶あまりを確保し、長野県政の地産地消のため補助を活用した。

 小林さんは、ナタネなどの種子の確保、連作障害を防ぐ作物体系、手刈りでやり重労働だった夏場のナタネ収穫作業の機械化など相次ぐ課題に対し、ナタネの種子を青森県農民連から取り寄せ、ナタネ油を搾る業者も探し、連作障害を防ぐための小麦は北海道農民連のパン用品種を手に入れ、地場産のソバを活用した。

 そして、隣町の小諸市が導入した機械が佐久市も区域にはいる農協の管理になっていたことから農協と折衝し、ナタネの収穫は専用のオペレーター(作業員)に依頼して解決した。

 つまり、荒廃する畑が復興できたのは、萩原さんの知恵だけでなく、長野県政の補助があったこと、小林さんが考えた植える作物や連作に工夫をこらしたこと、他の農民連からのナタネや小麦の種子の調達し、ナタネ油を搾る業者を探したり、隣町の農協から借りた機械で専用のオペレーターにナタネの収穫を依頼したことだ。

 要するに、複数の農家が知恵を出し、土地に合った作物を考え、地権者や複数の農協や、行政の補助の助けを借りて、ようやく荒廃する畑が復興できたということになる。果たして、こうした複雑なやり方を考え出し、耕作放棄地を農地にしようとする企業がどれくらいあるのだろうか...
 そこで農業を永続的に営もうとする覚悟のある者でなければ、荒地を農地に変えることは難しいように思えるのだが...


< おわり >

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後記:

 一週間くらい続いた農地法「改革」案に関する連載も今回で終わりです。解放された~♪

 しかし、日本共産党国会議員団が「農地法等『改正』案についての見解」を、4/22と4/23の2回に分けてしんぶん赤旗紙上で発表しています。今回の連載で取り上げたこと以外にも問題を指摘しています。
 これについては、余裕があるときを観て、ぼくのブログ上で感想を書けていけたらと、思てます。

 さて、明日?(あさってかも)からは、4月初めから書いてみたかった連載を開始します。また、空振りしないといいのですが...



テーマ:これでいいのか「平成の農地改革」 - ジャンル:政治・経済

農地法「改正」案:農地利用許可、不許可の基準が法律で明確に規定されず、農地が産業廃棄物や建設残土の埋立地になる恐れも

こうりはにまんよんせんえんくらい
日本経済新聞(4/22)5面より

農水省減反見直し試算公表 コメ価格、6割下落も

 農林水産省は二十二日、コメの生産調整(減反)を見直した湯合、生産量や米価がどう変わるかという試算を政府の農政改革特命チームに提出した。減反を廃止、緩和するといった五つのシナリオが前提。いまは百六十万㌶に抑えている主食用米の作付面積が最大で六十万㌶増え、六十㌔当たり約一万五千円の市場価格も五千八百九十四円まで下がるとした。
 今回は第一次試算で、改良した第二次試算の公表を目指す。六月に同チームの議論を再開し、八月上中旬に中間案をまとめる方針だ。

 この試算や国民のアンケート調査などをもとに、麻生太郎首相が指示
したコメ政策の「選択肢」づくりを進める。農水省内では農家が減反に参加するかどうかを判断する「選択制」などが浮上している。

 試算は減反強化、現状維持、減反廃止に加え、中間案として減反を緩和するシナリオを二つ設けた。減反を緩めた場合、作付面積が最大で三十万㌶増え、農家の手取り価格は一万二百六十円となる。同省の試算では、コストを削減してコメの平均的な生産費を一万円に抑えるには、コメ農家の八五―九五%が五㌶以上の大規模農家になる必要があるという。日本経済新聞(4/23)5面

 昨日(4/22)、農林水産省はコメの生産調整(減反[げんたん])を見直した湯合、生産量や米価がどう変わるかという減反を廃止、緩和するといった五つのシナリオ(生産調整[減反]見直しの5シナリオ)が前提とした試算を政府の農政改革特命チームに提出した。※

 現在、1俵あたり市場価格が約1万5千円のコメに関して、減反を廃止した場合に、コメの作付け面積が60万㌶増えた240万㌶となることで、短期的な米価が5,894円/俵に下がることが指摘された。ちなみに同シナリオによると、長期推計の10年目の米価は9,721円/俵と短期的な米価よりかなり高い。

 さらに、農水省はコメの平均的な生産費を1万円に抑えるには、コメ農家の85―95%が5㌶以上の大規模農家になる必要がある、と指摘したようだ。

 どうも、農水省の今回の発表の狙いは短期的なコメの生産価格を下げるために農家のほとんどを5㌶以上の大規模農家にする必要性を政府の「特命チーム(農政改革特命チーム:農政改革関係閣僚会合内の組織)」に示す狙いがあったとみられる。

 繰り返しになるが、これは、一昨日の記事(http://uhtwogh2.blog65.fc2.com/blog-entry-148.html)で指摘した日本経団連会長の御手洗冨士夫氏ら経済財政諮問会議が、農水省が設置した『農地政策に関する有識者会議』を服従させて、農地の大規模化のために『所有』から『利用』へ農地の利用を転換させて、一般企業の農地参入の自由化を図ろうとしている動きと符号しているとも捉えられる。

 農水省は、今回の第一次試算を、さらに改良した第二次試算の公表を目指し、6月に同チームの議論を再開し、8月上中旬に中間案をまとめる方針だ。その後で、この試算や国民のアンケート調査などをもとに、麻生太郎首相が指示したコメ政策の「選択肢」づくりを進める。

 「選択肢」には、農水省内では農家が減反に参加するかどうかを判断する「選択制」などが浮上している。

 しかし、優良農地での耕作に参入する企業が経営の主体となる大規模農家と耕作困難な田畑で耕作する小規模農家が直接競合すれば、経営が立ち行かなくなり、耕作放棄地が更に増えることが予想される。

※昨日の記事のなかで、『特命チーム(農政改革特命チーム:農政改革関係閣僚会合内の組織)が、21日に農水省によって明らかになった農水省の試算に基づく五つのシナリオ「コメの生産調整(減反)制度を見直すと米価や生産量がどう変化するか」、に関しての見解を22日に示す。』と書きましたが、正しくは『農水省の行った試算を、農政改革関係閣僚会合内の組織の特命チームに示す』です。


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 しんぶん赤旗は、日本経団連会長の御手洗冨士夫氏ら経済財政諮問会議が、農水省が設置した『農地政策に関する有識者会議』を服従させて、農地の大規模化のために『所有』から『利用』へ農地の利用を転換させて、一般企業の農地参入の自由化を図ろうとしている農地法「改正」案の動きに関して、農地が農地としてでなく、産業廃棄物の捨て場など、本来の目的とは違った目的に使われる可能性があると指摘する。

 問題ぞろぞろ農地法「改正」案 地下水源の汚染や地域荒廃の恐れも

 現行の農地法は、自ら農業をする人に農地の権利(所有権、利用権)を与えるという「農地耕作者主義」にもとづいています。
 改悪案は、この農地耕作者主義を取り払います。一定の農機具を用意して農作業従事者を雇う形で、「農地を適正に利用していない場合は賃借を解除する」との一筆をいれた契約書を農業委員会に提出すれば農地を借りることができることになります。

 例えば、東京に住んでいる個人でも株式会社でも北海道で農地を借りること(利用権)は原則自由にするというものです。農地の賃借料の目安となる標準小作料(地代)が廃止され、借地期間も五十年に延びます。
 たとえば産廃業者とつながりがある企業が形式を整えて高い地代を払い農業参入しても許可せざるを得ないことになります。
 その際に許可をするのは農業委員会であり、「不適切」として許可を取り消す処置をとるのも農業委員会です。

 法案では許可できない場合として「農業をするとは認められない場合」のほか、「農地の集団化、農作業の効率化その他周辺の地域における農地または採草放牧地の農業上の効率的かつ総合的な利用の確保に支障が生ずる恐れがある場合」をあげています。
 しかしこうした「不適切」な事例を法案で明示してはいません。農水省は「通知などで対応する」といいますが、不透明なままです。

 産廃が地下水源を汚すなど地域に害悪をもたらすようになってからでは遅すぎます。農業委員会は、市町村合併や農業予算の削減により体制が弱くなっています。明確な規制法ももたず、非難の矢面にたたされることになります。しんぶん赤旗(4/20)8面

 記事によると現行の農地法は、自ら農業をする人に農地の権利を与えるという「農地耕作者主義」にもとづいているが、農地法「改正」案では一定の農機具を用意して農作業従事者を雇うかたちにすれば、「農地を適正に利用していない場合は賃借を解除する」との一筆をいれた契約書を農業委員会に提出すれば農地を借りることができるという。

 それにより、全く別の土地に住んでいる個人でも株式会社でも農地を借りることが原則自由になるが、産廃業者と関連がある企業が、一定の農機具を用意して農作業従事者を雇うかたちにして、「農地を適正に利用していない場合は賃借を解除する」との一筆をいれた契約書を農業委員会に提出すれば農地を借りることができてしまう。

 これら企業などに対する許諾は「農業委員会」だが、「農業をするとは認められない場合」や、「農地の集団化、農作業の効率化その他周辺の地域における農地または採草放牧地の農業上の効率的かつ総合的な利用の確保に支障が生ずる恐れがある場合」など「不適切」な事例を法案で明示せず、農水省は「通知などで対応する」というが不透明なままだという。

 つまり、農地法「改正」案で、個人でも株式会社でも農地を借りることを原則自由にしてしまうと、利用許可された農地が農業以外の目的で使用されたり、産廃が地下水源を汚したりした場合であっても、その農地の利用停止や汚染したりした場合の罰則もじゅうぶんに行われない可能性がある。


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 さらにしんぶん赤旗は、農地法「改正」案を見込んで、各地の農業委員会に産廃業者が農地の利用を見込んで問い合わせをしてきていると指摘する。

法の成立見込んで産廃業者が狙ってる

 農地法改悪を見込み、産廃業者や土木業者が農地を狙う動きが出ています。

 首都圏の産廃業者が多い干葉県では、農業委員会の県組織・千葉県農業会議に、″農地参入が自由になる″との報道を見た建設業者や産廃業者からの問い合わせが多くきているといいます。

 担当者は「簡単に農地に参入できると思って、突然訪れる業者が多い。現行の農地法では農業生産法人と特定法人貸付事業しか参入できないことを説明するが納得せず一、二時間もかかる。事務局の人数は二人だけなので限界がある」といいます。

 また、農地法「改正」案では、許可、不許可の基準がはっきりしていないことについて「法律で明確にしてもらわないと事務方は対応が大変だ」と心配します。

 茨城農民連にも最近「農地を貸してもらえる農家を紹介してほしい」との電話が土木業者からあったといいます。
 応対した村田深事務局長は、「埼玉県の農民連に電話して茨城県の電話番号を聞いたというが、話を聞くと、とても農業をする感じではなかった。断ったけれど、農地法の改悪を先取りする動きだ」といいます。

 産廃業者の農地への不法投棄を告発してきた日本共産党の初見初江茨城県古河市議は、「農地改良だといって、こっそり農地に産廃や建設残土を埋めてしまう。摘発には大変な労力が必要」といいます。トラクターと軽トラックを備えた業者が農業参入に準備をしている例もあり、警戒しているといいます。しんぶん赤旗(4/20)8面

 農地法「改正」案について、建設業者や産廃業者は「農地参入が自由になる」とゆう認識しかなく、農業委員会の県組織・千葉県農業会議に問い合わせをしているが、改正案ではじゅうぶんな規制を示していないせいで、現行の農地法では農業生産法人と特定法人貸付事業しか参入できないことを説明するしかなく、応対にも事務局の人数が足りない。

 根本には農地法「改正」案では、許可、不許可の基準がはっきりしていないことがあり、法律で明確にしてないことで事務方が対応できないということがある。

 産廃業者の農地への不法投棄を告発してきた日本共産党市議は、産廃業者が、農地改良だといいながら、こっそり農地に産廃や建設残土を埋めてしまい、摘発に大変な労力が必要という。ひとたび不法投棄を許してしまえば、後の始末がたいへんなことになるようだ。

 農地法「改正」案が、農水省のいう「将来の食料供給を万全にする持続可能性のある強い農業づくり」であるならば、本来農地であった場所を産廃や建設残土の埋立地に変えて、農地面積の縮小や付近の土壌汚染の危険を残すようなことは本末転倒だ。

 農地の大規模化のために『所有』から『利用』へ農地の利用を転換させる前に、農地貸借の許可、不許可の基準をはっきりして、法律で明記する案を検討すべきだ。


 < 続く >

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後記:

 しんぶん赤旗及びその日曜版の記事をもとに、農地法「改正」を考える連載記事は当初の2回から大きくふくらんで既に4回、次回で最終回の予定だたが、「日本共産党国会議員団」が「農地法等『改正』案についての見解」を、昨日と今日?のしんぶん赤旗で発表したことで、さらに連載が長くなるかもしれないと思うと気が重い。

 連載を書くときは、部屋の中に缶詰状態になることが多いので、2日くらいは買い物にすら行けず、不健康になる。そろそろ連載を止めたいが、次に書きたい記事も連載なのだ。やれやれ...

 昨日に続き、今日もアクセスが鈍い。しょうじき、ぼくもカネはないけど、いっそのこと、ゴールデンウイークといきたいところなのだが...










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麻生首相指示コメ減反見直しで農政改革特命チームが22日、夏のまとめ向けて5つのシナリオ提示、耕作困難な地域農家では耕作者主義放棄の農地法改正より価格保障・所得補償のほうが耕作放棄地をなくす効果があるとの声

こうりはにまんよんせんえんくらい

 17日の農政改革関係閣僚会合で、農政改革の「改革の検討方向」として了承した政策課題に基づき、具体的な「検討方向」を示したたたき台を、夏をめどに改革の「基本方向」としてまとめる特命チーム(農政改革特命チーム:農政改革関係閣僚会合内の組織)が、21日に農水省によって明らかになった農水省の試算に基づく五つのシナリオ「コメの生産調整(減反)制度を見直すと米価や生産量がどう変化するか」、に関しての見解を22日に示す。

 政府はこの試算をたたき台に国民の意識調査などを行い、夏をめどに改革案をまとめる方針。17日の会合で麻生首相が生産調整に参加するかを農家が判断する「選択制」にするか、現行の生産調整の維持にするかの「選択肢」を提示するよう指示したことに答えたもの。

 このシナリオは現状の主食用米作付け面積160万㌶の1俵(ぴょう)あたり15,075円に基づき、作付け面積を①10万㌶減少②現状維持③10万㌶増加④30万㌶増加⑤生産調整廃止の5つに分け、米価が短期、長期でどう変わるかを試算したもの。

 今回の試算は生産調整を緩和するシナリオを二つ(③④)示したのが特徴。農水省内では農家が生産調整に参加するかを判断する「選択制」など現在よりも緩める案が浮上している。

 今回の試算では具体的な制度設計には踏み込んでいないが、今後、緩和シナリオが議論の中心になる可能性が高い。日本経済新聞(4/22)5面をもとに作成

 農政改革関係閣僚会合で麻生首相率いる政府のねらいは、コメの生産調整(減反)の規模を3つの場合に分けて縮小する見直しのようだ。

 これは、昨日の記事(http://uhtwogh2.blog65.fc2.com/blog-entry-148.html)で指摘した日本経団連会長の御手洗冨士夫氏ら経済財政諮問会議が、農水省が設置した『農地政策に関する有識者会議』を服従させて、農地の大規模化のために『所有』から『利用』へ農地の利用を転換させて、一般企業の農地参入の自由化を図ろうとしている動きと符号しているとも捉えられる。

 しかし、「農地は食料生産だけでなく、環境や国土の保全、住民の就業の場、伝統や文化をはぐくむ地域の共有財産でもある」ならば、米日の財界・大企業の意向にそって、大企業支配の対象になり、ビジネス機会の拡大のみのために使われ、不動産投資信託といった新たな投機の対象になれば、農水省のいう「将来の食料供給を万全にする持続可能性のある強い農業づくり」とは全く逆の結果が起こってしまうのではないか。
筆者の記事(http://uhtwogh2.blog65.fc2.com/blog-entry-147.html)より

 ・・・

 野菜と違いコメの価格は年々、下落の一途をたどってきた。減反を廃止すれば、稲作農家の収入は更に減る。しんぶん赤旗日曜版(4/19号)33面では、耕作困難な兵庫県丹波市で「集落営農」に取り組んでいる東芦田営農組合の芦田浅己さん(62)のとりくみをこう紹介する。

もものき

 荒れた農地を仲間といっしょに桃畑にした芦田さん

 兵庫県丹波市。低山に囲まれた中山間地域。主産業は稲作、花、野菜など農業です。 同市では「集落営農」に取り組んでいます。
 「集落営農」は、集落単位で機械を共同使用したり、作業を請け負うやり方で、高齢化などで耕作困難な地域に広がっています。
 芦田浅己さん(62)が組合長を務める東芦田営農組合は06年に発足しました。集落は約200戸。65歳以上の人が3割に達します。

 約22㌶の田を管理し、転作田で小麦、小豆、野菜も栽培。農民連ふるさとネットワークの産直にも参加しています。
 管理面積は年々増え、集落では耕作放棄地を出していません。この経験を学ぼうと他県から視察も続きます。

 しかし営農組合の経営は大変です。
 戸田さんは、「いま生産費を考えたらコメは買うほうが安い。小麦の販売価格も1㌔26円。『産地づくり交付金』がなくなったら大赤字になる」と先行きを心配します。
 「若い人に雇用も提供したいが、よくて年収200万円ぐらいにしかならない」とも。
 「農地法改正で耕作放棄地が減るとはとても思えない」-戸田さんの実感です。

 そしてこういいます。
 「米価が下がって作れば作るほど赤字。農地法改正より価格保障・所得補償をすれば、コメも小麦もうんと作れて、がんばりがいがある。遊休農地もなくなるし、食料自給率も上がる。それこそやってほしい」しんぶん赤旗日曜版(4/19号)33面

そだててほしーの
 しんぶん赤旗日曜版(4/19号)より

 耕作困難な地域にある東芦田営農組合は、200戸の「集落営農」によって、65歳以上の人が3割に達するにもかかわらず、約22㌶の田を管理し、転作田で小麦、小豆、野菜も栽培。農民連ふるさとネットワークの産直にも参加して、管理面積を年々増やし、集落では耕作放棄地を出していないという。

 しかし、「いま生産費を考えたらコメは買うほうが安い。小麦の販売価格も1㌔26円。『産地づくり交付金』がなくなったら大赤字になる」と言い、「若い人に雇用も提供したいが、よくて年収200万円ぐらいにしかならない」と言う。

 そして、「米価が下がって作れば作るほど赤字。農地法改正より価格保障・所得補償をすれば、コメも小麦もうんと作れて、がんばりがいがある。遊休農地もなくなるし、食料自給率も上がる。それこそやってほしい」と、農地法改正より価格保障・所得補償をやることのほうが耕作放棄地を減らせるという。

 耕作困難な地域では、もうけ優先の一般企業の農地参入は考えずらい。年々増えていく耕作放棄地を減らすためには、長年、地元で農業に取り組んできた農家の取り組みを尊重し、耕作物の価格保障や農業の所得補償によって経済的安定をもたらし、若者に農業を引き継がせていく取り組みの方が大切に思えてくる。


 < 続く >

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後記:

 ここんとこ、小難しい記事が続いているせいか、アクセスのうち、特にページビューの減少が顕著になてきた。「このままいくと、小難しい記事と一緒にブログが沈没してしまうぅ...」などと、もやもや考えながら記事を時間をかけて作っている。

 ちまたではゴールデンウイークに入ったとこもあるようだし、「政策の記事なんて、わずらわしくて読んでくれないよ」、と思うこのごろ。

 書いても書いても、うしろ姿がしぐれていくよ。








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「平成の農地改革」改革案今夏に先送り、19年より経済財政諮問会議が『所有』から『利用』へ転換させ一般企業の農地参入を促す経緯も、区市町村が農家の固定資産税に関して誤った「課税評価書」を送り農民を圧迫

 政府は十七日の農政改革関係閣僚会合で「改革の検討方向」を了承したが、政策課題の列挙にとどまり、具体的な方向感を示せないまま今夏に中間的な改革案をまとめることになった。日本経済新聞(4/18)5面

 農政改革関係閣僚会合では「改革の検討方向」を合意したにとどまり、政府も、政策課題の列挙にとどまり、具体的な方向感を示せないまま、中間的な改革案を今夏に先延ばしにした。

 「検討方向」は農政改革のたたき台。閣僚会合のもとの特命チームが、この方向に沿って夏をめどに改革の「基本方向」をまとめる。同記事より

 夏をめどに農政改革のたたき台をまとめるのは、農政改革関係閣僚会合のもとの特命チームとなった。

 「麻生太郎首相が生産調整(減反)見直しが焦点のコメ政策で、政策の「選択肢」を提示するよう指示」したが、「自民党は衆院選を控えて抜本改革に慎重で、調整は難航しそうだ」同記事より

 「農林水産省内では生産調整に参加するかを農家が判断する「選択制」への移行案も浮上。麻生首相が指示した選択肢は、こうした選択制の考え方や現行の生産調整の維持などが軸になるもよう」同記事より

 麻生首相は、生産調整に参加するかを農家が判断する「選択制」にするか、現行の生産調整の維持にするかの「選択肢」を提示するよう指示したが、衆院選を控えて自民党は抜本改革に慎重で、調整は難航しそうという。

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つよいのうぎょうへのだいいっぽだと

経済財政諮問会議の専門調査会や民間議員が出した報告書やペーパー

 しんぶん赤旗日曜版(4/19号)によると『平成の農地改革』の根幹となる「農地法『改正』の議論は外部からの圧力で方向転換」したという。

 農水省が設置した農地政策に関する有識者会議の第3回の会合(07年5月15日)と前後して、経済財政諮問会議の専門調査会が突如報告書を発表(5月8日)しました。

 そこには、「農業の構造改革」のメニューが並び、農地について「所有と利用を分離し、利用についての経営形態は原則自由」にするとありました。一般企業の農地参入を自由化するものです。

 翌9日、日本経団連会長の御手洗冨士夫氏ら諮問会議の民間議員4人が、「農地の大規模化への鍵は、『所有』から『利用』への大転換にある」と書いたペーパーを配布する念の入れようでした。

 このあとしばらく、有識者会議は活動を休止し、8月の再開時、その内容を受けいれた新しい案が報告・提出されます。

 そして11月。若林農水相(当時)が経済財政諮問会議に出席し、農地「改革」の方向について「所有権と利用権の規制を切り難し、利用権についての規制を見直す」と発言しました。

 これを聞いた経済財政諮問会議の委員は「我々が5月に提案した内容をおおむねふまえていると評価する」と歓迎。

 有識者会議の委員の一人、原田純考・中央大学法科大学院教授は、「8月の時点でベクトルの大きな転換があった」と語ります。

 このように「改正」案のポイントは、小泉「構造改革」路線を先導した財界・大企業中心の経済財政諮問会議が持ち込んだものです。同記事

 一昨年の平成19年5月15日に開かれた農水省が設置した農地政策に関する有識者会議の第3回会合の一週間前の5月8日に、経済財政諮問会議の専門調査会が、「農業の構造改革」のメニューが並んだ報告書を突如発表し、そこには、農地について「所有と利用を分離し、利用についての経営形態は原則自由」にするとして、一般企業の農地参入を自由化を促進する内容が書かれてあったという。

 さらに、翌9日、日本経団連会長の御手洗冨士夫氏ら経済財政諮問会議の民間議員4人が、「農地の大規模化への鍵は、『所有』から『利用』への大転換にある」と一般企業の農地参入の自由化にだめを押すペーパーを配布したという。
 
 すると、8月に農水省が設置した農地政策に関する有識者会議が開かれた際に、経済財政諮問会議の意見に沿った「所有と利用を分離し、利用についての経営形態は原則自由」にする新しい案をが報告・提出された。

 そして11月。若林農水相(当時)が経済財政諮問会議に出席し、農地「改革」の方向について「所有権と利用権の規制を切り難し、利用権についての規制を見直す」と発言し、「農地の大規模化への鍵は、『所有』から『利用』への大転換にある」と一般企業の農地参入の自由化にもろ手を挙げて恭順の意を示したという。

 そして、経済財政諮問会議の委員は「我々が5月に提案した内容をおおむねふまえていると評価する」と歓迎した。

 この経緯を踏まえれば、経済財政諮問会議が、農水省が設置した『農地政策に関する有識者会議』を服従させて、農地の大規模化のために『所有』から『利用』へ農地の利用を転換させて、一般企業の農地参入の自由化を図ろうとしていることが伺(うかが)える。


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へんてこなもようがうつってしまた
重税の是正、農地を守る活動を交流した農民連の研究会=17日、東京

 政府が17日に、農政改革関係閣僚会合で「改革の検討方向」を了承するなか、農民連(農民運動全国連合会)は同日、農業に使う土地や施設に宅地並みの固定資産税が課税されている問題で、重税を是正させようと研究会を都内で開いた。しんぶん赤旗(4/18)5面より

 同記事によると、今年は3年に一度の固定資産税の評価替えが行われ、区市町村から課税評価書が送られているが、参加者から「課税評価書が現状と違っており改善させた」「宅地の中にあると評価された畜舎用地を農地に評価させた」などの経験が報告された、という。

 報告した斎藤敏之固定資産税対策部長は、財界の求めに沿って農家から農地を取り上げるために重税を課す方向が出ていると指摘、「黙っていれば『とりやすいところから税金をとれ』となる」とのべ、農地・施設に適正評価を求める運動を呼びかけた、という。

 斎藤敏之固定資産税対策部長の呼びかけによれば、財界の求めに沿って農家から農地を取り上げるために重税を課す方向が出ていて、農家に送られた区市町村からの課税評価書の中身には、課税評価書が現状と違っていたり、畜舎用地が宅地にあると評価されたりしているようだ。

 さらに、農地一筆ごとに厳密に調査することや行政の不服審査委員会の活用、市街化区域内農地は農地並み課税となる生産緑地の指定がどの自治体でも可能なことなどを意見交換した、という。

 農政改革関係閣僚会合では「改革の検討方向」を合意したにとどまったのに、区市町村が農家の固定資産税に関して誤った「課税評価書」を送り、不正に多く税を徴収しようとするのは、国税庁を通じでのいやがらせなのだろうか...

 笹渡義夫事務局長は、地域に住み耕作する人に農地の権利を与える「農地耕作者主義」を廃止する農地法改悪案にふれ、株式会社による農地所有自由化と農村の荒廃につながる危険性を指摘。農地を守る農業委員会などと対話を広げて、今国会の廃案をめどそうと呼びかけました。同記事より

 < 続く >









テーマ:これでいいのか「平成の農地改革」 - ジャンル:政治・経済

農地が大企業支配化でビジネスや不動産投資信託で投機の対象に?「農水省:追加経済対策2,979億円『農地集積加速化事業』で」

 4月10日(金)に与党が決定した追加経済対策(財政支出15兆4千億円、事業規模も56兆8千億円)の中に、農林水産関係に財政支出の総額1兆302億円が盛り込まれた。

 農林水産省が4月に発行した
「『経済危機対策』関連予算の概要」によると、その中に、「将来の食料供給を万全にする持続可能性のある強い農業づくり」(財政支出、5,694億円)とゆう大項目があり、その中の「『平成の農地改革』の着実な実施と将来に渡り持続的に農業を維持できる総合的な農家経営支援体制の構築」とゆう中項目のなかに「担い手への農地集積事業-『農地集積加速化事業』(新規、財政支出、2,979億円)が含まれている。

 農水関係の財政支出総額のうち、3割近く(28.9%)を占める『農地集積加速化事業』とはなにか。

ことばはちからづよいけど
「『経済危機対策』関連予算の概要」(21/4)農林水産省より

 同資料によると、「小規模農家・高齢農家などの農地の出してが安心して担い手に農地を委(ゆだ)ねることができるよう、今後3年間に農地の面的集積につながる貸し出しを行った農地所有者へ交付金を交付(15,000/10a/年・最長5年間)等」とある。(1a=100㎡)

 つまり、規模の小さな農家が、3年以内に大規模農家に農地を貸し出せば、5年間の間、貸した先からの地代以外に国(国民の税金)から10アール当たり15,000円が支給されるとゆうのだ。

 土地を貸した農家は当然農業を辞めて、土地を貸して暮らすか、他で働き口を見つけることになる。

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 しんぶん赤旗日曜版(4/19号)32面によると、この『平成の農地改革』は、国会で審議されている『農地法「改正」案』の一貫だ。

 「耕作者の権利を守るという考え方を、効率的に利用するなら誰でも農地の権利(賃貸、所有)を持つことができるという考え方に改める」という。

 同記事によれば、「いまの農地法はみずから農作業に従事するものにのみ農地に関する権利を認めるという「耕作者主義」の原則に立って」おり、「農地は食料生産だけでなく、環境や国土の保全、住民の就業の場、伝統や文化をはぐくむ地域の共有財産でもあり」とし、「農地が住宅地や商業地のように当事者間で勝手に貸し借りされれば、農村社会に大きな混乱、障害がもたらされかねない」と指摘する。

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そだててほしーの
 しんぶん赤旗日曜版(4/19号)より

 さらに同記事は、「企業など『意欲』ある担い手に農地利用を広げれば、耕作放棄地が解消できるというのが政府の言い分」だとしながら、年々増加する耕作放棄地のグラフを示し、農業参入法人の63%が赤字で、「収支はほぼ均衡」は10%、黒字は11%に満たないとする。

もうからないの
 しんぶん赤旗日曜版(4/19号)より

 さらに、「もうけ優先の大企業が農業に進出するのは耕作放棄地ではなく、平場の優良農地」「そこで営農する農家と競合」し、もともといた農家を圧迫すると指摘する。

 そして、耕作放棄地が広がったのは農地法のせいでなく、
「際限のない輸入自由化や米価暴落の野放し、減反の押し付けなどで農家の意欲を奪い、経営を成り立たなくしてきた自民党農政にこそ原因がある」と厳しい。
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 だいだい続いた自民党の政府が、小規模の耕作者の作った米価の安定化を計らず、減反を促し耕作放棄地を拡大させたあげく、耕作者が農地を大規模経営者に貸して農地を集約させようとゆう政府のおもわくについて、同記事はこう指摘する。

 「90年代以降、財界は株式会社の農地・農業参入の自由化を唱え、「耕作者主義」の原則を放棄するよう政府に繰り返し迫ってきました。

 最近は、政府の経済諮問会議の場などで、農産物の輸入自由化と一体に、農地制度の改革、参入規制の緩和を主張してきました。

 すでに、株式会社でも、一定の要件を満たせば農業に参入できます」

 財界が農地・農業参入の自由化、「耕作者主義」の原則を放棄するよう政府に繰り返し迫り、政府は経済諮問会議の場などで農産物の輸入自由化と一体に、農地制度の改革、参入規制の緩和を主張し、すでに、株式会社でも一定の要件を満たせば農業に参入できるようになった。

 簡単にいえば、政府は田畑を耕す耕作者の要望より、財界の要望を優先し、「耕作者主義」の原則を放棄するような政策を行ってきたとゆうことだ。

 さらに、同記事は指摘する。


 「財界がいっそうの『規制緩和」を迫るのは農業振興が目的ではなく、農業・農地を対象にしたビジネス機会の拡大や農地(土地)に対する大企業支配にねらいがあるからです。」

 「麻生首相肝(きも)いりの『経済危機克服のための有識者会合」(3月16日、首相官邸)で、米大手金融会社モルガンスタンレーの幹部は、農業委員会の廃止や農地への不動産投資信託の導入をあけすけに要求しています。

 『改正』案は、米日の財界・大企業の意向にそったものです。」

 「農地は食料生産だけでなく、環境や国土の保全、住民の就業の場、伝統や文化をはぐくむ地域の共有財産でもある」ならば、米日の財界・大企業の意向にそって、大企業支配の対象になり、ビジネス機会の拡大のみのために使われ、不動産投資信託といった新たな投機の対象になれば、農水省のいう「将来の食料供給を万全にする持続可能性のある強い農業づくり」とは全く逆の結果が起こってしまうのではないか。

 今、このために、追加経済対策の中に『農地集積加速化事業』として、2,979億円の税金が投入されようとしているのである(今月の27日に2009年度補正予算案と関連法案として提出予定)。

参照:
①「『経済危機対策』関連予算の概要」
 http://www.maff.go.jp/j/kanbo/yosan/keizai_taisaku/pdf/keizai.pdf
②しんぶん赤旗日曜版(2009/4/19号)30面

< 続く >









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悩んだあげく、定額給付金で「ニューズウイーク日本版」の一年間定期購読に申し込んで、自己啓発のために使うことにした




 おととい、定額給付金の申請書を郵便ポストに投函した。2011年度以降に実施される消費税増税とセットで給付されたカネだけに、受け取りたくなかったが、受け取らなくても、元の特別会計の剰余金に戻らず、国の借金の支払いに使われるか一般会計に繰り入れられてしまうので、受け取ることにした。カネを受け取ることを決めてしまったので、消費税の増税に異議を唱えずらい。

 ぼくのような貧しい人たちを支援する団体や緑化団体に寄付しようか迷ったが、最終的に、「ニューズウイーク日本版」の一年間定期購読に申し込んで、自分の自己啓発のために投資することにした。

 ぼくの場合はひとを助けている場合でない。自力(じりき)で生きていけるように努力することのほうがまわりのひとのためになる。そのために天から降ってきたカネを自分に投資することにした。

 新聞を読むと、定額給付金の使い途(みち)として、一泊の家族旅行や外食といったちょっとした家族の羽伸ばしに使うひとが多いようだ。節約が続く厳しい暮らしのなかで、凍りがちな雰囲気をひとときでも楽しく過ごすために使うのはいい考えだ。

 政府は消費を喚起するために使ってほしいとビラまで刷(す)るつもりらしいけど、有効な目的に使うのが望ましいと思う。









テーマ:定額給付金 - ジャンル:政治・経済

税と社会保険料負担の一体化による税制改革で課税の公平化と税収アップ、非課税低所得者勤労世帯に税還付で景気底上げ効果も「税還付策こそ『生活対策』財政政策を問う(中)田近栄治」

 日経紙上に掲載された経済教室のなかで、二人の学者(谷内教授、井堀教授)は国がとるべき財政政策について次の注文を出した

①財政出動による景気刺激策は、効果にとぼしい。
②中長期的視野にたった構造改革が必要。
③法人税減税によって民間企業の活力を高める。
④弱者や非正規雇用者に対する安全網(セーフティーネット)の整備

 さらに井堀教授は、⑤消費税増税による財政再建を図る必要があると指摘した。

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 消費税増税の考えに対し、日本共産党の機関紙「しんぶん赤旗」(4/2付け)のなかで、志位委員長は新宿駅頭での街頭演説で

⑥所得の少ない方ほど重くのしかかる税金
⑦税のすべてを販売価格に転嫁することができる大企業を優遇する税金
⑧景気をどん底にまで突き落とす最悪の「景気破壊税」

として、強く異議を唱えた。

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 ぼくは輸出企業を例にあげた②については、根拠がおかしいと指摘したが、①財政出動による景気刺激策は、効果にとぼしいので、②中長期的視野にたった構造改革が必要で、③法人税減税によって民間企業の活力を高めて、④弱者や非正規雇用者に対する安全網(セーフティーネット)の整備を図る必要性を認めて、⑤消費税増税による財政再建を図る必要については、⑥所得の少ない方ほど重くのしかかる税金であり、⑧景気をどん底にまで突き落とす最悪の「景気破壊税」なので、消費税増税だけでなく他の税、すなわち、所得税や消費税といった間接税、国民健康保険税や介護保険税、国民年金保険税といった社会保障税を別個にパッチ的に充てるのでなく、それぞれの税負担者の生活の実情にあった納税の抜本的改革が必要だと考えた。

 この記事では、そうした納税の抜本的改革を提唱している
「田近栄治・一橋大学教授」が日経の経済教室「税還付策こそ『生活対策』財政政策を問う(中)」(3/26)29面に寄せた寄稿を通じて納税の抜本的改革を考えてみた。以下は記事とぼくの感想(緑字)である。

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 世界を巻き込んだ不況が進行する中、日本でも積極的な財政出動が開始されようとしている。目玉の一つが「生活対策」(昨年十月三十日)に盛り込まれた定額給付金制度であり、政府は経済的な弱者に大きな影響が及ぶとして、約二兆円の予算を投じ、一人当たり一万二千円(六十五歳以上と十八歳以下は二万円)という手厚い支援を行うこととしている。

 しかし、定額給付金については、今年一月十五日の財政制度等審議会で、「緊急支援と言えるか、全く言えない。(中略)ほとんど捨てられる、まあ、貯蓄に回るんでしょうが、眠ってしまうような金」ではないかいう意見など、手厳しい発言が相次いだ。

 国民の負担に対して配慮し、消費増加を通じた景気効累も期待できる生活対策」とは何なのか。財政出動にのみ頼るのではなく、少子高齢化の現実も見定めつつ、真に効果のある政策を考える必要がある。そこで以下で、税額控除(税による還付)の導入と再配分機能を十分果たしていない所得控除の縮小によって、税と社会保険料負担を一体的に調整する仕組みを提言したい。

 まず、田近教授は昨年10月30日に「生活対策」に盛り込まれた定額給付金制度が、今年1月15日の財政制度等審議会で、「緊急支援と全く言えない。ほとんど捨てられる。眠ってしまうような金」といった厳しく非難されたことを紹介し、国民の負担に対して配慮し、消費増加を通じた景気効累も期待できる生活対策」として、税額控除(税による還付)の導入と再配分機能を十分果たしていない所得控除の縮小によって、税と社会保険料負担を一体的に調整する仕組みが必要という。

わりとむつかしい

 まず税(所得税と住民税と社会保険料を合わせた負担の実態を見てみよう。筆者は八塩裕之氏(京都産業大学専任講師)とわが国の家計の最も基本的な調査の一つ、『国民生活基礎調査』を用いて負担推計を行ってきた。結果は表に示した通りであるが、推計にあたり二〇〇四年の調査を用い、税負担については調査表の世帯属性に基づいて、○七年の税制による世帯別負担額を求めた。一方、社会保険料については、調査表の記載額を直接用いた。世帯は所得で十階層に分け、所得の半分以上が給与や事業所得か年金収入であるかで勤労世帯と年金世帯と呼ぶごとにした。

 「税と社会保険料の負担」の表は、『国民生活基礎調査』(2004年)をもとに、表中の税負担Aの項目については『国民生活基礎調査』(2004年)の世帯属性に基づきながら、2007年度の税制を用いて、世帯別負担額を計算している。社会保険料Bの項目については、『国民生活基礎調査』(2004年)の記載額を直接用いている。だから、2004年度の調査に基づきながら所得税や間接税などはより直近の2007年の計算方法で算出しているわけだ。

 世帯は所得で十階層に分けられているが、実際の所得額が書かれていないし、5と6の間が平均なのかはここではわからない。所得の半分以上が給与や事業所得か年金収入であるかで勤労世帯と年金世帯に分けているが、半分で分けるのが適正であるかはわからない。

 この表はおおまかな目安として観るべきだろう。


 表から負担の実態として次の三点を指摘することができる。第一点は、表中の課税所得比率(課税前所得に対する控除後の課税所得の比率)から明らかなように、所得控除の割合が大きい結果、課税所得のベースが小さくなり、低中所得者の税負担が大幅に低くなっていることてある。

 表中の所得階層4から下の階層では、勤労世帯と年金世帯のそれぞれで、所得のうち課税対象となる所得の割合が、それぞれ15.5%、11.3%以下とかなり低い。これは所得控除が働いて課税所得を大幅に減額しているからだ。

 勤労世帯の場合、中位の第五および第六階層で、課税所得比率は二五%程度であり、最高所得層でも五七・六%である。年金世帯ではこの比率はさらに低くなっている。なお同額の所得控除でも、高所得世帯の方が、適用される税率が高く、税負担がより多く軽減されるため、所得控除は階層別負担調整の視点からも望ましくない。このように所得控除の存在が所得税の「空洞化」を招いている。

 勤労世帯(勤労所得が5割以上の世帯)の場合、中位の層である中間層の所得であっても、実際の所得に対して課税される所得の比率が25%ととゆうのは、75%の所得には非課税とゆうことだから、確かに低い感じはする。最高所得層でも所得の42.4%は非課税だ。更に所得控除が定額の場合、高所得層のほうが税負担の割合は軽くなる。

 日本共産党の志井委員長が4/1に新宿駅の街頭で演説した「税金というのは、所得の少ない方には少なく、そして所得の多い方にはたくさん払っていただくのは当たり前の民主的な原則」とすれば、高所得層のほうが税負担の割合は軽くなるのは望ましいことではない。


 第二点は、税と社会保険料を一体で見ると、ほとんどの世帯で、社会保険料の負担が税負担より大きいことである。勤労世帯では、もっとも所得の高い第十階層を除くすべての階層で、税よりも社会保険料負担の方が大きい。毎月の給与明細をみて「税が重い」という多くのサラリーマンの実感は、社会保険料負担が重いことによっている。それに対して、年金世帯では、保険料負担は勤労世帯よりずっと軽くなっている。

 表中の税負担Aと社会保険負担Bを観ると、勤労世帯では第8段階の所得階層まで社会保険負担Bの割合が税負担Aの割合よりかなり高く、最も低所得な階層で19.8%(第一階層)で最も重く、中位の所得階層である第6階層でも10.0%あり、税負担Aの4.3%の倍以上もある。

 年金世帯では、勤労世帯に比べて社会保険料Bの割合が、19.8%→12.3%(第一階層)、10.0%→6.2%(第6階層)、8.1%→4.8%(第10階層)となり、いずれの場合においても社会保険料の税負担の割合が軽くなっている。


 第三点は、年金世帯の税と社会保険料負担は、勤労世帯よりはるかに低いことてある。表の所得階層は、全世帯を対象としたもので、勤労世帯と年金世帯には同一の所得区分が適用されている。しかし、所得税と住民税の負担率をみると、すべての階層で年金世帯の負担が小さくなっていることがわかる。

 これは、主に公的年金等控除で年金所得への課税が軽減されていることによる。社会保険料負担は、公的年金保険料負担のない年金世帯の方が、勤労所得世帯より小さいことは当然としても、ほぼ二倍近い負担の差があることは、注目すべきであろう。

 表中の年金世帯の所得税と住民税の負担率(税負担A)は勤労世帯のそれと比べると確かに低い。この理由は公的年金等控除で年金所得への課税が軽減されていることによる、という。

 表中の社会保険料Bに関して、勤労世帯と年金世帯を比較すると、19.8%→12.3%(第1階層)、10.0%→6.2%(第5階層)、8.1%→4.8%(第10階層)で、勤労世帯の方が同じ所得でも確かに負担率が高い。


・・・

 このように、負担に大きな「ゆがみ」が生じていることは、明らかである。現在の経済状況からの脱却という観点からは、その是正を行うとともに、消費増加を通じて景気対策にも有効な施策が求められていることになる。ここで重要なのは、所得が低く社会保険料の負担が特に重くなっている人々の負担を軽減して消費を刺激することだろう。このグループの人たちが、定期的な所得を得ていない人たちであればなおさらである。

 確かに今まで指摘していた税負担の不公平を改めれば、これまで税負担が重かった勤労世帯の税を軽減することで、消費に回すことができ景気を刺激することができる。

 そこで、所得控除に代えて税額控除を導入し、こうしたグループの人々の税と社会保険料負担の合計額が軽減される制度を創設すべきである。

 現行の大きな所得控除は、先に指摘したとおり、全般的な税負担を軽減する一方、階層別に見ると高所得者に有利に働いている。つまりさまざまな所得控除は、減収という大きなコストを払う一方で、肝心の再分配効果はあまり働いていない。そこで、現行の所得控除に代わる再配分機能を果たす仕組みが求められることになる。

 所得控除を縮小することによって、所得税と住民税の「課税力」を取り戻すことが可能になる。そうしたしっかりと税をとる仕組みにした上で、適切な負担調整を行うことが重要である。

 確かに所得控除は表中の同一所得階層の勤労世帯と年金世帯に異なる課税所得比率を適用し、年金世帯に有利に働いてしまう。

 また税と社会保険料の負担率(表中のA+B)で、最も低所得な所得階層1と最も富裕な所得階層10との比較において、勤労世帯で20.1%に対し22.0%、年金世帯で12.3%に対し13.8%と大差ない。これでは富裕層優遇の税方式だ。

 確かにさまざまな所得控除はより高い所得階層にかかる税の減収となり、同一所得でも年金世帯に有利に働くなど所得の再分配のためにじゅうぶんに機能していないようにみえる。所得控除や現状の社会保険制度にかわる「税と社会保険料負担の合計額が軽減される制度」を創設して不公平間をなくす必要はあるかもしれない。


 一方で、納税者の側に立って考えると、負担という面で税と社会保険料に差はない。

 これまで日本では、税は国や地方の財源、社会保険料は社会保障の財源であるとし、税と社会保険料の負担と管理は別々であるべきだとされてきた。だが、これは縦割りの役所の考え方にすぎない。

 実際、医療、年金および介護保険の保険料は積み立てられているわけではなく、現役世代から、給付を受ける高齢世代への移転となっているので、税と変わらない。そこで、税と社会保険料負担の一体改革という視点が重要になる。すなわち、税額控除の導入にあたって軽減されるのは、税部分だけではなく、社会保険料負担まで含める必要がある。

 確かに納税者の側からみれば、社会保険料も所得税や住民税と同じたぐいのものであり、医療行為に際して受けられる給付が変われば、社会保険料が変わるとゆうものではない。

 そうゆう点からいえば、税と社会保険料負担を一体化しても特に問題ではない。役所の都合で不公平が生じるならば、役所の組織ややり方を見直せばいいだけの問題だ。


 さらに、年金世帯の扱いも検討すべきであろう。高齢化が進行する中で、高齢者への社会保障給付が増大する。それを支える財源は、先に指摘したように積立金ではなく、同時代における税と社会保険料である。そうした中で、年金所得であるということだけで、特別な配慮を行うことは適切ではない。もちろん、ここで年金所得を重課せよというのではない。見直すべきことは、年金所得を、給与所得やその他の所得と同じように扱うべきだということだ。

 社会保険料が勤労世帯に対して年金世帯のほうが有利に働いているのを考えれば、年金所得を、給与所得やその他の所得と同じように扱うべき、とゆうのは理解できる。

 しかしながら、勤労者と異なり、高齢者は高齢化に伴う介護・医療行為などの費用がかさむので、所得に占める医療費が大きくなりそれ以外の生計費が圧迫される。

 だから、じゅうぶんな生計費を確保できるような医療・介護の負担限度額を定めたしくみをセットにしなければいけないと思う。


 以上の改革は、社会保障財源や景気などマクロ経済面で次の効果を持つと考えられる。まず、改革によって、集まった税で社会保険料負担の一部が肩代わりされることになるので、社会保障財源に穴があくようなことはない。むしろ、税と社会保険料の一体的な負担調整をするので、非課税の人も還付をうけるため、税の申告が進むと思われる。また、この改革によって、所得は相対的に、若年で所得の低く、消費意欲も旺盛な個人や家族に再配分されることになるので、消費促進が期待できる。

 ・・・

 税と社会保険料負担の一体化については、オランダなどすでに実際の制度として施行している国があるだけではなく、税制の抜本改革として多くの国で真剣に検討がなされている。世界に先駆けて少子高齢化が進むわが国においても、ここでみてきたように、税と社会保険料は別物とした考え方や制度はもはや通用しなくなっていることは、明らかである。この改革の行きつく先の一つは、組織的には、徴税機構である国税庁と社会保険料徴収機構である社会保険庁の一体化である。そこまでを視野に入れた改革の道筋を本気で議論する時がきたのではないだろうか。

 税と社会保険料負担の一体化によって、集まった税で社会保険料負担の一部が肩代わりされ、社会保障財源に穴があかなくなるかは詳しく検証してみる余地があるが、少なくとも表においては、かなり税収増の可能性はありそうだ。 

 非課税の人が税の還付をうけることができれば、所得の再分配が進み貧困が改善される。


 「この改革によって、所得は相対的に、若年で所得の低く、消費意欲も旺盛な個人や家族に再配分されることになるので、消費促進が期待できる」ことになればとくに財政出動をうたなくても、それだけで景気対策になる。

 しかし、このためには、徴税機構である国税庁と社会保険料徴収機構である社会保険庁の一体化が必要となると、役人の強固な抵抗が予想される。

 詳細を詰めれば景気をよくし貧困を改善するすてきな改革案だと思うのだが、役人のいいなりといわれる今の内閣で検討の余地はないだろう。


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 たぢか・えいじ 49年生まれ。一橋大卒、ミネソタ大博士。専門は財政学









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低所得化が進む弱者に重い増税だけでは税制の抜本的解決にならないばかりか国民の生活を破壊する「日本共産党の志井委員長の消費税増税反対演説(4/1)」に対する感想

いろんなひとがいぱいいます
「消費税の増税やめよ」などと宣伝する消費税廃止各界連絡会の人たち。
宣伝力-中央は、訴える志位和夫委員長=1日、東京・新宿駅西□
しんぶん赤旗(4/2)1面より

 日経紙上に掲載された経済教室の内容に沿いながら、二人の学者による現在の不況下におけるとるべき財政政策をとりあげてきた。

 それによれば、
①財政出動による景気刺激策は、効果にとぼしい。
②中長期的視野にたった構造改革が必要。
③法人税減税によって民間企業の活力を高める。
④弱者や非正規雇用者に対する安全網(セーフティーネット)の整備

 更には、消費税増税による財政再建を図る必要があるとのことだった。

 しかしながら、日本共産党の指摘では、このうち法人税はすでに十分に減税されており、その法人税の穴埋めのために、本来社会福祉目的のための消費税が使われてしまって、弱者や非正規雇用者に対する安全網(セーフティーネット)のために十分に使われず、その税の性格上、弱者の負担割合が多きくなるとゆうことだった。


 ・・・

 4月1日(水)に新宿駅で、消費税廃止各界連絡会の街頭演説の際に行われた日本共産党の志井委員長の演説の内容をみながら、日本共産党の指摘について考えてみることにした。緑字は筆者の感想。

新宿駅頭での志位委員長の訴え

 みなさん、こんにちは。ご紹介いただきました日本共産党の志位和夫です。今日は労働団体、市民団体のみなさんとご一緒に、この場をお借りして、消費税値上げ反対、食料品は非課税に、ということを求める署名運動、宣伝活動に取り組んでいます。ご協力を心からお願いいたします。

 今日、四月一日は、消費税が導入されて、ちょうど二十年にあたります。この二十年間を振り返って、消費税問題について、私たちが考えていることをお訴えさせていただきます。

 まず、志位氏は今年の4月1日が消費税が導入されて、ちょうど二十年にあたることを告げた。

 次に消費税値上げは反対、食料品は非課税にしたいと告げた。


なんでこうなるの!
 しんぶん赤旗日曜版4月5日号より

「社会保障のため」という言い訳はうそ偽り

 まず、私が訴えたいのは、消費税が導入され、値上げされるときにさんざん言われた「社会保障のため」という言い訳は、うそ偽りだったということがはっきりしたのが、この二十年だったということです。この二十年間を振り返って、「良くなった」といえる福祉があるでしょうか。

 たとえば、医療の問題です。消費税導入前には、サラリーマンの医療費の窓口負担は一割でしたが、いまは三割に上がっています。
お年寄りの窓口負担は、導入前は通院で月八百円でしたけれども、これも一割-三割になり、後期高齢者医療制度という「現代のうば捨て山」といわれる制度がつくられました。

 年金はどうでしょう。支給開始年齢が六十歳から六十五歳に引き上げられました。さらに、毎年、年金の保険料は上がる、給付は下がるという、とんでもない年金の大改悪が強行されました。

 介護はどうでしょう。この間に介護保険がつくられましたけれど、先日、群馬県の渋川では、ああいう痛ましい事件が起こりました。根本にはまともな施設が不足しているという大問題があります。特別養護老人ホームの入所を待っていらっしゃる待機者は、導入前の二万人から、いまは全国で三十八万人にも達しています。

 障害者福祉も、利用料は原則無料であったのが、一割という応益負担が持ち込まれて、障害が重い方ほど重い負担になるという、ひどい仕掛けがつくられました。

 医療、年金、介護、障害者福祉、どの分野をとっても、社会保障切り捨ての二十年だったというのが、この間の事実ではないでしょうか。

 確かに消費税は福祉目的税として20年前に創設されたものだけど、高齢化による医療・福祉・年金は総額として増大していったのであるから、消費税を全額福祉に回したとしても、これらの負担が20年前と同じ水準で維持できたかどうかは、詳しい検証が必要に思える。

おかねかえして
 しんぶん赤旗日曜版4月5日号より

 それでは、国民が納めた消費税は、いったいどこへいってしまったのか。この二十年間で国民が納めた消費税の総額は二百十三兆円ですが、その間、大企業などへの減税が行われ、法人三税は総額百八十二兆円も減りました。大企業の減税の穴埋めのために、消費税が使われたというのが、この二十年間の真相だったのであります。

 法人税の減収は昨年までの「だらだらかげろう景気」の際には減収幅が縮小しており、法人税率引き下げでも法人税の総額は伸びたことを反映している。なので法人税率引き下げ=法人税総額減とゆう考えには無理がある。

 輸出主導型の日本経済のもとでは国際競争力は不可欠であって、新自由主義に基づく金融自由化による銀行業の投資への参加によって、幅広く出資を得るために国際的な企業価値を高めないと生き抜けない環境になったことで、企業の負担する税も国際基準に照らし合わせていかなければならなかったのは必然でなかったろうか。

 問題はむしろ、企業が国際競争を生き抜くために、労働組合の解体化を促すことで正社員を減らし、年収300万円以下の非正規雇用者を増大させたことで、福祉の負担に耐えられなくなった労働者が多くなったこと。
 そして、高齢者のセーフティーネットになっている年金の支給額が減少したり、従来かけるべき年金の支払いや老後の貯蓄を怠ったりしていた方が1千万人近くにのぼってしまったことで、生活が窮してしまったのに、政府がろくな対策を打ち出さず、今も放置していることが根本にあるのではないだろうか。


 いま麻生・自公政権が進めようとしている消費税の増税計画も同じです。先週、政府・与党は、二〇一一年度までに、消費税の値上げを行う法律をつくることを「付則」に書き込んだ「税制改革法」を強行しましたが、この法律には、「法人実効税率の引き下げを検討する」ということも書き込まれています。ここでもまた消費税の値上げと大企業減税はセットで打ち出されているのであります。

 みなさん、これまでの二十年間をみても、そしてこれからやろうとしていることをみても、消費税の値上げは「社会保障のため」というのはうそ偽りであって、「大企業の減税の穴埋めのため」というのが真実なのだということを、私は訴えたいと思うのであります。

 与謝野財務・金融相が、今回の追加経済対策の財源に消費税を使おうと考えていることからすれば、消費税はもはや「福祉目的税」のためでなく「一部福祉目的税」であるのは明らかだ。そうゆう観点からいえば、「大企業の減税の穴埋めのため」にも使われるだろう。

 だが、「消費税増税と法人税減税をセットで打ち出している」とゆう言い方は極めて短絡的だ。なぜなら、消費税増税は国民年金の国庫負担の3分の1から2分の1への引き上げの財源として活用されることも検討されているからだ。

 それに、法人税減税によって民間企業の活力を高めることは中長期的視野に立つ観点からいえばプラスにつながると思える。


おかねがないとつらいの
 しんぶん赤旗日曜版4月5日号より

最悪の「貧困促進税」 憲法25条の原則にも反する悪税

 そのことにくわえて、この二十年間を振り返ってみますと、消費税の悪税ぶりがいよいよ耐え難いところまできたということを痛感します。

 私は、この消費税がどんなに悪い税金かということについて、とくに三つの点を、今日は訴えたいと思います。

 第一は、この税金が、最悪の「貧困促進税」だということです。

 税金というのは、所得の少ない方には少なく、そして所得の多い方にはたくさん払っていただく、さらに毎日の生計費には税金をかけないというのが当たり前の民主的な原則であります。所得税は、一定水準以下の収入の人には課税されませんが、それは憲法二五条の精神をふまえ「最低限の生計費に課税しない」という原則にもとづくものです。

 ところが、消費税というのは、所得の少ない方ほど重くのしかかる税金です。所得税を課税されないような所得の少ない方、あるいは所得ゼロの方にまで課税される過酷な税金です。いま貧困と格差が広がり、一大社会問題になるもとで、消費税は、「貧困促進税」「貧困追い打ち税」というべき悪税であることを、言わなければなりません。

 この二十年間で生活保護の世帯は、六十八万世帯から百十四万世
帯へと、一・七倍になりました。しかも、生活保護を受給している世帯というのは、本来、生活保護を受給できる権利を持っている世帯の一割から二割にすぎません。それでも百十四万もの世帯に広がりました。こうした生活保護世帯に対しても、消費税は過酷にのしかかってきます。

 生活保護受給者の年間平均の消費税負担額は、一人あたり三・二万円にもなります。四人家族で年間十三万円です。これは憲法二五条が保障した国民の生存権を否定する悪税というほかないのではないでしょうか。

 「税金は、所得の少ないひとは少なく、そして所得の多い方にはたくさん払う」とゆうのは昔あった所得税の累進課税の考え方だ。だが、「毎日の生計費には税金をかけない」というのは当たり前の民主的な原則ではなく、生計費以外にも余裕をもった収入がある場合には許されるのではないか。

 だが、憲法二五条(生存権)の精神をふまえ「最低限の生計費に課税しない」という原則にのっとって、「所得税は一定水準以下の収入の人には課税されない」とゆう指摘には同感だ。最低限の生計費に課税すれば生きていけなくなるからだ。江戸時代でも、農民に生きていけなくなるほどの年貢を収めされた時代は悪政とされている。

 消費税はホームレスであれ、ニートであれ、生活保護受給者であれ、6万6千円の満額の国民年金で暮らす介護を要する寝たきり老人にも課税する。これは法にのっとってうんぬんとゆうより、むごくないだろうか。

 志位氏の指摘によれば生活保護の世帯は114万世帯で、同様な低基準の生活をしている世帯は5~10倍(507~1,140万世帯)にものぼるとゆう。5百万人~1千万人以上の暮らしに困っているひとから、お金を召し上げる消費税(他の間接税も)はむごいし、あまりにも多くのひとに犠牲をはらわさせているようにしか思えない。

 ちなみに、ぼくは全額消費に回っているので、年額に直すと8万4千円にもなる。これは生活保護費のうち、受けている生計費にあたる生活扶助費の年額・4万8千円よりかなり大きい。いっそのこと生活扶助費の支給をやめて、消費税を非課税にしてくれたほうがありがたいくらいなのだ(ぼくの場合)。


最悪の「大企業優遇税」―大企業は1円も負担していない

 第二にこの税金が、最悪の「大企業優遇税」だということであります。

 消費税を負担していているのは、いったい誰なのか。大企業は、一円も負担もしておりません。原料などの仕入れに消費税はかかりますが、大企業は力がありますから、消費税をすべて販売価格に転嫁することができます。ですから大企業は自分では一円も払っていないのが消費税なのであります。

 輸出の場合はどうなるか。輸出大企業の場合には、輸出品には消費税が上乗せできないという理由で、「輸出戻し税」という仕掛けがあります。つまり、仕入れ時に払った消費税を「輸出戻し税」という形で税務署から還付してもらえるのです。こんな仕掛けまであるのです。いま全国で徴収されている消費税の総額は約十七兆円ですが、そのうち約四兆円は「輸出戻し税」という形で大企業にそっくり返す。そのため税収は十三兆円になってしまう。こういう仕掛けまでつくり、大企業は一円も負担をしていないのが消費税なのであります。

 志位氏は輸出大企業は「輸出戻し税」によって、輸出の際に消費税を支払わなくてもすむので、消費税を一円も負担していないと指摘するが、輸出戻し税とは-はてなキーワード(http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CD%A2%BD%D0%CC%E1%A4%B7%C0%C7)によると、「輸出戻し税」は輸出先の国の消費税と輸出元の消費税の二重課税を避けるためにもうけられたものであり、輸出企業は国内で免税であっても輸出先が購入するときに課税されて、(輸出国に)税を支払うことになる。それで、輸出企業が国内で支払った税を還付してもらうしくみであり、消費税を払っていないわけではない。

 それでは誰が負担しているのかといえば、販売価格に転嫁したくてもできないで、身銭を切って泣く泣く消費税を払っている中小零細企業のみなさん、地元商店街のみなさんが負担をしています。そして、転嫁しようのない消費者・国民のみなさんが負拍をしています。中小零細企業や庶民を泣かせ、大企業は一円も負担をしない最悪の不公平税制が、消費税であるということを、私は訴えたいのであります。

 輸出企業が国内の企業から部品や半製品などを買う場合、部品を作る企業は輸出企業への売上分の消費税を負担しなければならないので、部品企業からすれば、消費税が還付されないのはおかしいとゆうわけだ。でも、部品企業は輸出先の国で消費税を払うわけではないので、現状のままでもおかしくないと思うのだが...

 少なくとも、輸出企業の製品に含まれている消費税分は、納品元の部品企業が支払っているが、消費者・国民が負拍をしてるとゆう考えは誤りである。


12年前 最悪の「景気破壊税」の増税で大不況に

 そして第三に、この税金は、最悪の「景気破壊税」です。

 一九九七年のことを思い起こしていただきたい。消費税が3%から5%に値上げになりました。当時は、弱々しいながらも景気が少し良くなりかかっていた時期だったのですが、無理やり消費税を上げたことが、景気をどん底にまで突き落とすことになりました。

 当時の総理大臣は橋本龍太郎さんでしたけれども、私は国会で、いまの経済状況からいって、消費税を上げたら家計は底割れし、必ず景気悪化への暗転が起こる、だからやめなさいということを迫りましたけれども、私たちのいうことに耳を傾けずに、増税を強行したとたんに、日本の経済は大不況に落ち込みました。

 1997年といえば、ぼくが勤めていた会社の製造子会社のリストラによる配置転換がピークをむかえ、労使の合意のもとに技術センターの10年間で毎年1割の人員削減目標が掲げられ、「特別なプロジェクト」があると事業人事部が、職場に不満がある社員や削減目標にのっとって職場の上司が推薦した社員に誘いかけ、なかばだまし討ちをかけるかたちでサービス部門、製造子会社、会社グループ向け派遣会社などに出向させるか、退職勧奨をしていた。

 社員にやめてもらう場合は、希望退職を公けに募るのが普通なのだが、ぼくの勤めていた会社では、移動先で自己都合退職をするものが多かったように思う。ぼくが製造子会社に転籍前提で出向となり、転職先が見つからず、職場でうつ病で倒れたのは2年後だ。

 あのころ「消費税3%のうちに家やマンションを買いましょう」、とちょっとしてブームになったのを覚えている。確かに消費税が2%アップの5%になった後、テレビのニュースで需要の減少が指摘され、消費税増税に対して非難があがっていた。

 2001年(日本は2003年?)にはじけたITバブルがまだ続いていたので、深刻な不景気にはおちいらずにすんだと記憶している。


 いま世界経済危機のもとで、日本経済は深刻な危機におちいり、国民の生活苦はどの分野でもきわめてたいへんな状態です。家計を応援し、内需を活発にしなければならないときに、二〇一一年度までに消費税を増税するという議論を持ち出してくること自体が、まさに景気を悪くする以外のなにものでもありません。

 最悪の「貧困促進税」、「大企業優遇税」、「景気破壊税」、この天下の悪税を、値上げすることを絶対に許すわけにはいきません。

 「大企業優遇税」とはいえないが、弱者に対する安全網の整備なしでは「貧困促進税」であることは違いないし、以前にもまして低所得者が増えた現在では、消費を冷え込ませる「景気破壊税」になる可能性は多いにある。消費者の所得を上げることなくして、消費税増税を単独に踏み切れば、確実に内需の不活発に貢献する。

消費税に頼らなくても、安心できる社会保障の財源はつくれる

 みなさん、消費税に頼らなくても、安心できる社会保障の財源はつくれます。
 年間五兆円にものぼる軍事費にメスを入れようではありませんか。二千八百億円にのぼる米軍への「思いやり」予算は、きっぱりやめさせようではありませんか。アメリカのグアムにつくる米軍基地の建設費用に六千億円もの税金をつぎ込む法案がいまの国会にかかっておりますが、こんなことは絶対に許すわけにいかないではありませんか。

 現在、日本の金融機関や投資家は、米国が金融危機にあるにもかかわらず、米国の債券を大量に保有している債権者だ。だから債券を持ち続けるかわりに、米国に対してもっと日本の負担減を要求してもいいはずだ。債券を持ってあげているだけで、じゅうぶん「思いやり」をしてあげているはずだ。さらにアメリカの軍事費を2800億円も払えとかアメリカの基地建設に6000億円も払えと日本に要求するのはずうずうしいにもほどがある。日本は米国に対してもっと怒らなければいけない。

  そして、大企業と大資産家に、もうけ相応の負担を求めていこうではありませんか。私は、先日、外国特派員協会で講演する機会がありましたが、外国メディアのみなさんから驚きの反応が返ってきたことがあります。それは、日本では株の売買や配当にかかる税金がたった税率10%だということです。こんな国はほかにありません。 フランスでは29%かかります。アメリカでも25%かかる。

 ところが、日本では、ぬれ手であわの大もうけをやった大株主にたった10%しか税金がかからない。額に汗して働くみなさんよりも、株で大もうけした大株主の税金が軽いというのは、あらためなければならないのではないでしょうか。

 日本の株価が他の先進各国と比べても落ち込みが激しかったのは事実だ。それは輸出主導型の経済構造であることや、世界からみた場合、日本の企業に出資した場合に得られるみかえりが他の国に比べると魅力がないからだ。

 そう考えると、現状を変えない限りは、税制で優遇するのは仕方ないことかと思える。しかし、将来を見据えれば、税制優遇なしで日本の市場に投資してもらえるように構造改革しなければいけない。


 そして、大企業についても、日本は、企業が払う社会保険料と税金を足しますとヨーロッパに比べて負担の軽い国です。自動車産業でいいますと、ドイツの八割、フランスの七割しか、大企業は税・社会保障の負担をしておりません。ここは、世間並みの負担をしてもらおうではありませんか。

 軍事費を削り、米軍への「思いやり」予算をなくし、政党助成金もなくす。そして大企業や大資産家にはもうけ相応の負担を求める。これをしっかりやれば、消費税に頼らなくても安心できる社会保障を築くことはできます。

 どうかみなさん、安心して消費税増税反対の声をあげようではありませんか。今度の総選挙では増税勢力にきびしい審判をくだそうではありませんか。

 企業が払う社会保障費を含む税負担が多ければいいのだろうか。例えば米国のGMは元社員の年金の支払いが利益を圧迫して、倒産寸前だ。人件費などの固定費の比率が多ければ多いほど、経営の柔軟な裁量の余地の幅を狭くし、経営改善のおもしになる。 だから、あくまで税は企業が負担できる範囲内でなくてはならない。

 今のところ、企業の税負担については国によってさまざまなために、各国政府が割引き合戦をしている。しかし、企業のもうけに占める労働分配率が低下傾向にある限り、合計として納税者からの税収も減って財政は健全でなくなる。ILO(国際労働機関)の労働者の待遇に関する勧告を各国が遵守する国際的な枠組みを作って、労働者が納税できるようにじゅうぶんな賃金を各国の企業が払わせることが重要だ。



 ・・・

 志井委員長の演説の内容の感想をまとめた感じでは、消費税増税が社会的弱者に対して配慮なしに実行される点については危惧を感じ得ない。ただ、だからといってやみくもに大企業に増税すれば、民間の活力をそぐ恐れがある。

 防衛費を削り、消費税増税分の財源を確保するのは理想的だ。しかし、そのためには米国に渡している軍事費の削減交渉を粘り強く行う必要があるし、中ロの軍事大国とも安全保障上の協調体制を模索していく必要があるから、かなり時間がかかりそうな印象だ。

 正規・非正規の労働者間での賃金の不公平性や生活に不十分な賃金でも合法とし、社会保障制度のなかで不十分な賃金を補完できないといった構造的な問題が放置されている限りは、ただむやみに消費税を上げても根本的な解決にならないのではないか。

 つまりは、所得税や消費税といった間接税、国民健康保険税や介護保険税、国民年金保険税といった社会保障税を別個にパッチ的に充てるのでなく、それぞれの税負担者の生活の実情にあった納税の抜本的改革が必要だと考えるのである。








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ブロガーの反響がすごくて驚いた!羽村市の「チューリップまつり」~23日(木)午後5時まで


 さくらばかりじゃないよ

ちょっといっぷく
  チューリップ畑(羽村市)NHKニュースウォッチ9(4/13)より

 「はむら花と水のまつり 2009」と題して、現在、羽村市では多摩川沿いに「チューリップまつり」を開催している(~23日(木)午前10時~午後5時まで)。

 その様子が昨日テレビのニュースバラエティのお天気コーナーで放送されていた。実は、チューリップ畑のことは知ってはいるものの、まだ一度も行ったことがない。

 「羽村, チューリップ」と入力してグーグルのブログ検索したら、100件以上の記事のタイトルが出てきた。「桜まつり」と並んで「チューリップまつり」は全国的にも有名なようだ。

 ・・・

 ブロガーのひとり「ねりうま写真生活」さんの記事(http://oldnavy.exblog.jp/8172467/)の撮った写真を観ていると、木々に覆われた丘と住宅を背景に、長方形状の黄色とピンクのチューリップ畑が交互に整然と並んでいる。

 『案内板に従い一中通りを左折するとおーっつ!とうなりたくなるようなチューリップ畑が目に入りました。 想像以上に広大です。』、と「ねりうま写真生活」さんは記事のなかで驚いていた。

 ・・・

 「初心者の写真」さんの記事(http://blog.goo.ne.jp/crystal_may/e/e47a6e75c7127cbae1d77ca36f4abf18)や「柴えこファミリーブログ」さんの記事(http://shibaeko.blog33.fc2.com/blog-entry-365.html)にも豊富な写真とともに詳しい様子が書かれていて、読むだけでも楽しい。

 羽村市のHP「はむら花と水のまつり チューリップまつり交通アクセス」(http://www.city.hamura.tokyo.jp/sangyou/hanatomizu/h-maccess-t.html#06)によると、JR青梅線・羽村駅西口から徒歩でも行けそうだし、土日は羽村駅西口・小作駅東口からチューリップ会場付近まで、無料のシャトルバスも約1時間間隔で出ているようなので、比較的容易に行けそうだ。

問合せ 羽村市観光協会(電話042-555-9667)
産業活性化推進室 農業観光振興係(内線661~663)








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消費税は"国が貧困ビジネス"をしているようなもの、福祉目的でなく法人税の穴埋めに使われ、社会的弱者に対して重い税

 これまで、日経紙上に掲載された経済教室の内容に沿いながら、現在の景気対策の根拠となる理論や、二人の学者による現在の不況下におけるとるべき財政政策をとりあげてきた。

 谷内教授は、2009年度補正予算の追加経済対策に盛り込まれた中身と同様に、『90年代の経済対策の重点項目には、「環境に負荷のない経済社会の実現」 「二十一世紀先導プロジェクトの実施」 「緊急防災」 「介護対策」など役に立ちそうな支出分野が並んでいたが、90年代の景気対策で、政府支出はGDP比7%以上も拡大したが、効果はなく経済は長期低迷した』とし、さらには景気刺激のため大型の補正予算では本予算では予算化されないようなムダな支出が避けられないとして、追加経済対策の景気刺激効果に疑問を呈した。

 井堀教授も、『財政政策の規模と中身が問われる中、当面は景気対策を優先し、財政健全化を中期的課題と位置づけるのは常識的対応である』と、一定の理解を示したうえで、『90年代後半の経験が示唆するように、積極的な財政政策が景気を回復させる効果は限定的である』との見方は同様だった。

 それでは、有効な景気対策はなにか?

 谷内教授は
『日本の法人所得課税は先進国でいちばん高い。法人税率を引き下げ、民間企業の活力を高めることが重要』といい、井堀教授はニューケインジアンの理論に基づく潜在的GDPを上げる構造改革を行いながら、『中長期の視点で民間の投資、貯蓄、労働意欲を刺激する政策が重要であり、景気動向にかかわらず、民間経済のやる気を引き出す規制改革や法人税率の引き下げなどの税制改革を直実に、かつ大胆に実行すべきである』と述べている。構造改革に関して、谷内教授は長期的に成長を高めるための政策として『農業活性化ための改革、特に民間企業の農地所有を認めるなどの大胆な改革』は有用としている。

 また、井堀教授は『景気対策は目的を明確にする必要がある』とし、『景気悪化で影響を受ける人を支援する景気政策は、弱者の経済状態を改善するのが目的であり、一種の社会保障政策である。
 災害にあった人を支援するのと同様に、弱者の生活を支援する景気対策は、国内総生産(GDP)拡大は期待できないが、急激な景気悪化時には重要な意義がある』とし、谷内教授は月内に成立する見込みで、さらなる措置も検討されている「雇用保険法改正案」やさらなる措置の検討をあげ、『非正規雇用に焦点を当てた雇用の安金網整備が最も重要である』と指摘している。

 二人の教授の指摘に共通するのは、以下の点である。
①法人税減税によって民間企業の活力を高める
②中長期的視野にたった構造改革
③弱者や非正規雇用者に対する安全網(セーフティーネット)の整備

 更に、井堀教授は
『国と地方も無駄な歳出を削減するのは当然だ』としながら、『だが無駄な歳出の削減と景気回復による自然増収だけで財政危機が解消するほど、状況は甘くない』と指摘し、『不足する財源は税収増でまかなうしかない。消費税率を段階的に引き上げるのは、財政再建に寄与する』と述べ、『弱者にも企業減税のメリットが生じるように配慮』しながら消費税を増税し、財政再建を図るべきだとしている。

 ・・・

おかねもうけてもぜいきんはらてくれないの

 法人税が高すぎるとゆう指摘には否定的見解もある。

 しんぶん赤旗日曜版(4/5号)6面では、「98年以降の大企業・大資産家への減税」とゆう見出しのグラフを紹介、98年度以降大幅に法人税を含む企業減税、証券優遇減税、高額所得者の税減税が行われていることを指摘している。

おかねがないとつらいの

 また、消費税に関しては、一律5%であっても低所得になるにつれて収入に対して負担が大きくなることを指摘し、とりわけ214万円以下の収入の消費者では4.2%以上にのぼり、336万円の収入の消費者の3.3%を大きく上回っていることを示し、低所得者への配慮なしの消費税増税は低所得者の暮らしをさらに圧迫することを物語っている。1646万円以上の収入がある消費者は1.6%の負担割合しかないことを考えると支払い能力に応じた税負担の観点からいえば、消費税は適当でないことは明らかである。


なんでこうなるの!

 さらに、弱者や非正規雇用者に対する安全網(セーフティーネット)の整備の観点から、消費税が導入されてから「社会保障のため」に創設されてから今年の4月1日に20年たったことについて、医療、年金、介護の点に関して、それぞれの点で大きく消費者の負担が増えていることを指摘している(しんぶん赤旗日曜版(4/5号)

おかねかえして

そして、消費税導入(1989)から昨年度(2009)までに消費税の税収の総額213兆円にのぼるのに対し、法人3税(法人税、法人住民税、法人事業税)の減収が182兆円にのぼり、消費税が福祉目的のためでなく、法人税収減収の穴埋めのために使われてきたと指摘する。

 先日、与謝野財政・金融担当相も、15.4兆円にのぼる2009年度補正予算の執行にあたっては、10兆円の赤字国債発行とともに、消費税の活用にも言及した。

そのたのぜいってなんだろ

 また、消費税率が10%台後半から25%台と高い欧米(除く米国)と比較しても、付加価値税(消費税)の社会保障財源に占める割合は六ヵ国との比較においては中位であり、むしろ事業主保険料の割合がが極端に低く、本人保険料の割合が極端に高いことが伺える。

 このことから、『貧しい人たちをくいものにしているということでいえば、消費税は国が"国が貧困ビジネス"をしているようなもの』松本ヒロ氏(同紙7面)、『消費税は所得が低い人ほど負担が重い「福祉破壊税」です。消費税を価格に転嫁できない中小・零細企業にとっては「営業破壊税』しんぶん赤旗(3/31)1面、と厳しく共産党は指摘する。

 共産党の主張によれば、法人税は米国や新興国を除けば優遇されているのであり、社会福祉目的税としては消費税は欧米各国に比べても決して低くなく、社会的弱者に対して重い税になっているとゆう。

 構造的改革が必要とゆう点を除けば、前述の教授と共産党の見解は全く相反する。








テーマ:追加経済対策で景気は回復する? - ジャンル:政治・経済

短期的景気対策は弱者支援明確に、長期的成長を高める政策を、法人税減らし民間企業活力高めよ、基礎的財政収支均衡化先送りでも消費税増税盛り込み中期的財政再建プログラムを「『弱者支援の目的を明確に』財政政策を問う(上)井堀和宏」

 現在、世界的な景気対策を裏付けている「ニューケインジアン」の金融政策は、実際のGDPの潜在GDPからの乖離(かいり)率に着目し、それに伴うインフレ率との関係を調整する金融政策を主として行ってきた(参照http://uhtwogh2.blog65.fc2.com/blog-entry-136.html)。

 しかし、世界的な低金利政策のなかで、金融政策によってインフレ率を調整する余地はとぼしい。
 そうしたなか、政府は2008年度補正予算や2009年度一般会計、更には2009年度補正予算によって、大型の財政出動を行って景気回復を図ろうとしている。

 しかし、米国のエコノミストの中には、米国の行っている財政出動の効果に懐疑的な見方をするものも多い。谷内満・早稲田大学教授は、大恐慌での米国のニューディール政策でも実際の政府支出はGDPの2-3%にすぎないとし、1990年代の日本では政府支出GDP比7%でも経済は長期低迷していたことし、今回の景気刺激策が1990年代の景気刺激策の内容がさほど変わらないとしたうえで、財政出動の効果の根拠に疑問を呈している。

 また、役に立つ支出なら景気刺激効果があり、ムダな支出なら景気刺激効果がないとゆう理論的根拠は、ケインズ経済学の理論には基づいてなく、実証分析が必要で効果が不明とゆう。

 さらに谷内教授は、景気刺激のため大型の補正予算では本予算では予算化されないようなムダな支出が避けられないともゆう。

 そして、谷内教授は、非正規雇用に焦点を当てた雇用の安金網整備が最も重要であり、長期的に成長を高めるための政策として、民間企業の農地所有を認めるなどの大胆な改革や、先進国でいちばん高い法人税率を引き下げ、民間企業の活力を高めることが重要と説いた。(参照:http://uhtwogh2.blog65.fc2.com/blog-entry-140.html)


 ・・・

 井堀和宏・東大教授は、「『弱者支援の目的を明確に』財政政策を問う(上)経済教室」日本経済新聞(3/25)27面で、 

 財政政策の規模と中身が問われる中、当面は景気対策を優先し、財政健全化を中期的課題と位置づけるのは、常識的対応である、

とし、政府の景気対策優先に理解を示している。

 その根拠として、グローバルな景気後退のなかで輸出依存度の高さが裏目に出て深刻度を増していることをあげている。


 米国発の金融危機を発端としたグローバルな景気後退の日本経済への影響は当初は小さかったが、ここにきて輸出依存度の高さが裏目に出て深刻度を増している。今後適切な景気対策を実行する必要があるし、財政政策面での国際協調も重要だ。

 だが、国内総生産(GDP)拡大は期待できないが、急激な景気悪化時には重要な意義があるので、景気対策の目的を弱者の経済状態を改善する社会保障政策にすべきとゆう。

 ただ景気対策は目的を明確にする必要がある。景気悪化で影響を受ける人を支援する景気政策は、弱者の経済状態を改善するのが目的であり、一種の社会保障政策である。
 災害にあった人を支援するのと同様に、弱者の生活を支援する景気対策は、国内総生産(GDP)拡大は期待できないが、急激な景気悪化時には重要な意義がある。

 例えば、生活保護世帯((約百万世帯)に十万円程度を給付しても、総額一千億円程度の景気対策で済むと指摘する。

 それゆえこうした社会保障的政策は、対象を弱者に限定すべきである。例えば、生活保護世帯(約百万世帯)に十万円程度を給付すると、総額一千億円程度で済む。対象を限定すれば一人あたりの支援額は大きくなり、厳しい財政事情の下でも遂行できる。さらにこうした支援策は緊急避難的な政策で、ずっと続けるべきではない。本来、弱者支援は生活保護など社会保障制度の中で対応すべき課題だ。

 しんぶん赤旗の指摘では、生活保護基準以下の世帯は生活保護世帯の5倍程度いるとゆうから、このような趣旨の景気対策は5千億円程度となると思う。

 また、中期的にみて日本の経済成長率が三%程度の安定成長を維持を考えると、将来世代の弱者の方が支援すべき対象としての優先度は高いとゆう。

  一方、中長期的に見ると、どの時期、どの世代がより厳しい経済環境に直面しそうかという判断が重要である。高齢世代が急増する半面、勤労
人口が減少して貯蓄も底をつき、技術革新の余地が乏しいわが国の将来を展望すると、今回の経済危機が克服されたとしても、中期的に日本の経済成長率が三%程度の安定成長を維持できる保証はない。

 高齢化社会で高齢者の医療・年金を支える勤労世代の負担増が予想されるが、グローバル化の圧力で賃金所得の増加が期待できないその先の将来世代の方がもっと深刻である。今回の危機に直面している現在世代より、むしろ将来世代の弱者の方が支援すべき対象としての優先度は高い。

 更に、1990年代後半の経験が示唆するように、積極的な財政政策が景気を回復させる効果は限定的であるとし、恒久的な減税が必要としながらも、社会保障需要の急増が中長期的に見込まれる以上、恒久減税ができる財政状況ではないといい、90年代の地域振興券の消費拡大効果は極めて小さく、今回の定額給付金も一時的給付であり、消費刺激効果はほとんどないとゆう。

 ちなみに日経の調べでは、地域振興券や定額給付金が消費に回るのは給付額の3分の1程度のようだ。


  不況期に、GDPを増加させる景気対策は重要な選択肢であるが、一九九〇年代後半の経験が示唆するように、積極的な財政政策が景気を回復させる効果は限定的である。 まず減税政策であるが、恒久的に減税してはじめて、可処分所得が恒常的に増え、消費も増加する。だが残念ながら、社会保障需要の急増が中長期的に見込まれる以上、恒久減税ができる財政状況ではない。九〇年代の地域振興券は消費拡大効果が極めて小さかった。今回の定額給付金も一時的給付であり、消費刺激効果はほとんどないだろう。

 公共投資に関して、内容さえ適切であればGDPの拡大は期待できるといい、そのためには既存の配分内容を変え、耐震対策、環境改善や医療分野での新技術開発など緊急性が高く、必要性も高い分野に積極配分すべきで、過疎地域の振興対策のような波及効果の乏しい公共投資では効果がなく、無駄な社会資本の維持管理費用が将来への重荷になるとゆう。

 次に公共投資は、内容さえ適切であれば、GDPの拡大は期待できる。耐震対策、環境改善や医療分野での新技術開発など緊急性が高く、必要性も高い分野に積極配分すべきであろう。ただし既存の配分内容が変わらないと、公共投資を量的に拡大しても効果は小さい。過疎地域の振興対策のような波及効果の乏しい公共投資では、乗数効果は一のままである。実際、九〇年代の公共投資によるGDP拡大効果は、学問的な実証分析では確認されていない。むしろ無駄な社会資本の維持管理費用が将来への重荷となる。

 さらに九〇年代と異なり、日本の財政状況は大きく悪化した。この点でも、積極財政政策のメリットは少ないどころかデメリットが大きい。

 そして、ニューケインジアンが唱えるGDPの潜在成長率を上げる構造改革が必要であり、民間経済のやる気を引き出す規制改革や法人税率の引き下げなどの税制改革を直実に、かつ大胆に実行すべきであるとしている。

 景気対策以上に必要な政策は、GDP成長率のトレンドを上昇させる政策、すなわち潜在成長率を上げる構造改革である。中長期の視点で民間の投資、貯蓄、労働意欲を刺激する政策が重要であり、景気動向にかかわらず、民間経済のやる気を引き出す規制改革や法人税率の引き下げなどの税制改革を直実に、かつ大胆に実行すべきである。

つかれた

 そして、直近の経済危機に対応すべく裁量的な財政運営が必要だとしながら、中長期には財政再建のための歳出削減と増税が不可避であり、内閣府の最近試算した「底ばい継続シナリオ」になる恐れが強く、自然体のままでは財政は破綻してしまうと警鐘を鳴らす。

 このように直近の経済危機に対応すべく裁量的な財政運営が必要だとしても、内閣府の最近試算した「底ばい継続シナリオ」になる恐れが強く、自然体のままでは財政は破綻してしまうので、危機的な財政状況をみれば中長期には財政再建のための歳出削減と増税が不可避であると説く。

 財政再建を図るためには、政府の借金を返す時期を遅らせても、政府が具体的シナリオを示すことで国民の不安が解消されるとし、市場にとって信頼性のある現実的な財政再建策なら、11年度の基礎的財政収支均衡化という政府目標が先送りされても、財政運営を維持可能な状況に引き戻すことは十分に可能とゆう。

 それには、歳出削減と増税の中期的プログラムを国民に納得させることが必要としたうえで、国と地方も無駄な歳出を削減するべきで、社会保障でのまだ非効率、不公平な歳出や、若者の不信感を助長している年金制度や地方自治体にモラルハザードを生む地方交付税制度の抜本改革が必要と説く。

 そのためには歳出削減と増税の中期的プログラムを国民が納得する必要がある。今回税制改正の付則で、一一年度以降に消費税率引き上げを準備することが明記されたが、政府がその時期をなかなか明言しないのは、国民に増税への根強い抵抗があるからだろう。税負担が重すぎて増税に応じきれないというより、まず歳出の無駄をなくす方が先決だという考え方である。このため、増税を伴う税制改革は優先順位が低くなる。

 国と地方も無駄な歳出を削減するのは当然だ。社会保障ではまだ非効率、不公平な歳出が多い。若者の不信感を助長している年金制度や、地方自治体にモラルハザードを生む地方交付税制度の抜本改革は、将来の財政運営に対する信頼感向上にも寄与する。

 そして、財政危機を解消させるために消費税率を段階的に引き上げるべきだといい、段階引き上げで、駆け込みの消費需要もが刺激されると説く。

 さらに、消費税増税の一部で法人税を引き下げ企業をしっかりさせる必要があるとゆう。企業が生産活動に従事することで雇用機会が確保できるし、企業価値があがれば、経営者や投資家が多くの配当や利子収入を得られるとゆうもの。


 だが無駄な歳出の削減と景気回復による自然増収だけで財政危機が解消するほど、状況は甘くない。なお不足する財源は税収増でまかなうしかない。消費税率を段階的に引き上げるのは、財政再建に寄与するだけでなく、当面の景気対策としてもそれほど悪いものではない。段階引き上げで、駆け込みの消費需要が刺激されるからだ。

 英国で景気対策として、付加価値税が○八年十二月一日より暫定的に一七・五%から一五%に引き下げられたが、当面の消費刺激効果は大きくなかった。むしろ、一年後に税率が元の税率に戻る直前に消費は上向くだろう。消費税率の引き下げよりも、引き上げ前の駆け込み需要の方が消費刺激効果は大きい。段階的引き上げでデフレ心理に歯止めがかかれば、マクロ経済にブフスの効果が期待できる。

 さらに消費増税の一部で法人税率引き下げもできよう。生産活動の主体である企業がしっかりして、初めて家計の経済状態も良くなる。企業が生産活動に従事することて、被雇用者は雇用機会を確保できる。株主などの投資家や利子所得に期待する預金者も、企業が元気になれば企業価値が上がり、多くの配当や利子収入を得られる。企業減税の恩恵は経営者や投資家など直接の利害関係者だけでなく、周辺の家計も含めた広い意昧での家計部門に波及する。

 ただし、消費税の増税の結果、社会的弱者ほど税負担増になるので、弱者への再分配に財源を回し、弱者にも企業減税のメリットが生じるように配慮することも重要であると説く。

 もちろん、消費税の増税が行われれば、個々の家計にとって税負担増になるケースもある。社会的弱者ほどその可能性は高い。公平性の観点から、弱者にも企業減税のメリットが生じるように配慮することも重要である。経済が活性化して日本経済全体が改善すれば、弱者への再分配に回せる財源も多くなる。

 そして、あくまで中期的に政府の歳出をより効率化、公平化するとともに、消費税の増税などとセットで財政健全化を行うべきと結ぶ。

 景気の後退が本格化するなかで、財政健全化を推進するマクロ経済環境は厳しい。しかし、中長期的に見ると、現在よりも将来の方がよりマクロ経済環境は厳しくなっていく。財政健全化が将来世代にとってメリットが大きいことを、我々現在世代は冷静に認識する必要がある。マクロ経済動向に配慮しつつ、中期的に政府全体の守備範囲を見直し、歳出をより効率化、公平化するとともに、消費税の増税などとセットで財政健全化を行うべきだろう。

 井堀教授は、谷内教授と同じように、政府のムダな支出を減らし、長期的に成長を高めるための政策に支出を多くあて、法人税を減らし、民間企業の活力を高めることが重要といい、特に企業活動の向上があればこそ、雇用、株主配当、利子収入が確保できると説いている。

 そして、谷内教授が非正規雇用に焦点を当てた雇用の安金網整備が最も重要であると述べたのに対し、井堀教授は弱者の生活を支援する景気対策が重要であると述べている。

 更には中期的な財政再建のために消費税を増税したり、11年度の基礎的財政収支均衡化という政府目標の先送りを盛り込んだプログラムを国民に納得させることが必要だと説明している。


 いほり・としひろ 52年生まれ。東大卒ソョンズ・ホプキンス大博士。専門は財政論








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直接的公共事業投資よりセーフティーネット拡充や民間の活力を引き出す政策が景気対策に重要「『効果に過大な期待抱くな』財政政策を問う(下)/谷内満・早稲田大学教授」

 4月10日、急激に悪化する景気を下支えするため、政府は追加経済対策を発表した。財政支出は15.4兆円、関連する事業規模総額は56.8兆円にのぼる。

 4月1日、ロンドンで行われたG20首脳会合(金融サミット)では、10年度末までに世界GDPを2%(5兆㌦)回復する合意がなされたが、今回の日本の財政支出はそれを越え、GDP比3%に迫るものになる。

 追加経済対策の中身は、企業に対して、金融機関や企業の資金繰り対策、株価急落の際の金融機関の株価買取の際の政府保証、インフラ整備など公共事業の前倒し執行とそれに伴う地方向け臨時交付金の支給、農地を貸し出す農家への交付金、法人向け研究開発費減税、中小企業向け交際費減税。

 失業者対策として、雇用者に対する雇用調整助成金の増額、失業者に住宅手当を給付、低所得者向けの生活費の貸付制度の拡充、公共職業安定所の職員増員。

 消費活性化対策として、環境対応車や省エネ家電への補助金、地デジ対応テレビの買い替え促進の補助金、住宅購入や修繕者への年間の贈与税免税額の引き上げや頭金なしの住宅ローンの実現。

 福祉対策としては、3歳から就学前の子どもに給付金の支給、介護職員の処遇を改善する事業者に3年間助成。

となっており、企業や農家を手厚保護して従業員の解雇を減らし、電化製品や車などを買える余力のある中間所得層を補助するが、低所得者には、失業者の住宅手当は半年給付するものの、生活費は給付ではなく貸し付けのみとゆうお寒い内容になっている。


 ・・・

こうかはあるのかな

 米国や日本のこうした財政出動を伴う景気対策に関しては、効果に疑問を持つ政治家やエコノミストが少なくない。

 「『効果に過大な期待抱くな』財政政策を問う(下)/谷内満・早稲田大学教授」日本経済新聞(3/27)27面によると、

 米国では約79百億㌦(約75兆円)の大型景気対策法が可決され、大規模な財政出動が始まった。だが米国内では、今回の財政刺激策の効果に懐疑的な見方がかなりある。議会両院で多数派を占める民主党の賛成で法案は成立したが、上院で賛成票を投じた共和党議員はわずか三人で残りは全員反対し、下院では共和党議員全員が反対した。共和党の主張は、大きな政府をつくることは景気回復には役立たず、単に将来世代に負担を押しつける「世代間の窃盗」(マケイン議員)にすぎないというものである。

 実務家のエコノミストらに聞いた調査では、「効果はゼロかほとんどない」と答えた人が約30%いた(図参照)。

 オバマ政権で経済政策の司令塔を務めるサマーズ国家経済会議委員長は、有力な学者でもある。昨年のノーベル賞受賞者クルーグマン米プリンストン大学教授は、新聞のコラムやテレビの討論会に頻繁に登場し、積極財政の必要性を説いている。やはりノーベル賞受賞者のステグリッツ米コロンビア大学教授やアロー米スタンフォード大学名誉教授も財政刺激に賛成している。
 また、かつて財政刺激策の効果を否定する論文を書いたフェルドシュタイン米ハーバード大学教授は、今回は財政出動が必要だとしている。

 他方、効果を懐疑的にみる学者も多い。バロー米ハーバード大学教授、ルーカス米シカゴ大学教授、サージェント米ニューヨーク大学教授、ブキャナン米ジョージメーソン大学教授、ベッカー米シカゴ大学教授、プレスコット米アリゾナ州立大学教授、マンキュー米ハーバード大学教授、テーラー米スタンフォード大学教授といった著名な学者が含まれる(このうちノーベル賞受賞者は四人)。

 バロー、ルーカス教授らは、ケインズ経済学を否定して均衡アプローチのマクロ経済学を研究しており、財政刺激策は理論的にも実証的にも効果がないと考えている。ケインズ経済学の立場をとるマンキュー、テーラー教授らは、理論的には効果はあるが、実証的にはその効果はかなり限定的だと考えており、大規模に財政支出を拡大すれば、ムダな支出が行われると危惧している。

 ・・・

 大恐慌での米国のニューディール政策でも実際の政府支出はGDPの2-3%、1990年代の日本では政府支出GDP比7%でも経済は長期低迷

 財政出動積極派は、(低金利政策で)金融政策面で一段の緩和余地はなくなってきており、財政政策が頼みの網になっている。減税をしても、消費心理が萎縮する現状では消費は増えないと考えられ、政府支出の大幅拡大への期待が高い。

 しかし、今回のような深刻な金融危機が起きた場合、金融システム崩壊を防ぐため、金融機関への大胆な政府介入が必要である。だが残念ながらいったん不況になると、経済を短期的に浮揚させようとしても政府にできることは限られる。

 戦前の大恐慌では、ニューディール政策の積極財政が有効だったという考え方が浸透している。だが現実には、当時の財政出動の規模は小さく、政府支出の増加は国内総生産(GDP)比2-3%程度にすぎなかった。

 また早稲田大学の若田部昌澄教授によれば、英国はほとんど財政出動なしに大恐慌を脱出した。(本欄昨年11月3日)。他方、日本では1990年代の累次の景気対策で、政府支出はGDP比7%以上も拡大したが、効果はなく、経済は長期低迷した。

 ・・・

 さらに谷内満氏は、今回の景気刺激策が1990年代の景気刺激策の内容がさほど変わらないとしたうえで、財政出動の効果の根拠に疑問を呈している。

 日本では、90年代の政府支出拡大が景気回復に効果がなかったのは、ムダな投資をしたからで、今回は省エネ、環境、技術開発、校舎の耐震化、保育・介護など、役に立つ賢明な支出を行えば、景気回復に効果があるとする議論が多い。しかし、この考え方には二つの点で問題がある。

 第一に、今回は役に立つものだけに支出できると考える根拠が不明である。90年代の経済対策の重点項目には、「環境に負荷のない経済社会の実現」 「二十一世紀先導プロジェクトの実施」 「緊急防災」 「介護対策」など役に立ちそうな支出分野が並んでいた。今回は90年代と違うと信じる理由はなんだろうか。

 また景気刺激のため大型の補正予算では本予算では予算化されないようなムダな支出が避けられないとゆう。

 政府がこれらの分野に支出して社会の発展基盤を提供することは、政府の重要な役割である。だがそれらの支出は費用・効果を慎重に考慮
しなければならない。問題は、景気刺激のため大型の補正予算を組むとなると、本予算では予算化されないようなムダな支出が避けられないことだ。

 更に、役に立つ支出なら景気刺激効果があり、ムダな支出なら景気刺激効果がないとゆう理論的根拠は、ケインズ経済学の理論には基づいてなく、実証分析が必要で効果が不明だとゆう。

 第二の問題点は、ムダな支出は景気刺激効果がなく、役に立つ支出なら景気刺激効果があると考える理論的根拠である。政府支出増加が経済全体の生産水準を高めるという考え方は、ケインズ経済学の理論に基づいている。

 ケインズ経済学では価格(ないし賃金)は短期的に硬直的だと仮定され、需要と供給が一致するところで生産水準が決まらず、需要が生産水準を決定すると考えられている。つまり、需要が増加すれば生産が増加する。したがって、政府支出という需要を拡大させれば、生産が高まり景気が回復することになる。

 この理論的枠組みでは、政府支出がムダかどうかにかかわりなく、一兆円の政府支出増加は一兆円の需要増加となる。政府支出拡大が景気刺激にどの程度効果があるかは実証分析が必要だが、はっきりした決着はついていない。

 更に、ケインズ理論もさまざまなものがあり、景気刺激効果を表す乗数もさまざまで、金融政策を主眼に置き、財政出動を脇役と考える「ニューケインジアン」の理論では、乗数は6分の1程度にすぎないとゆう。時系列分析(VARモデル)での結果は「公共投資拡大の効果はないか、あったとしても非常に小さい」と説明する。

 一兆円の政府支出増加で、もしGDPが一・五兆円増えれば、乗数は一・五だという。マクロ計量モデルを使った分析では、乗数はゼロより大きく、政府支出拡大は景気刺激効果があるという結果が得られる。しかしマクロ計量モデルは、ケインズ理論をもとに構築されており、この結果はいわば当然である。また、どんなタイプのケインズ理論を基にしたモデルかで、乗数の大きさは異なってくる。

 オバマ政権が根拠とする乗数は、ローマー米大統領経済諮問委員会委員長らが推計したむので、1・6とかなり高い。だがテーラー教授らは最
近の論文で、この乗数は旧来型のケインズ理論のモデルに基づくむので、新ケインズ理論のモデルで推計した乗数はその6分の1程度にすぎず、かつ1年目にはほとんど効果が出ないと分析している。

 特定の理論を前提にしない実証分析の手法としては、時系列分析(VARモデル)がある。筆者が90年代半ばに行った時系列分析の結果は、
 「公共投資拡大の効果はないか、あったとしても非常に小さい」というものであった。

 新しいデータを使った分析によると、日本では「財政政策変数とGDPやインフレといった経済変数が、過去二十年間、システマティックな関係を示していなかった」(加藤涼『財政政策の乗数の日米比較』二〇〇三年六月の日銀ワーキングペーパー。

 ・・・

 谷内満氏は、非正規雇用に焦点を当てた雇用の安金網整備が最も重要であり、長期的に成長を高めるための政策として、民間企業の農地所有を認めるなどの大胆な改革や、先進国でいちばん高い法人税率を引き下げ、民間企業の活力を高めることが重要と説く。

 財政出動に効果があまりないとしたら、政府は何をすべきなのか。まず、非正規雇用に焦点を当てた雇用の安金網整備が最も重要である。既に取り組みが始まっており、雇用保論法改正案は月内に成立する見込みで、さらなる措置も検討されている。ただ注意すべきは、欧州諸国に比べて雇用の安金網が十分でないという議論がよくなされるが、好況期でも失業率10%前後の欧州諸国をあこがれの理想郷にしないことだ。

 必要なのは長期的に成長を高めるための政策である。今回の不況で農業が脚光を浴びたのは良いことだ。農業活性化ための改革、特に民間企業の農地所有を認めるなどの大胆な改革が求められる。

 日本の法人所得課税は先進国でいちばん高い。法人税率を引き下げ、民間企業の活力を高めることが重要である。

 今回の不況で赤字転落の企業が多いので、法人税を減税しても意味がないと考える人がいるかもしれない。だが報道などで紹介されているように、この不況下でも利益をあげている元気な企業はある。

 また、企業業績が好不況にあまり左右されない業種も多いので、不況の今でも法人税減税は、経済活性化に役立つ。

 直接的な公共事業投資より、セーフティーネットを整え、民間の活力を引き出す政策に重きをおき、税負担を軽くしたり、活力を引き出すしくみづくりを行うことが景気対策に重要とゆうことだろう。

 ・・・

たにうち・みつる 49年生まれ。東大法卒、ブラウン大博士元内閣府政策統括官。専門はマクロ経済学、国際金融









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財政支出が15兆4千億円、事業規模も56兆8千億円!今月の27日に提出予定の「2009年度補正予算案と関連法案」の追加経済対策の中身と財源を日経の記事からまとめた

これでたすかるのかな
 
与党(自民党・公明党)が国会(衆議院)に、今月の27日に2009年度補正予算案と関連法案の提出を予定している。そのなかで最も大きいのが、今日(10日(金))に与党が決定する追加経済対策だ。財政支出が15兆4千億円にのぼり、事業規模も56兆8千億円のぼる。

 ・・・

 日本経済新聞(4/8~4/10)によると中身は、

・政策投資銀行と商工組合中央金庫などへ3兆円の追加出資。

・株価が急落した際の株価対応策、政府の関係機関が市場から株式を買い取る仕組みを整備し、買取枠として、借り入れにかかる政府保証枠を50兆円と」とする。

 
・羽田空港の滑走路延伸、学校などに太陽光パネルを設置する「スクール・ニューディール」などインフラ整備に2兆6千億円

・公共事業の09年度予算の前倒し執行

・医療機関のレセプト(診療報酬明細書)のオンライン請求の促進(約290億円)。必要なコンピューター(レセプトコンピューター)の購入費用などの助成と請求作業を代行するサービスの手数料を軽減。

・11年度までに社会保障カードを実現

・人口衛生を使ってテロ情報などを伝える総務省の全国瞬時警報システム「J-ALERT(Jアラート)」を年内に全国整備(約百億円)

 
・農水分野の追加経済対策
大規模農家に農地を貸し出す農家に最長5年間にわたり交付金を出す農地の集約化事業(2979億円)など計1兆302億円


 ・公共事業の追加による地方負担を軽減する「地域活性化・公共投資臨時交付金(仮称)を交付し、自治体が独自の施策を打ち出すための「地域・活性化・経済危機対策臨時交付金(仮称)を配る。


・法人向け研究開発減税
 企業の研究開発費の一部から差し引ける法人税額の上限を現在の30%から40%に引き上げ、その研究開発費が控除額を上回った場合は、現在の翌年から最長3年まで法人税から差し引けるようにする。

・中小企業向け交際費減税
 今年4月以降の事業年度から資本金1千億円以下の中小企業の交際費の90%までを税務上の損金に算入できる上限を360万円から540万円に引き上げる。

・雇用調整助成金を当初予定した1兆6千億円の予算規模から積み増し、失業給付の予算を7千億円増やす。

・公共職業安定所(ハローワーク)の常勤職員を約300人追加、相談員などの非常勤職員を6千人以上増やす。


・環境対応車への買い替え促進

・省エネ家電購入時販売価格の5%を消費者に還元

・10年3月まで、地上デジタル放送対応テレビの購入費について最大13%分を国費で支援(2千億円)。地デジ対応の薄型テレビは10%を消費者に還元し、リサイクル費用分の3%を補助。還元額の上限は3万9千円(購入価格30万円相当分)として、今年7月から実施


・贈与税減税
住宅購入者や住宅の増改築者で財産を受け取るひとが20歳以上のひとに対して贈与税の非課税上限を今年1月から10年末まで、110万円/年から510万円/年に引き上げる(1千億円規模の減税)。

・住宅ローンのフラット35の融資率引き上げ

・失業者に住宅手当を月額数万円を最大六ヶ月支給する制度の創設(財源1千億円)と低所得者向けの生活費の貸付制度の拡充

・3歳から就学前の子どもに年3万6千円を支給する「子どもと家族応援手当」の創設(今年度まで)

・介護職員の処遇を改善する事業者に3年間助成

・女性を対象としたがん検診の拡充

など...


 一方、追加経済対策の財源は、政府内や財務相見解や与党で、赤字国債と財投債発行で一致も、7~16兆円と発行額には大きな差がでている。

 2009年度補正予算案の財源として、
①与党によれば国債10兆円と財投債6兆円の総額約16兆円の追加発行となる見通し。

②政府によれば、財政投融資特別会計の積立金と経済緊急対策予備費の予備費を合わせて5兆円を取り崩して活用、残りの10兆円は建設国債と赤字国債を発行する。

③与謝野馨財務・金融経済省は赤字国債の発行額が「7~9兆円」になるとの見通しを示した(9日出演したBSフジの番組で)。

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後記:

 追加経済対策の財政出動に関する考察を書くつもりだたのだが、追加経済対策の中身を列挙するだけで手いっぱいになてしもた。次回は追加経済対策の有効性について考えてみる。

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追記(4/11)

 本記事の内容には一部誤りがあります。正確な内容は、日本経済新聞(4/11)を参照願います。










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経済学の変遷でみる各国の財政出動の有効性の疑問-経済教室「ケインズ政策は復活したか」土井丈朗

 政府の経済政策を理論的に支持する経済学の変遷をたどってみる。

G20首脳会合で用いられている経済政策は「ニューケインジアン」と呼ばれる学派に基づく

 (G20)首脳会合(金融サミット)で来年末までに各国が総額約5兆㌦(約500兆円)の財政出動に踏み切ることが表明された。これは日本が1990年代に講じたような伝統的なケインズ政策でなく、「ニューケインジアン」と呼ばれる学派が支持基盤に基づくもの。

石油ショックでの「伝統的ケインジアン」の需要管理政策失敗と80年代からの「新しい古典派」の登場

 「伝統的ケインジアン」は、「家計や企業は時に近複眼的で、必ずしも合理的な行動をとらない」と考える。伝統的ケインジアンは、需要中心の経済観(有効需要の原理)に従った理論を構築し、経済活動の本質は需要が供給を生み出す形で営まれると考える。不況になるのは、需要が不足するためだと見なされ、財政支出の拡大や減税で家計消費を刺激するなどして、需要不足を解消することが重要だと説く。

 「伝統的ケインジアン」の需要管理政策は、石油ショックを経てその有効性に関して疑義が呈され、80年代には合理的期待学派を核とする「新しい古典派」(New Classical)が席捲するようになる。

「新しい古典派」の考え方と問題

 それに対して、「新しい古典派」(New Classical)は、家計や企業が、合理的に将来に関する期待を形成しながら長期的視野で自らの目的(効用最大化や利潤最大化)を達成すべく行動するという、完全競争市場を前提とした理論を構築し、その理論でマクロ経済の動向はうまく説明できるというもの。
 「新しい古典派」が説くマクロ政策の含意は、合理的な個人が政策の効果を合理的に予想するので、しばしば政策は効果がないとし、「伝統的ケインジアン」の消費や投資などに関する決定の理論は、ミクロ経済学的基礎付けが乏しく、経験則的なものにすぎないと非難した。

 しかし、現実の経済は、完全競争市場ではなく、情報の非対称性(供給側が持つ情報と需要側の情報が異なる)や企業の独占などがあって市場の失敗が生じており、政策を講じなくてもうまくいくわけではない。

「新しい古典派」の経済理論を修正した「ニュー・ケインジアン」の登場

 そんな中、新しい古典派の経済理論を用いつつも、市場の失敗が起きる要因を論理的に組み込んで分析し、政策の有効性を議論するマクロ経済学者が出てきた。彼らを「ニュー・ケインジアン」と呼んだ。オバマ米政権を支える経済学者のブレーンは、主にニューケインジアンに属する学者である。

 ただ、ニューケインジアンは、論理的には伝統的ケインジアンと似て非なる学派である。ニューケインジアンは、新しい古典派と同じ供給中心の経済観(セイの法則)に従った理論の上で経済を考える。

 すなわち、合理的に行動する個人が合理的に期待を形成しながらも、賃金調整や物価調整の硬直性(調整に時間がかかる性質)や情報の非対称性や経済主体間で協調が失敗することなど、市場の失敗が起きる可能性を重視し、そこで起きている非効率性を分析したり、それを是正したりするマクロ政策のあり方を分析する。

 市場の失敗を重視する点で、新しい古典派のマクロ経済学とは異なる。

 「ニューケインジアン」と「新しい古典派」の共通理解

 ニューケインジアンと新しい古典派は、理論的背景がほぼ同じで、認識を共有する点がある。今年米コロンビア大学のウッドフォード教授が発表した論文では、以下を両派の共通理解であるとしている。

①経済主体は将来を見据えて行動するので、政策効果は短期だけでなく長期に及ぶものまで考慮して議論すべきこと
②理論に基づいた定量的分析が重要であること
③期待の役割が重要であること
④実物経済の撹乱(かくらん)要因が経済変動にとって重要であること
⑤金融政策は、特に物価調整において、有効な政策手段であること

 市場の失敗を修正する-ニューケインジアンの特徴

 ニューケインジアンは、市場の失敗が深刻になると不況が起きるとみて、不況克服に向け供給側に講じるマクロ政策の有効性をも強く唱える。
例えば市場の失敗として、企業が販売価格を改定する際に費用(メニューコスト)がかかるため価格調整が硬直的で需給がうまく調整できず、景気回復が遅れることがある。

 そのときには、金融政策で物価安定を図り、企業側のメニューコストを低下させよと説く。雇用面では、企業と労働者との間で、求人・求職のミスマッチがあると、非自発的失業が生じる場合がある。その際、企業への政府のミスマッチ解消策が景気対策になる。

あくまでいんふれをちょうせいするためのひょう

 雇用とマク口経済との関係でニューケインジアンが重視する、GDPギャップとインフレ率の相関関係を表すニューケインジアン・フィリップス曲線

 雇用とマク口経済との関係でニューケインジアンが重視するのが、ニューケインジアン・フィリップス曲線だ。伝統的ケインジアンは、経験則的に失業率とインフレ率には負の相関関係があるとしてフィリップス曲線を導出した。

 一方、ニューケインジアンは、価格変動の硬直性や人々の合理的な期待形成など、より現状を反映した形でそれに理論的裏付けを与えたものに改編した。そこでは、失業率にかえてある年の国内総生産(GDP)ギャップ、つまり実際のGDPの潜在GDPからの乖離(かいり)率に着目し、それとインフレ率との関係を描写する(図)。

 すなわちある年のインフレ率とGDPギャップには正の相関関係がある(図の実線)。

 なぜならもし今企業が生産する製品の需要が増えると、生産量を増やそうとしGDPギャップが正の値をとる(B)。このとき企業は労働者をより多く雇おうとするから、賃金を上げる必要が出てきて生産費が上昇し、それが製品価格の上昇として転嫁されインフレ率が上がる(C)。

 一方、もし何らかの理由で将来の期待インフレ率が上昇すると、将来の生産費も上昇すると予想される。このとき価格調整が硬直的ならば企業が価格にすぐ転嫁できないので、目先の売り上げが減るのを甘受してでも、今製品価格を上げて、将来の利益を確保しようとする。このため今年のインフレ率が上がる(D)。

 金融政策には物価安定を図る役目があるので、インフレ率の調整は金融政策に委ねられ、それが結局雇用やGDPの変動の調整につながる。この論理は、世界の中央銀行で共有されており、中銀はニューケインジアンの理論を基に政策立案をすることが多い。

 ゼロ金利時代でインフレ率の調整ができないニューケインジアンの金融政策の限界と現在の財政政策の有用性の疑問

 ただ事実上、ゼロ金利状態になった今、マクロ経済の調整役として、財政政策に期待が寄せられている。名目金利は通常の金融政策でゼロ以下に下げられないので、インフレ率もうまく調整できないと見られているからである。二月二日付本欄で岩本康志・東京大学教授が取り上げたローマー米大統鎖経済諮問委員会委員長らが今年発表した論文も、オバマ政権の景気刺激策を裏付けたものといえよう。

 他方、米スタンフォード大学のコーガン教授やテイラー教授らによると、ローマー委員長らはニューケインジアンと伝統的ケインジアンの理論を接ぎ足したモデルで計算しており、財政政策の効果を過大評価しているという。純粋にニューケインジアンの理論として代表的な欧州中央銀行のスメッツ氏とベルギー国立銀行のウーターズ氏の二〇〇七年論文に基づき同様に試算すると、財政政策の乗数効果は1より小さいと指摘する。

 米ミネアポリス連銀のチャーリー氏らは、今年発表の論文でニューケインジアンの政策分析で用いる係数は、個票データによる分析結果と整合的でないものが使われ、現実をうまく描写できておらず、ニューケインジアンの理論が政策分析に役立つというにはまだ早い」と批判する。

 財政政策の有効性はニューケインジアンの分析でも限定的に示されているが、市場の失敗などにかかわる部分に限られた「脇役」にすぎない。

 もともと彼らの政策分析対象の大半は金融政策で、ゼロ金利状態になりようやく財政政策の効果の分析が本格化し始めた段階である。わが国では伝統的ケインジアンの主張を引用し、「穴を掘って埋める」だけの公共事業や減税でも効果がある、という話が政治的に議論されている。しかし、先にも述べたとおり、このたぐいの話は学術的にはもはや信じられていない。

経済教室「ケインズ政策は復活したか」土井丈朗・慶大教授日本経済新聞(4/6)17面より

 現在、派手に各国で行われている財政出動は、あくまで金融政策でインフレを調節しようとする「ニューケインジアン」の理論に基づくものでなく、新しい考え方か、ことによると石油ショック以降用いられ失敗した「伝統的ケインジアン」の考え方に基づくかもしれない、とゆうことにもっと注意すべきである。









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金融安定化と10年末までに世界総額500兆円の財政出動!G20首脳会合(金融サミット)の合意内容をまとめてみた。

 G7(米国、日本、フランス、ドイツ、イギリス、イタリア、カナダ)にBRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)、新興国(韓国、アルゼンチン、オーストラリア、インドネシア、メキシコ、南アフリカ、トルコ、サウジアラビア)を加えて、4月1日夜からロンドンで開催された二十カ国・地域(G20)首脳会合(金融サミット:London summit 2009)が4月2日午後に閉幕した。

 わずか2日間で、IMF融資規模の拡大や金融規制の強化、財政出動の拡大など幅広い合意がなされた。 主なものは以下のとおりである。


 ・国際通貨基金(IMF)が予測した世界経済成長率2009年度-0.5%~-1%、2010年度約2%に沿ったかたちで10年度に2%回復に向けて参加各国が結束する。

 ・参加国の財政出動での政策協調で09年度(今年度)1900万人の雇用を創出する。

 ・国際的な金融規制・監督の強化をするために、日米欧など12ヵ国の監督当局で構成される「金融安定化フォーラム」(FSF)を改組し、G20の20ヵ国からなる「金融安定理事会」(FSB)を設けて機能強化し、ヘッジファンドなどへの監督強化を行い、IMFと連携し金融危機の兆(きざ)しをいち早く発見して各国に対応を促す「機能強化」する。

 ・タックスヘイブン(租税回避地)を含む非協力的な国と地域に制裁の用意をする。

・日本や中国などがIMFの新興国向け融資枠を3倍に拡大(2,500億㌦→7,500億㌦)し、うち2500億㌦はSDF(IMFの特別引き出し権:合成通貨)の形態をとる。IMFへの新興国(中国など)からの出資比率を見直し、IMFへの新興国の発言権拡大を容認する。

・保護主義の対応に関して、08年11月のワシントン会合の首脳宣言で誓約が明記された「今後12ヵ月間は新たな制約を設けない」の一年間の延長(10年11月まで)で一致し、自由貿易体制への協調維持し、世界貿易機関(WTO)の多角的通商交渉(ドーハラウンド)について早期の大枠合意をめざす。

 ・・・

 今回の合意のなかで、大きく目を引いたのは、「各国の追加経済対策で世界の成長率を4%押し上げる」ために、2010年末までに参加国が総額で5兆㌦(500兆円)もの財政出動に踏み切る方針を固めたことだ。

 この大規模の財政出動については、日米英中の拡大派と仏独を中心とするEU連合の慎重派との間に大きなへだたりがある。政府の税収を超える大幅な事業による支出は、財政の悪化を招くからだ。

 昨日観たニュースバラエティでも、財政出動に伴う赤字国債の発行により、国債の長期金利の上昇を招くことで、市中金利が上昇し、低利の資金調達が困難になり、景気を停滞させる要因になるとの指摘がされていた。

 果たして財政出動による景気対策が景気回復に最も有効な手段なのかだろうか...
 
 昨日の日経(4/6)の経済教室「ケインズ政策は復活したか」土井丈朗・慶大教授のなかで取り上げられていた過去から現在の主要な経済学派の考え方をまとめて、今行われている財政政策の有効性について整理してみたい。

 < 続く >

参照:日本経済新聞(4/2夕刊~4/3夕刊)のG20関連記事








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桜も見ごろになったので、自宅周辺の桜の名所を写真撮りした後、スーパーでイベリコ豚重を買って母宅で食べた

 先週ころからぼくの住んでる街でも桜が開花している。

 西多摩で有名なのは、玉川上水の取水口の羽村の堰(せき)周辺の桜。駅の向こう側(西口)でまだ観にいってなかったのだが、ブログ『梶会長のひとり言』の記事 http://kajikaityo.blog36.fc2.com/blog-entry-88.html に、上水を囲むように見事な桜が開花しているようすがUPされている。

 レンタルDVDを返しにいくついでに、ぼくが住んでいる東口側で有名な桜の名所をカメラに収めることにした。

えんえんとつづくの

 桜の名所のひとつ、日野自動車羽村工場が設けた産業道理沿いの桜並木もほぼ満開のようだ。

おさんぽたのしい

 また富士見公園の桜並木はところにより散り初めていた。

 ・・・

おちゃとあうの

 レンタルを返した後、母が夕食を作らないので、駅前のスーパーに弁当を買いに寄った。

 夕方6時過ぎごろ寄ったスーパーには、朝に作られた弁当は休日のためか品数も少なく、幕の内弁当のようなバランスのとれた弁当で割引品はなく、多数の3割引の牛丼と半額の豚丼がひとつあった。

 ぼくは牛肉を極力避けているので、豚丼を買うことにした。

おにくがすくないの

 「イベリコ豚重(ぶたじゅう)」スペインの黒豚とゆう。母宅で電子レンジでチンして、暖かいのを食べた。

 たれで甘口の味付けをしてあったが、肉はこれといった印象はなく普通の豚肉とゆう感想。この豚にゆで卵半分としょうがを添えて798円は、ちと高いような気が...半額の400円でも高い気がした。

 今日は宅配弁当を食べた。母はおかずが食べられないとこぼすが、ぼくは残さず食べた。肉魚だけでなく野菜や漬物といったおかずがバランスよくとれる宅配弁当のほうが、スーパーで買う弁当よりありがたい気がする。









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政府は借家や団地にも太陽光パネルの設置を促し、低所得者の光熱費の軽減をはかるべきだ

 住宅用の太陽光発電がに値下がりしている。日経(4/5)4面によると、経産省の調査では、2007年度平均の1㌔㍗当たり70万円から2008年度末時点では約60万円に下がった。今年から始まった太陽光発電の導入補助制度の申請件数が2万件に上(のぼ)り、普及効果で価格を下げたと分析している。

 政府(国)の補助金は、1月から1㌔㍗当たり7万円。標準的な家庭用機器は3.3~3.5㌔㍗なので、国の補助は21~25万円に上る。テレビのニュース・バラエティなどによると、それ以外に、都道府県や市町村からも補助金が出るので、200万円ほどの設備費用に総額70万円程度の補助が出され、設備の導入の負担が大幅に軽減されたことが大きな要因になっているようだ。

 2年前、羽村生涯学習センター西棟で実演していた方によると、3.5㌔㍗の太陽光パネルの設置で、年平均で約10万円分の発電の実績があり、一家4人で半分ほどの電気代がまかなえたと言っていた。

 ・・・

 しかし、持ち家でなく賃貸で暮らしている低所得者は、太陽光パネルを設置できないから、この恩恵を受けられない。この政策は中流家庭向けのものであり、低所得層には今のところ縁がない。

 ぼくは光熱費のうち、ガス代や電気代が、月に9万円を切る生活費の中に占める割合が高く、風呂の追い炊きや夏の薄着、冬の厚着で極力使わないよう節約しているのだが、それでもひと月で8千円~1万円に上り家計を圧迫している。

 ぼくの住んでいる団地(都市機構)は、30棟もの大団地なので、太陽光パネルを天井に設置して、それで発電した電力を各戸に無料で供給してくれれば、かなりの電気代の節約になるし、発生した熱でお湯を供給してくれればガス代の節約にもなる。

 都市機構が昭和48年築の団地で、築年数の割りに5万円(2DK)とゆう高額な家賃収入を得ているのを考えると、これら家賃収入の一部を豪華な新築住宅の建設費用に回すのを止めれば、十分に設備の導入ができるはずだ。もともとは公益法人だったのだから、都市機構は太陽光発電の導入に積極的に参加して、居住者に貢献すべきだ。

 ・・・

 賃貸住宅に関しても、政府が更に大きな補助金を出したり、税制上の優遇措置を設け、大家に太陽光パネルの設置を促せば、借家の価値は高まり、入居者は光熱費の負担を軽減できる。

 暮らしに困っている低所得者にこそ、太陽光パネルの恩恵を受けられるように政府は優先的に支援すべきだと思う。









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内需拡大のために、低所得者の家賃や光熱費、生活必需品の消費税-10%の検討の余地はないか

 昨日、駅前のスーパーで朝食用の食料だけ買った。
 (内は昨年初頭)
・一斤(キン)の食パン 88円(88円?)
・カットサラダ      100円(50円:50%引き)
・薄皮つぶあんぱん  108円(98円)
・グレープフルーツ    98円(49円:50%引き)
・マキシム(コーヒー) 478円(398円)
・マリーム低脂肪    178円(198円)
合計          1,041円(881円)18%UP

 食費が2割近く増えたのは、野菜類、フルーツの見切り品が極端に入手しづらくなり、販売価格での購入をよぎなくされていることと、マーガリンやコーヒーなどの食品で2割高くなっていることだ。

 ・・・

 昨年末から、景気対策として、金融機関や大手健全企業の有価証券の損失の資本減少の穴埋めのために、政府が金融機関や大手企業が発行する社債や株の購入や時価が大幅に下がって売れない債券の購入を決めて、大幅に国庫のカネを使っているのに対し、低所得者の消費の過半を占める家賃や光熱費、食費、日用品の負担増に対しては有効な対策が打てていない。

 結果、収入があがらないのに、値上げ分の出費によって生活が追い込まれている。

 政府が内需拡大を国民に呼びかけるなら、生活苦に苦しむ国民にこそ援助をして消費を減らさないように努力するのが、上策なはずだ。低所得者を追い詰め消費を冷え込ませているのは政府自身だ。

 ・・・

 消費者の内需回復を図るなら、政府は昨年初頭の生活必需品の物価水準に戻すよう誘導するべきだし、実質のセーフティーネットになっている見切り品が店頭に並ぶ割合を戻すよう誘導すべきだ。

 もし、現状の生活必需品物価を下げられないのであれば、低所得者に対し、生活必需品の価格に消費税-10%を課すとゆうのもいいだろう。

 現行の+5%に対して-15%の購入価格引き下げ効果がある。低所得者の生活必需品とゆうことに限定すれば、消費税の税収の落ち込みはそれほないはずだ。

 また、このマイナス消費税の総額を下げるために、生活必需品の価格引下げ政策を政府が実行していくのも有効だ。
 
 ・・・

 日本に住む低所得者には家もなく、高額な家賃を払い、衣服やテレビ、洗濯機、冷蔵庫、クーラーなどの電化製品を買えないひとはおおぜいいる。日々の固定費となる家賃や光熱費、生活費を低く抑えれば、その分、こういったものにカネを使える余地が生まれてくる。

 つまり、低所得者が最低かかるカネを減少させられれば、内需拡大に結びつく余地がある。

 政府が内需拡大を図りたいなら、今まで消費に参加できなかった低所得者を支援して消費者としての役割を与えるべきだ。そのための低所得者の家賃や光熱費、生活必需品の消費税-10%、検討してもらえないだろうか。
 








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破産適用による債務免責者のぼくをを再び債務者にする申請書を書かせようと繰り返し迫る『羽村福祉協議会』に困っている

いっけん、やさしそうにみえるが...

 先月の中旬、『羽村福祉協議会』から「緊急生活援護資金」の返済の督促状が来た。

 『緊急生活援護資金の督促について』(上記資料)によると、平成17年9月16日付けで借りた緊急生活援護資金に関して、平成18年2月23日にぼくが羽村市社会福祉協議会に来た後、平成18年5月17日付けの免責決定書を受け取ったが、その後、相談に来なかったので、督促状を送ったとゆう。

 また、償還(返済)できない事情がある場合には相談を受けることもできるから連絡をしろとゆう。

 ・・・

 実は、平成18年の早々、4社のカードローンと母、日本学生機構、羽村市社会協議会に借りているお金について、その中の「ルミネカード」を発行しているJR東日本が決められた期日までに返済するか、破産もしくは調停の申し立てを裁判所にしろと迫ったので、市の生活相談の弁護士に相談して、強く破産の申し立てを勧められた。

 その後、弁護士を立てて破産の申し立てをして、平成18年5月7日に借金の免責決定書が東京地裁から送られてきて、ぼくの債務は免除されたのだ。

 ところが、羽村福祉協議会は昨年、次の書類をぼくのところに送りつけてきた。

むりやりさいむをおわせるしょうしょ

 この『緊急生活援護資金債務承認兼期限後償還金分割払込申請書』には、「緊急生活援護資金  円の借入金について、  円の債務を負っていることを承認します。」と書いてある。

 つまり、すでに債務が免責になったぼくを、再び債務者にする書類なのである。当然、ぼくに支払う義務はない。

 実は、このような手はサラ金などの悪質な取立て業者が、債務免除になったひとに対して、借金を回収するために使う手である。

 こうゆう取立ての書類を送るのは違法ではないが、今回、債権者で、債務免除者に対して、『借入金について債務を負っていることを承認します』とゆう書類を送ってきたのは、『羽村福祉協議会』だけだ。

 それでぼくは腹を立てて、「免責決定書」を『羽村福祉協議会』に送り、債務免除になっていることを改めて『羽村福祉協議会』に認識させることにした。

 しかし、今回2枚めの書類にこの用紙がまたも入っていた。あくまで、債務免除者のぼくを債務者にしたいらしい。

 そして同封された3枚めの『緊急生活援護資金の督促について』には、
おおくのひとにもめいわくをかけるといってとりたてる

 「あなたに償還していただきませんと、保証人様だけではなく、他の多くの方々にもご迷惑をかけることになります」と、償還(返済)しなければ、保証人や他の多くの方々に迷惑をかけるとぼくに負い目を負わせたうえで、債務免除者のぼくを再び債務者にする『緊急生活援護資金債務承認書兼期限後償還金分割払込申請書』を提出しろ、そうしなければ、「保証人様にもご連絡させていただき、こちらからも訪問させていただきます。」と脅(おど)しをかけてきているのだ。

 更に、既にぼくは、『羽村福祉協議会』に免責決定書を送ってあり、債務免除になっていることがわかっていながら、「ご償還できない事情のある方は、ご相談に応じますので、まずはご連絡ください」と連絡していないかのように書いてある。

 一度ならず、二度までも債務免除者のぼくを再び債務者にする『緊急生活援護資金債務承認書兼期限後償還金分割払込申請書』を送りつけたうえで、「保証人様にもご連絡させていただき、こちらからも訪問させていただきます。」と脅しをかけた『羽村福祉協議会』に対して、ぼくは腹立たしさを覚えた。

 それに、破産を申請した後、債権者のひとりだけに借金を支払うと、他の債権者もぼくに借金を督促できるので、せっかくの免責が無効になってしまう。つまり、ぼくは記録に残るかたちで債権者にお金を返せないのだ。

 そこで、保証人である母に事情を話し、ぼくは『羽村福祉協議会』に連絡しないことと、『羽村福祉協議会』が母に督促したとき、母の代理人にぼくがなって、『羽村福祉協議会』と交渉することを母に説明し、了承を得た。

 今後、『羽村福祉協議会』がどんな手ででてくるかわからないが、母の負担にならないように極力交渉するつもりだ。








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